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オリーブの実

成分の話
YOKARE編集部
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オリーブの実

オリーブの実は、オリーブオイルの原料となるほか、加熱してピザやパスタに使用したり、塩漬けにしてサラダのトッピングにしたりと、そのままでもおいしく楽しめます。栄養価も高く、古くから世界中で愛用されてきました。オリーブの実の魅力についてお話します。

世界中で1,600以上の品種

オリーブは平和の象徴とされ、国連の旗のデザインにも使われています。これは、旧約聖書に出てくる「ノアの箱舟」の物語に由来すると言われています。

オリーブは常緑の高木で、世界中に1,600種類以上の品種が存在します。国内では主産地の香川県で、「ミッション」「マンザニロ」「ネバディロ・ブランコ」「ルッカ」などの品種が栽培されています。

オリーブの木は5月下旬から6月にかけて、白っぽい小さな花を咲かせます。その後、花の多くは実になることなく散ってしまいますが、一部で実をつけます。

若い実は緑色をしていて、成熟するにつれて黄色、赤色へと変わり、完熟すると黒っぽくなります。

グリーンオリーブとブラックオリーブの違いは?

小売店頭を見ると、緑色をしたオリーブの実と、黒っぽい色をしたものが販売されています。その違いは何でしょうか?

オリーブの実は熟する前は緑色をしていますが、熟すると黒っぽい色になります。緑色の「グリーンオリーブ」は熟していない若い実を収穫したもので、「ブラックオリーブ」は熟してから収穫したものです。

グリーンオリーブとブラックオリーブの違いは?

グリーンオリーブは風味が強く、渋みも強めで、ややクセがあります。これに対し、ブラックオリーブはマイルドな風味が特長で、食べやすいです。

実をそのまま味わう場合は、ブラックオリーブが適しています。パスタやピザなどイタリア料理でブラックオリーブがよく使われますので、外食で口にすることも多いのではないでしょうか。

主産地はスペインやイタリア、日本は香川県

オリーブの主産地は、地中海沿岸に集中しています。スペイン、イタリア、ギリシャ、トルコ、モロッコ、シリア、チュニジアなどが有名です。

スペインが世界最大の生産地で、世界の生産量の約3割を占めています。次にイタリア、モロッコ、トルコ、ギリシャが続きます。

産地によって品種、気候、土壌条件などが異なるため、オリーブの実の風味も産地ごとに違いがあります。当然ながら、オリーブの実を搾ってつくられるオリーブオイルの風味も、原料となる実の産地によって個性が生まれます。

日本国内では、香川県が主産地として圧倒的な存在感を示しています。香川県の小豆島は日本で初めてオリーブの栽培に成功したと言われ、「オリーブの島」として知られています。

2020年産のオリーブ収穫量は全国で約605トンでしたが、そのうちの8割を香川県産が占めています。香川県以外では、宮崎県や大分県などがあります。

オレイン酸、ポリフェノール、ビタミンE、食物繊維…多様な栄養成分がぎっしり

オリーブの実には、多種類の栄養成分が多く含まれています。最大の特長は、オレイン酸が多いこと。オレイン酸は不飽和脂肪酸のオメガ9系脂肪酸で、オリーブの実のほか、ナタネなどにも多く含まれています。

また、「ヒドロキシチロソール」をはじめ、「オレウロペイン」「オレオカンタール」といったポリフェノールも含みます。ポリフェノールは、植物が作り出す苦味・渋味や色素の元となる成分。特にヒドロキシチロソールは強い抗酸化作用があります。

ビタミンEも豊富に含んでいます。ビタミンEのトコフェロールには、α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)、δ(デルタ)の4種類があります。そのうち、オリーブの実には、グリーンオリーブ(塩漬)100gあたりにα-トコフェロールが5.5mg、ブラックオリーブ(同)100gあたりには4.6mg含まれています。

食物繊維がリッチなことも特長の1つ。100gあたりにグリーンオリーブ(塩漬)では3.3g、ブラックオリーブ(同)では2.5g含まれています。そのほとんどが、水に溶けない不溶性食物繊維です。

このほか、β-カロテンや鉄分なども含んでいます。β-カロテンは、私たちの体内でビタミンAに変換されます。

オリーブの実はコレステロールを抑制

オリーブの実に多い不飽和脂肪酸のオレイン酸には、コレステロールを抑制する作用があります。

また、ポリフェノールのヒドロキシチロソールは抗酸化作用を持ち、血中LDL(悪玉)コレステロールの酸化を抑制する働きがあります。この点に着目した多数の機能性表示食品が発売されています。

家庭料理でオリーブの実を活用しよう!

オリーブと言うとオリーブオイルをイメージしがちですが、その原料である実はオレイン酸、ポリフェノール、ビタミンE、食物繊維などが豊富で健康的な食材です。

健康維持の一助として、自宅で料理する際に、オリーブの実をサラダのトッピングやパスタなどに使用してみてはいかがでしょうか。
 

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