シャクヤク(芍薬)
女性の立ち振る舞いの美しさに例えられるシャクヤク(芍薬)
シャクヤク(芍薬)のはボタン科の多年草で、原産は中国の北部からシベリア東部。中国では、紀元前から薬草として使用されていて、宋の時代には観賞用としても広く栽培されるようになりました。平安時代に日本にも伝えられ、それ以降、観賞用、薬用としてさまざまな種類が生まれています。
- 学名:Paeonia lactiflora
- 属科:ボタン科ボタン属
- 和名:シャクヤク(芍薬)
- 旬:5月
シャクヤクは1つの株からまっすぐに茎が伸びて、約60センチほどの高さに成長します。茎の先に大きく綺麗な花を咲かせる姿から、美しい女性の立ち振る舞いに例えて 「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という表現が生まれました。
シャクヤク(芍薬)の特長
シャクヤク(芍薬)の生産地
中国の北部からシベリアの東部にかけて、多く生産されています。国内でも、奈良県や北海道、長野県など生産が行われていますが、生薬として使用される芍薬は、中国からの輸入がほとんどです。
生薬としてのシャクヤク(芍薬)
シャクヤクを生薬として使用するときには、根の部分を水洗いし、乾燥させて用います。シャクヤク(芍薬)のほかに、ビャクシャク(白芍)とも称され、痛みやけいれんを抑えたり、補血剤や止血剤、更年期症状の緩和や産前産後の諸病など、さまざまな治療に利用されています。
多くの漢方薬に配合されるシャクヤク(芍薬)
シャクヤクの消費量は生薬の中で4番目ととても多く、身近な薬用植物のひとつです。以下の漢方にはシャクヤク(芍薬)が配合されています。
- 葛根湯
- 桂枝湯
- 桂枝茯苓丸
- 柴胡桂枝湯
- 芍薬甘草湯
- 十全大補湯
- 小建中湯
- 小青竜湯
- 加味逍遙散
- 当帰建中湯
- 当帰芍薬散