DHC、オリーブ果実の発酵で抗酸化力が向上することを確認ーー化粧品への応用にも期待

健康食品やスキンケア製品を手がける株式会社ディーエイチシー(DHC)は、搾油後のオリーブ果実部分を発酵させた独自成分「オリーブ発酵液」を開発しました。発酵により、抗酸化成分の含有量と抗酸化活性が向上することを発見したと発表した。
発酵により抗酸化力が高まることを発見
DHCが行った成分分析によると、搾油後のオリーブ果実を発酵したオリーブ発酵液には、オリーブ由来のポリフェノールであるヒドロキシチロソール類(ヒドロキシチロソール、ヒドロキシチロソールアセテート)の含有量が発酵前と比較し1.31倍増加していることが確認された。ヒドロキシチロソール類高い抗酸化活性を持つことが知られており、発酵によってオリーブ果実の機能性が高まった可能性が示唆されている。
さらに、DHCは抗酸化活性(ラジカル消去能)の評価を行なった。
ラジカル消去能とは、体内で生成され細胞を傷つける原因となるフリーラジカル(または活性酸素)を不活性化する能力のこと。ラジカル消去能が高い物質は、体内の酸化を防ぎ、老化や生活習慣病のリスクを低減する抗酸化作用を持つとされ、食品だけでなく美容分野で注目されている。
その結果、搾油後のオリーブ果実の発酵液の皮膚線維芽細胞(肌の土台となるコラーゲンやエラスチンを生み出す細胞)に対する抗酸化活性も、発酵により1.29倍高まることが確認された。
酸化ストレスから肌を保護
DHCは培養皮膚細胞を用いて酸化ストレス(H₂O₂:過酸化水素)によるDNA損傷への保護効果を調べた。酸化ストレスによってDNA損傷が蓄積すると細胞機能が低下し、老化が促進される。
酸化ストレスによるDNA損傷から、皮膚線維芽細胞(肌の土台となるコラーゲンやエラスチンを生み出す細胞)を保護する効果がオリーブ発酵液に確認された。これは、オリーブ発酵液が肌の老化予防に寄与する可能性を示す結果となった。
さらに、オリーブ発酵液配合ローションを試作し、その抗酸化効果を検証した。その結果、紫外線により誘導される角層カルボニル化(たんぱく質が酸化される現象)を抑制することが確認された。
搾油後のオリーブ果実を発酵したオリーブ発酵液を使ったローションの実用化が期待される。