栄養満点の「納豆」を食卓に
7月10日は「納豆の日」です。納豆は健康に良い発酵食品の代表格。私たちにとって納豆は身近な食品ですが、意外と知らないことも少なくありません。納豆に関する豆知識を紹介します。
納豆が不人気の関西から始まった「納豆の日」
「7(なっ)」と「10(とう)」を合わせて、7月10日を「納豆の日」と定めています。これは、関西納豆工業協同組合が納豆の消費拡大を狙って設けたもの。
関西では納豆を食べる習慣が根付いてなかったことから、消費拡大を目指して1981年に「納豆の日」を決めました。その後、納豆業界が全国的に普及させていきました。
納豆は江戸時代から庶民の食べ物に
日本人が納豆を食べ始めた歴史は謎に包まれています。一説によると、弥生時代から納豆に似た食品の利用が始まったとも。ただし、納豆という言葉は平安時代に初めて出てきました。室町時代になると、納豆は広く知られるようになっていきます。
納豆が一般家庭に普及したのは、江戸時代の中期頃から。江戸では毎朝、納豆売りが売り歩いていたと言われています。そうした風景は、明治に入ってからも続きました。
その後、納豆の製造業が発達し、製造方法や容器包装の改良が進みました。同時に、各地域では独自の製造方法や納豆菌の種類によって、さまざまな納豆ブランドが誕生していきます。
納豆はどうやってつくるの?
納豆の製造は、大豆を洗うことからスタートします。大豆の表面の汚れや微生物を洗い落とした後、水に20時間ほど浸けます。
次に、大豆を高圧で1時間近く蒸します。そして、納豆菌をかけていきます。納豆菌がかかった煮豆を容器に入れて、40度くらいの発酵室で20時間ほどかけて発酵させます。その後、発酵室から冷蔵庫に移して熟成させます。
納豆菌の種類によって風味が異なる
ところで、製造に欠かせない納豆菌とは、どのようなものでしょうか。
納豆菌は枯草菌という細菌の1種。特に稲わらにたくさん存在しています。納豆菌は、熱などに強い菌種として知られています。
納豆菌には多数の種類があり、メーカーによって用いる菌が異なります。今後も新たな納豆菌が次々と発見されることでしょう。
スーパー店頭に並ぶ納豆は、商品によって風味やネバネバの強弱が違いますよね。これは製造に用いる納豆菌の違いによるもの。匂いがしない納豆も、納豆菌がなせる業なのです。
食感は大豆の種類によっても異なります。ご飯に混ぜて食べるには、小粒のものが適しています。おかずとして楽しみたい方には、大粒のものがオススメです。
納豆の消費量は東北や北関東が多い
関西人には納豆が苦手な方が多いと言われています。納豆の消費量は地域によって大きく異なり、3倍ほどの開きが見られます。
消費量が多い地域は、秋田県・青森県・福島県などの東北地方や、茨城県・栃木県などの北関東地方です。一方、関西地方の大阪府・京都府・兵庫県・和歌山県などは、下から10番以内の位置にあります。
納豆に含まれる栄養成分
納豆は、さまざまな栄養成分が豊富。100gあたりにたんぱく質16.5g、食物繊維6.7gが含まれています。食物繊維は不溶性食物繊維が4.4g、水溶性食物繊維が2.3gの構成です。
ビタミン類はビタミンKやビタミンB群がリッチ。ミネラル類はカルシウムをはじめ、鉄、カリウム、亜鉛など。このほか、イソフラボン、ナットウキナーゼといった成分も注目されています。
納豆の健康効果はどうでしょうか。国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所によると、「高血圧」に対する有効性が示唆されています。一方、インターネット上や情報番組などで「ダイエット」「免疫力を高める」「血液サラサラ」といった効果をうたっていますが、これらについては信頼できる研究が見当たらないと説明しています。
納豆は栄養価が高く、健康に役立つ食品であることは確かですが、疾病を予防したり改善したりできません。くれぐれも、不確かな情報を過信しないようにしましょう。
あなたの好みに合った納豆を見つけよう!
栄養価の高い納豆を賢く食生活に取り入れれば、栄養バランスの改善と健康の維持につながります。
さまざまなタイプの納豆が販売されていて、食べ方も多様化していますので、いろいろとチャレンジしてみてはいかがでしょうか。きっと、あなたの好みに合う納豆、食べ方が見つかるはずです。