昆虫食の人気商品や売れ筋商品とは
たんぱく質の新たな供給源として注目される昆虫食。日本国内でどのような昆虫食が販売されているのでしょうか。代表的な昆虫食である「コオロギ」「イナゴ」「蜂の子」「カイコ」について、人気商品や売れ筋商品を見ていきましょう。
代表的な昆虫食① コオロギ
初心者に最適の無印良品『コオロギせんべい』『コオロギチョコ』
話題をさらったのが無印良品のコオロギシリーズ。『コオロギせんべい』『コオロギチョコ』が販売されています。パウダー化した食用コオロギを使用するため、見た目は一般的なせんべいやチョコレート菓子と同じ。昆虫食の初心者にとっては最適です。
徳島大学発ベンチャーのグラリスが展開する『シートリア』シリーズも人気です。敷島製パンからは、オンラインショップ限定で『コオロギの食育パンキット』が発売されています。
インターネット通販では、『コオロギゴーフレット』『コオロギクッキー』といった菓子類、『コオロギ塩』『コオロギ醤油』などの調味料類も売れ筋です。
食用コオロギにはいくつかの種類があります。世界的にもっともポピュラーなのが、ヨーロッパイエコオロギ。サイズが小さく、そのままの姿でも食べやすいのが特長です。日本ではフタホシコオロギが主流です。
コオロギパウダーの栄養成分を見ると、100gあたりにたんぱく質60g程度を含有。生の状態では、豚・牛のモモ肉とほぼ同程度の含有量です。
代表的な昆虫食② イナゴ
伝統的な『いなご甘露煮』『イナゴの佃煮』が売れ筋
日本で昆虫食と言えば、イナゴを真っ先に思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
イナゴは長野・群馬・福島・山形などで、古くから食用とされてきました。海産物が少ない地域では、たんぱく質やカルシウムが豊富なイナゴは貴重でした。
イナゴは昆虫食のなかでも、たんぱく質の含有率がトップクラス。カロリーも多く、エネルギー源としても貢献します。
イナゴ商品の代表選手は、『いなご甘露煮』や『イナゴの佃煮』。長野県の地元食品企業などから売れ筋商品が販売されています。甘辛いイナゴの甘露煮・佃煮は、サクサクした食感と香ばしさが特長で、ご飯のおかずにもお酒のおつまみにもピッタリです。
このほか、塩を加えてスナック菓子の感覚で食べられる商品もあります。
また、イナゴはペットのエサとしても人気があります。インターネット通販でペット用の『冷凍イナゴ』などが購入可能です。
代表的な昆虫食③ 蜂の子
DHC『蜂の子ロイヤル』などのサプリメントがヒット
蜂の子は、蜂の幼虫を調理したもの。信州の特産物として知られています。甘露煮や佃煮にしたり、炒ったり、炊き込みご飯に混ぜたりして食べます。
蜂の子は、各種アミノ酸をはじめ、カルシウム・マグネシウム・亜鉛などのミネラル、ビタミン類が豊富。栄養価に優れた食品なのです。
意外かもしれませんが、蜂の子はその栄養価の高さから、サプリメントの原料に使用されています。
大手通販会社DHCの『蜂の子ロイヤル』や山田養蜂場の『酵素パワー蜂の子』などが、人気商品です。
サプリメントでは蜂の子をパウダー化して配合。吸収されやすくするための加工を施すこともあります。
代表的な昆虫食④ カイコ
スタートアップのエリーが「シルクフード」を研究開発
カイコは養蚕農家が繭(まゆ)を生産するために飼育します。養蚕業はかつて、日本の伝統的な産業として栄えてきました。
カイコは栄養価が高く、食材としても優秀。たんぱく質をはじめ、ビタミン・ミネラル、不飽和脂肪酸など60種類以上の栄養成分を含みます。
長野県などでは、カイコの蛹(さなぎ)を佃煮にした商品が売られています。インターネット通販では、中華食材『冷凍蚕蛹』、サラダのトッピングなどに用いる『山梨かいこ蛹・甲州みそ味』、『カイコ甘露煮』といった商品があります。
最近の動向を見ると、スタートアップのエリー(株)がカイコを原料とした食品「シルクフード」の研究開発を行い、次世代のサステナブル食品として関心を集めています。
抵抗なく受け入れられる商品からチャレンジを!
昆虫が苦手な方にとっては、「昆虫食なんて無理」と思うかもしれません。しかし、今回紹介したように、パウダー化した商品も多く、見た目も風味も一般の食品と変わりません。その上、栄養価が高く、健康に役立ちます。
まずは先入観を捨てて、受け入れやすい商品からチャレンジしてみましょう。