漢方医学の「瘀血(おけつ)」の状態を解決する植物エキス「ヒハツ」
2024年10月に第10回Tie2・リンパ・血管研究会は、「これまでの10年、これからの10年」のテーマを掲げ、毛細血管、リンパ管の重要性についての研究発表が行われました。
金沢医科大学 女性総合医療センター 赤澤純代先生は、「血流美人・Tie2・リンパ・血管研究会との10年余り」と題し、ヒハツで行った臨床研究を振り返りました。
赤澤純代先生は女性総合外来で西洋医学をもとにして漢方医学の視点を取り入れた診療を行っておられます。漢方の概念である「気(き)・血(けつ)・水(すい)」と「瘀血(おけつ)」を解説した上で、これまでの10年の大きな収穫である臨床を振り返りました。
この記事では、瘀血と毛細血管の関係、瘀血に対してヒハツの効果について簡単に紹介します。
血と水に関連する「瘀血(おけつ)」に注目したアプローチ
漢方は、体内のバランスを重視し、健康を維持するための三つの要素として「気・血・水」のがあります。「気・血・水」が調和を保っているとき、身体は健康であるとされます。
「気・血・水」が不足したり、滞ったり、偏ったりすることにより、不調や病気を招くと考えられています。
血と水に関連する「瘀血」は血管構造の不安定化を招く?
東洋医学では、瘀血は体の血流など流れが滞った状態のことを示し、血と水に関連して出現することが多いとされています。
赤澤純代先生は「瘀血の原因には、微小循環不全、高粘土血症、赤血球の膜の流動性の低下などが挙げらる」と言います。これは、毛細血管の血管構造の不安定化が発生し、そのため栄養や酸素が漏れ出しやすくなり、血流の流れも滞りやすくなり、まさに瘀血の状態となるわけです。
この瘀血の状態、血流の流れが滞った状態が引き起こす病として、糖尿病や高血圧、動脈硬化、血栓症、心筋梗塞、脳血管障害、打撲症が挙げられます。
赤澤純代先生は、瘀血に着目し、むくみに対するヒハツの効果を人を対象として評価した臨床研究を振り返りました。
ヒハツエキスでむくみ改善
20歳以上の女子大学生を対象に臨床研究が行われました。ヒハツ150mg配合カプセルとプラセボカプセル(効き目のないもの)を比較しました。
ヒハツ150mg配合カプセルとプラセボカプセルを12時~13時の間に約100mLの常温の水で摂取。
朝と夕の1日2回、体成分分析装置InBody(インボディ)で、三日間の試験期間で腓腹部、下腿の変化を測定しました。
「食事はみんな同じ塩むすび、6時間座位で過ごしました。」と長時間にわたる臨床を赤澤先生から紹介いただきました。
計測の結果、ヒハツ150mg配合カプセルとプラセボカプセルでは、細胞外水分の比に差異がありました。この結果により、ヒハツ150mg配合カプセルにむくみの改善が認められたこととなります。
10年を振り返り、ヒハツで行った臨床結果は大きな収穫だったと締めくくり、現在の取り組みを紹介しました。赤澤純代先生は、これまでの女性総合外来や瘀血に着目した臨床研究を応用し、「Go Red for Women Japan」、金沢医科大学「わたしたちのヘルシー」など女性の循環器系の疾患への啓蒙活動に取り組まれています。
心血管疾患というと男性のイメージが強いものの、アメリカでは女性の死亡率が男性を上回る状況があり、長年見落とされてきたそうです。
アメリカでは、米国心臓協会(AHA)により、女性の心臓病に特化した疾患啓発活動のキャンペーンとして、「Go Red for Women」が2004年に始まりました。
日本でも20年遅れてはおりますが、本年2024年より「Go Red for Women Japan」の活動が始まっています。