脳梗塞の初期症状は熱中症と似ている。どんなときに救急車を呼ぶべき?

脳梗塞治療薬の新薬を開発している株式会社ティムスは、20〜69歳の男女1,000名を対象に「夏の体調不良に関する意識調査」を実施。
脳梗塞の初期症状は熱中症と似ていて、「熱中症かな」と様子を見てしまうことで治療が遅れる懸念があるという。夏の暑さがもたらす脱水症状とともに血圧変動などの要因による血栓形成リスクの高まりは医学的にも指摘されている。こうした夏の脳梗塞・脳卒中リスクを私たち生活者がどの程度把握しているか調査した結果、夏に「脳梗塞・脳卒中」を警戒している人はわずか7.5%だった。
夏に気をつけたい病気として「熱中症」を挙げた人が66.5%に上り、脱水症状、夏バテ、食中毒、不眠・睡眠の質低下と続いた。
夏に経験した体調不良として最も多かったのは「だるさ・倦怠感」(35%)ですが、脳梗塞のサインとも重なる「手足のしびれ・違和感」や「強い眠気・意識がぼんやりする」を経験した人がそれぞれ6%のほか、「ろれつが回りにくい・言葉が出にくい」を経験した人も2.9%見られた。熱中症とも見分けがつきにくいため、夏の体調不良の一部として見過ごされている可能性もある。
夏に体調不良を経験した人のうち、約7割が原因を「暑さ・熱中症」または「夏バテ」と自己判断している。「すぐに病院を受診または救急車を呼んだ」人はわずか3.5%。
脳梗塞を発症していた場合、現在の治療薬は原則として発症後4.5時間以内の投与に限られているため、「様子を見る」「何もしない」という行動が治療の機会を奪ってしまうかもしれない。
東北大学大学院 医工学研究科 神経再建医工学分野 教授 新妻 邦泰 先生は、脳梗塞は夏にも起こるため、片側のしびれや言葉の異常があれば、家庭で様子を見ず119番するようにと夏の体調不良を熱中症・夏バテと自己判断するリスクを指摘。
夏の脳梗塞は脱水だけが原因でなく、暑さによる血圧・循環の変動、持病や飲酒などが重なることがあります。水分補給、室温管理、持病治療の継続を心がけましょう。
ティムスが開発中の脳梗塞治療薬の新薬候補「TMS-007」は、血栓溶解作用に加え炎症を抑える作用を持っている。現在の脳梗塞治療薬は原則として発症後4.5時間以内の投与に限られているが、2018年から2021年にかけてティムスが国内で実施した臨床試験では、発症後12時間以内を対象に投与が行われた。平均的な薬剤の投与時間は脳梗塞発症9時間程度だったが、脳出血などの副作用は増加しなかった。国際臨床試験において、投与時間を発症後最大24時間までに拡大して検証が行われている。