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えごま油とアマニ油の違い

食・料理
YOKARE編集部
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えごま油とアマニ油の違い

えごま(荏胡麻)は青じその仲間で、生の葉は韓国料理に使われています。えごまの種子から抽出された油は、えごま油、もしくは、しそ油とも呼ばれます。

一方、アマニ油は亜麻という植物の種子から抽出された油です。

えごま油もアマニ油も、オメガ3(n-3)系脂肪酸「α-リノレン酸」が豊富に含まれることから注目を集めています。α-リノレン酸は、アレルギー抑制、血流改善、血栓予防効果に効果的な成分です。体内で合成することができない必須脂肪酸 で、血液中のコレステロールや血圧を下げる効果があると言われています。

オメガ3系脂肪酸を含む健康オイルとして、アマニ油とえごま油、どちらも目にする機会が多くなりました。この2つの油、どこに違いがあるのでしょうか。 

どちらかと言えばえごま油は和食に、アマニ油は洋食に向きます。この記事では、えごま油とアマニ油の特徴や違いを紹介します。

えごま油とアマニ油の違い

α-リノレン酸が豊富に含まれることで注目を集めているえごま油とアマニ油。そんなえごま油とアマニ油にはどのような違いがあるか、まずはそれぞれの特徴から紹介していきます。

えごま油の特徴

えごま(荏胡麻)は、ごまの仲間ではなく、シソの仲間になります。えごま油は、えごまの種子から抽出された油です。

えごま油の主な栄養素は、α-リノレン酸、カルシウム、ナイアシン、食物繊維、ビタミンB1、B2、ロスマリン酸、ルテオリンなどが挙げられます。

えごま油が身体に良いと言われる理由の一つに、α-リノレン酸というオメガ3系脂肪酸を豊富に含んでいることが挙げられます。α-リノレン酸は体内に入ったあとで代謝されて、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)となります。

えごま油は、アレルギーを抑制したり、生活習慣病の原因となるコレステロールを減少させる効果があるとされています。

脳細胞の活性化や情報の伝達性を高め、認知症や高血圧など様々な疾患に効果があるとされている有効な成分です。さらに精神的に安定させる働きもあり、うつ病などの心疾患にも良いといわれています[※1]。

[※1]参考:オメガ3系脂肪酸の摂取による不安症状の軽減をメタアナリシスで確認

えごま油の脂肪酸のうち、約60%がα-リノレン酸

えごま油には、健康的な生活に欠かせないα-リノレン酸(オメガ3脂肪酸)が豊富に含まれており、えごま油の脂肪酸のうち、約60%がα-リノレン酸で、食用油のなかでは最も豊富に含まれています。

えごま油は和食によく合う

えごま油の香りには、気になるほどのクセはありませんが、少し青魚のような味と香りがします。和食によく合い、おひたしや、みそ汁、納豆などにかけると、美味しくいただけます。

現代人に不足がちなDHAやEPA

えごま油にはα-リノレン酸が豊富に含まれていますが、えごま油を摂取することで、体内でDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)に変換されます。
DHAやEPAは体内で合成できないため、食事から摂る必要がありますが、近年、青魚が苦手な人が多いようです。

魚を食べない日には、魚の代わりに小さじ1杯のえごま油を摂ることで、DHAやEPAを補うことができます。

どんな栄養成分も、摂れば摂るほど体にとって良いわけではないので、適量を摂取するようにしましょう。目安としては小さじ1杯です。

えごまの原産地は中国

えごまの原産地は、中国雲南省の高地です。中国、韓国を経て、日本に伝わったと推測され、すでに縄文時代から日本で作られていたようです。

また、えごま油は食用の他に、灯籠や提灯の燃料、傘や雨合羽、建築家具の塗装などにも利用されていたようです。
日本では、江戸時代後期になると、なたね油が広がり、えごまを作る人が少なくなってしまいました。
明治に入ると、中国や朝鮮からの安いえごまの輸入品に国内生産は激滅し、今では福島県、岩手県、岐阜県、宮城県などの一部で栽培されるだけとなりました。

アマニ油の特徴

亜麻という植物の種子から採集された油です。


アマニ油は、オメガ3系の脂肪酸や、体内で女性ホルモンのような成分に変わる亜麻リグナンという亜麻の種子に含まれるポリフェノールの一種を多く含んでいます。

その他の主な栄養素は、α-リノレン酸、オレイン酸、リノール酸、食物繊維、亜麻リグナンなどです。

えごま油と同様にα-リノレン酸が含まれることから、認知症や脳梗塞の予防、アレルギー症状の緩和、高血圧の予防に効果あると期待されています。

特徴的な成分がアマニリグナンで、女性ホルモンに似た働きがあり、更年期障害の改善などが期待できます。

アマニ油の原産地

アマとは、中央アジア原産のアマ科アマ属の一年草です。


アマの種子をアマニ、種子から抽出される油をアマニ油といいます。
アマニ油は、古代ギリシャの医学者ヒポクラテスが、アマの種子を食べれば、胃腸の調子がよくなると、アマの栽培を奨励していたそうです。
日本には、1690年に、中国から薬用油として伝わってきました。
現在では、比較的寒い地方で栽培されています。

えごま油とアマニ油の違いをまとめると…

  えごま油 アマニ油
原料植物 シソ科 アマ科
原産地 中国 中央アジア
風味 クセが無く食べやすい クセが無く食べやすい
オメガ3の含有量 約60% 約50%
おすすめ料理 和食 洋食

えごま油もアマニ油もα-リノレン酸が豊富に含まれており、アレルギー体質の改善や、アンチエイジング効果が期待できます。
どちらも、効果効能はほぼ同じなので、目的や好みによって選ぶようにしましょう。
何事もバランスは大事、摂れば摂るほど体に良いというものではありません。1日に小さじ1杯程度を、コンスタントに摂るのが理想的な摂取方法です。

えごま油とアマニ油ではどちらがおすすめ?

えごま油とアマニ油に含まれるオメガ3の含有量は、60%前後でほとんど変わらないため、料理やオメガ3以外の栄養価によってどちらかを選ぶとよいでしょう。
えごま油は、鉄、カルシウム、マグネシウム、ルテオリン、亜鉛等、健康維持に必要な成分がたっぷり含まれています。フラボノイドの一種で抗酸化物質のルテオリンには、アレルギー症状の緩和、免疫力を高める働きがあります。

一方、アマニ油は特有のポリフェノールの一種、アマニリグナンを含みます。このアマニリグナンにはコレステロール値を抑え、内臓脂肪を減らす働きがあります。また、大豆イソフラボンなどで有名なエストロゲンと同様の働きがあるため、更年期障害の予防や緩和にも効果が期待できます。

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