α-リノレン酸が豊富な「エゴマ」の健康効果に注目!
さまざまな種類の健康オイルが販売され、日常の食卓に上るようになりました。エゴマ油もその1つ。エゴマ油はエゴマという植物の種子を搾ってつくられます。エゴマの葉も健康に役立ちます。エゴマの健康効果を紹介します。
エゴマとは?
エゴマ(荏胡麻)はシソ科の1年草の仲間。見た目は青ジソにそっくりですが、葉はやや丸いのが特徴です。原産地は東南アジアで、アジアの各地で古くから栽培されてきました。
エゴマは成長すると1メートルほどの高さになり、10cm前後の葉をつけます。葉や種子は食用として利用されます。
種子はゴマに似ていて、日本では各地で伝統的な料理に使用されてきました。韓国では、焼肉をエゴマの葉で包んで食べたり、キムチの原材料に使用したりします。
エゴマの種子や葉には健康に役立つ栄養成分が豊富
エゴマには、さまざまな栄養成分が含まれています。代表的なものに、α-リノレン酸があります。
α-リノレン酸は、オメガ3系の不飽和脂肪酸の1つ。私たちの体の機能を正常な状態に維持するために必要な成分なのですが、体内でつくることができないため、必須脂肪酸と呼ばれています。
食品に含まれるα-リノレン酸は、摂取後に体内でDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)に変換されます。
エゴマ油の場合、100gあたりにオメガ3系多価不飽和脂肪酸を58.31g、オメガ6系多価不飽和脂肪酸を12.29g含んでいます。
このほか、エゴマの種子には、食物繊維やたんぱく質が多く含まれています。
エゴマの葉にも、健康に役立つ栄養成分がしっかりと含まれています。主なものはβ-カロテン、ビタミンC、ビタミンE、カルシムなどです。
サラダなどへの利用がオススメ
エゴマは葉にも種子にも健康をサポートしてくれる栄養成分が多く含まれていますが、特に話題に上っているのが、エゴマの種子から搾られるエゴマ油の健康効果です。
前述したように、エゴマ油にはα-リノレン酸が豊富に含まれることから、健康の維持・増進を目的とした多数の商品が登場しています。
DHAやEPAといったオメガ3系脂肪酸は、サバやイワシなどの青魚に多く含まれていますが、青魚が苦手な方も少なくなく、そもそも青魚を毎日摂取することは困難です。そこで、体内でDHAやEPAに変換されるα-リノレン酸が豊富なエゴマ油が注目されているわけです。
エゴマ油は熱に弱く、焼いたり煮たりする加熱調理には適していません。このため、サラダにかけたり、料理にかけたりして使用するのが一般的です。
期待される血圧やLDLコレステロールへの効果
エゴマ油の健康効果は、科学的な研究によって明らかになってきました。その1つに、α-リノレン酸による血圧がやや高めの方に対する効果があります。また、血中のLDL(悪玉)コレステロール値を低下させる機能も報告されています。
血圧やLDLコレステロール値に関する試験結果は、機能性表示食品に活用され、関連商品が登場しています。
エゴマの葉についても美容効果などが期待されていますが、本格的な研究はこれからです。
韓国料理で?オイルで?健康食品で?
エゴマの種子や葉には、健康を維持するために必要な栄養成分がたくさん含まれています。葉については、韓国料理店で焼肉と一緒に食べる機会が増えてきました。種子は、国内の一部地域で伝統的な料理に利用されています。
もっと手軽に摂取したい方には、エゴマ油がオススメ。ほかにも、エゴマの葉や種子を使用した健康食品が選択肢となります。あなたの健康を守るために、食卓にエゴマを取り入れてみてはいかがでしょうか。