白髪は頭皮の常在菌のバランスが原因?!エゴマが白髪を抑える?!

一本あるだけでも、年齢を感じてしまう白髪。
白髪は加齢によって増えると思われがちですが、実は最近では「常在菌」も関係していることが分かってきました。ここでは、白髪が生まれるメカニズムと、その原因、そして注目される最新の対策についてご紹介します。
髪を黒く色付けする毛根のメラノサイト
白髪になるメカニズムを説明する前に、まずは髪の毛がなぜ黒く色づくのかを解説します。
毛球の中では「毛母細胞」と「メラノサイト」が存在しています。「毛母細胞」の役割は髪の毛を作り出すことで、「メラノサイト」の役割は、髪の毛の色素を作り出すことです。
メラノサイトで作られる色素は「メラニン色素」と呼ばれ、毛母細胞が髪の毛を作り出す過程でメラニン色素を取り込んで、髪の毛に色をつけていきます。つまり、メラノサイトで髪の毛に色がつけれています。
髪の毛は3層構造、コルテックスで髪の色が決まる
1本の髪の毛は、一番外側の「キューティクル」、中間部の「コルテックス」、中心部の「メデュラ」の3つから成り立っています。コルテックスに含まれているメラニン色素の種類と量によって髪の色が決まります。
キューティクル
キューティクルは、メラニン色素が含まれていない半透明のうろこ状の組織で、4~10層に重なりながら髪の毛の表面を覆って内部組織を守っています。キューティクルとキューティクルの表面は、脂質成分MEA(18-メチルエイコサン酸)で覆われています。
健康的な髪の毛の表面はMEAが多く存在するのですが、MEAが減少するとキューティクルが剥がれやすくなります。
またキューティクルは大変デリケートで、わずかな摩擦でも傷ついたり、開いたりするので、毛先に行くほど摩擦の影響で枝毛になりやすいのです。見た目が美しいツヤツヤの髪の毛になるには、キューティクルを整えることが大切なのです。
コルテックス
コルテックスは、髪の毛の85%~90%を占めており、繊維状の組織が束になり絡み合った構造をしています。コルテックスのタンパク質や水分量によって、髪の毛の太さや柔らかさなどが変わってきます。また、メラニン色素は、このコルテックスに含まれていて、メラニン色素の種類と量によって髪の色が決まります。
メデュラ
髪の中心にあるのがメデュラで、メラニン色素は含まれていません。メデュラは、柔らかいタンパク質で網目状の構造をしています。実は、メデュラの働きはよくわかっていないのですが、保温や衝撃を吸収する役割があるのではないかと言われています。
髪の色はどう決まる?金髪、黒髪、白髪…
髪の毛の色は、コルテックスにあるメラニン色素の種類と量によって変わります。
メラニン色素には、黒褐色系のユーメラニンと黄赤色系のフェオメラニンの2種類があります。ユーメラニンの割合が高く量が多いと黒髪。フェオメラニンが多いと赤色や金髪になり、メラニンをほとんど含んでいないのが白髪です。
ちなみに「朝起きたら、すっかり白髪になっていた」という話を聞くことがあります。しかし、すでに生えている毛から色素が抜け落ちるということは、白髪になるメカニズムから考えてありえないことなのです。
黒髪になる過程が阻害されると白髪に…
黒髪になるメカニズムの一部が阻害されると白髪になってしまいます。メラノサイトの機能が低下したり、全く機能しなくなったりすることで白髪になるのです。
髪の毛に色が付くメカニズムについてまとめると以下のようになります。
メラノサイトがメラニン色素を作る
↓
髪の毛を作る毛母細胞にメラニン色素を受け渡す
↓
メラニン色素が髪の毛に取り込まれ髪の毛に色が付く
白髪になるには、主に2つの要因が考えられています。
- メラノサイトでメラニン色素を作られなくなった
- 毛母細胞にメラニン色素が受け渡されなくなった
白髪が増える原因はストレスや常在菌
ストレスで白髪が増えるメカニズム
「最近ストレスが多いから白髪になった」などと冗談っぽく言う人がいますが、実際にストレスも白髪になる原因です。
ストレスを感じると、興奮ホルモン「ノルアドレナリン」が大量に分泌されます。ノルアドレナリンが毛根の色素幹細胞を刺激すると、メラノサイトが増殖、活性化し大量の色素が作られ放出されます。
メラノサイトが過剰に作られてしまうと、幹細胞が早くに寿命を迎えて機能しなくなり、新しいメラノサイトを作ることができなくなってしまうのです。そうするとメラノサイトがなくなるため、次から生えてくる毛は白髪になってしまいます。白髪を防ぐためには、ストレスを溜めないことも大切です。
白髪や薄毛の原因になる常在菌「コリネバクテリウム」
美容室専用のヘアケア製品やヘアカラー剤などを製造・販売する化粧品メーカーのミルボンでは、頭皮が赤い人ほど、白髪の割合が多く、毛髪の本数は少なくなりやすいことを発見。さらに炎症に頭皮常在菌のバランスが関与することを発見しました。
そして、最近注目されているのが「コリネバクテリウム」です。コリネバクテリウムは皮膚などに住んでいる常在菌で、肌のpH値を正常に保つ役割があります。
ミルボンは、日和見菌の一種(コリネバクテリウム属細菌)が増加することでスカルプフローラのバランスが崩れ頭皮が赤くなる要因になっていることを解明。また、頭皮常在菌の崩れたバランスを整える働きがシソ科の植物エキスにあることも新たに発見しています。シソ科植物エキスについて分析を行った結果、「ロスマリン酸」が作用していることを突き止めました。
白髪を増やさないためにできること、エゴマが白髪に良い?
ミルボンの研究では、コルネバクテリウムに対してシソ科の植物に含まれる「ロスマリン酸」の有用性が確認されています。
頭皮でのコリネバクテリウムの増殖を抑え、頭皮の常在菌のバランスを整える効果のあるエゴマなどのシソ科の植物が配合されたシャンプーがおすすめです。
ミルボンでは、シソ科植物エキスの中でも、種子の収穫量を増やす目的で生育中に摘み取られて廃棄されていた葉から抽出できる、環境に配慮した原料として「エゴマ葉エキス」を採用するなどしたシャンプーを開発しています。
白髪対策、頭皮環境を整えるケアから
「白髪を抜くと増える」などと言われていますが、実際には抜いても白髪は増えません。白髪は、単に年齢のせいだけでなく、ストレスや頭皮の常在菌のバランスとも関係があります。
近年の研究では、コリネバクテリウムの影響や、それを抑える植物成分「ロスマリン酸」の有用性も明らかになってきました。
白髪が気になる方は、日々の生活習慣を見直すとともに、頭皮環境を整えるケアにも目を向けてみてください。
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