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宿便がもたらす体への影響は?腸を温めて便秘解消する3つの方法

カラダ
YOKARE編集部
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宿便がもたらす体への影響は?腸を温めて便秘解消する3つの方法

腸の中に滞っている便のことを宿便ということはご存知でしょうか。大腸や小腸のかべにこべりついた老廃物を宿便といい、腸内の環境を悪くしてしまう原因と考えられています。医学的には便秘症の一つです。今回は、宿便がもたらす症状や便秘の改善方法を紹介します。

宿便?便秘?どんな状態?

宿便とは、排泄されないで、腸の中に滞っている「ふん便」のことです。 便の中には食物だけでなく、消化や吸収に必要だった物質(腸内細菌の菌体や代謝産物、排便にいたる際に脱落した腸の細胞など)が、役目を終えて残っている状態です。

デトックスのシステムには、排泄発汗爪や髪の毛の伸長などがありますが、デトックスにおいて排便が大部分を占めています。

デトックスとは解毒という意味で、体に蓄積すると害があるものを排出することです。デトックスは、人が生きていくのにもともと備わっている生理現象ですが、デトックスについて宣伝されているのを見かけますよね。

私たち現代人があたりまえのことができてないのかも…と少し不安になりますが、ストレスや食生活の乱れで代謝が悪くなっている人は多くなっています。 代謝が悪いなと思っている方は、上手にデトックスのポイントを身につければ、毎日を健康的に過ごせるはずです。

デットクスが必要なサインは?

デトックスが必要だと感じるサインには、慢性的な疲労感体臭肌荒れ体重が減りにくい集中力の欠如頭痛睡眠不足などがあるといわれています。 通院の必要がある場合もありますが、まずは便秘気味ではないかを振り返ってみましょう。

便秘が与える体への影響とは?

一般的には便秘とは排便の回数や便量が減ることですが、医学的には宿便が溜まることも便秘症の一つです。

便秘が健康によくないことは、なんとなくイメージできると思います。 便秘は、宿便が溜まっているだけではなく、腸内フローラの環境や栄養素の消化吸収に悪影響を与えています。 つまり、必要な腸内細菌が少なかったり、少ないはずの腸内細菌が多かったり、うまく便を作れなかったり、腸を動かせなかったりするケースがあります。

便秘が原因で発症する病気とは?

慢性的に便秘が解消されないと病気にもなりやすくなります。 例えば、大腸憩室炎逆流性食道炎などは、便秘が原因の消化器疾患です。

大腸憩室炎とは

大腸の一部が腸壁の外に飛び出すポケットのことを憩室と言います。憩室が出来てしまうのは良い状態ではありません。 憩室は大腸検査の10%程度の頻度で発見される、加齢に伴う生理現象でもあります。しかし、炎症を伴った大腸憩室炎は大腸の形態に障害を与える疾患なので、発覚後は便秘を予防して憩室の炎症や進行を抑制する必要があります。 憩室の原因には、食生活の欧米化も考えられています。このことからも、憩室炎の予防には、食物繊維を多く含んだ食材や和食がすすめられています。

逆流性食道炎

長きにわたる腸の圧迫も避けなければなりません。便秘は、消化器の運動を調節する体性内臓反射というシステムを妨げます。体性内臓反射が妨げられると、食道では胃袋の入り口の噴門括約筋がゆるんで、胃酸が逆流する逆流性食道炎の原因になります。

便秘の緩和に何をしたらいいの?

便秘の緩和に、食生活では日本の文化を取り入れた和食が推奨されています。 色々な食材を少しずつ食べる和食は腸内細菌の維持に寄与し、腸のケアは便秘の緩和に有効です。 また、便秘でには、適度な水分補給食物繊維を多く含む食事適度な運動など基本的な対策は重要です。 便秘の予防は、関連する多くの疾患の発症リスクを軽減させます。 和食や水分補給以外にも、毎日できる腸のケアに「入浴での温め」があります。腸の保温は、体性内臓反射の機能向上に加えて、血流の改善、腸の蠕動運動の回復効果があります。しかしながら、習慣や環境、疾患のため、毎日入浴しない人もいます。多くの人が取り組める「腸を温める方法」を紹介します。

腸を温めること① 温罨法(おんあんぽう)

腰またはお腹を60℃で1日1回10分間、熱布すると、排便の回数が増えて、副交感神経も優位になります。この方法を温罨(あん)法といって、医療の現場においても実践されて、効果を上げている温活です。 湯たんぽを持っている方は、湯たんぽを使用して、腸を温めると良いでしょう。

腸を温めること② よもぎ蒸し

よもぎ蒸しは、よもぎを煎じた蒸気を下半身を中心に体全体に浴びせる韓国の民間療法で、産後のケアとしても愛用されています。ヨモギは、キク科の植物で、繁殖力が強く、日本全国のいたるところに自生しています。ちょうど春に見かける草餅の原料でもおなじみの植物です。

よもぎ蒸し

一回のよもぎ蒸しは30分程度であることが多く、週に1~3回の頻度で定期的に行った人の多数が少なからずの体調の変化を感じているようです。よもぎ蒸しを行った翌日以降、体調の変化で多い声はお通じが良くなったことです。

よもぎ蒸しの発汗作用
よもぎ蒸しは「皮脂腺からの発汗作用」に優れています。皮脂腺からは、マラソンのような長時間の有酸素運動をしなければ、通常は発汗しません。 皮脂腺から出る汗は、体に溜まった老廃物を排出します。つまり、よもぎ蒸しは腸を温めて便秘を緩和しながら、発汗によるデトックスもできるのです。 よもぎ蒸しは、施術の間に自分のかいた汗などを目で確認できるところもあります。溜まった老廃物をチェックすることで、よもぎ蒸しの効果を実感できるのも人気の理由です。

煎じたヨモギを飲めば、腹痛や下痢、冷え性にも効果があり、ヨモギをお風呂に入れる使い方もあります。

腸を温めること③ もぐさ

もぐさはよもぎの葉を乾燥させ、裏側の綿毛を集めたものです。よもぎの葉は、艾葉(がいよう)という生薬としても利用されています。もぐさは、5~8月の良く生育したよもぎの葉を使います。 温灸に使うもぐさは、不純物の少なさが品質の良さを決めます。高級なもぐさの方が、点火しやすくて火力が穏やかです。お米ひとつぶの半分程度の大きさのもぐさなら、皮膚の上でそのまま焼ききっても、心地よい熱さを感じるのが良いもぐさです。もぐさに用いられるよもぎは、新潟県や富山県など北陸産が多いです。

足の裏や手にも便秘を緩和するツボがありますが、腸をあたためることを目的としているので、おなかを温灸しましょう。 腸の近くに温熱刺激を与えることで、皮膚の下にある筋肉や血管、リンパ管が刺激されます。温熱効果によって、血管が拡張と収縮を繰り返し、血流が良くなります。さらに、もぐさは香りにもリラックス効果があります。 煙が少なく、匂わないもぐさもありますが、よもぎに含まれる芳香成分には、皮膚の表面から体の内部に浸透するものもあります。浸透する成分には鎮痛作用もあり、不快感や痛みを伴う便秘にも効果があるのではないかと検討されています。 点火したもぐさを熱すぎると思う前に除きましょう。熱めの温灸は、体が緊張して効果が薄れてしまいます。また、熱があるときや、炎症のある部分への温灸避けましょう。一日30分程度の範囲で温灸にチャレンジしてみましょう。

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