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ストレスホルモン(コルチゾール)が筋膜を硬直させる?

カラダ
YOKARE編集部
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ストレスホルモン(コルチゾール)が筋膜を硬直させる?

心配事、睡眠不足、長期間の労働などの要因により、カラダはストレスにさらされてしまいます。ストレスを感じると、脳の視床下部が交感神経系を活性化させます。この過程で、コルチゾール、アドレナリン、ノルアドレナリンといったストレスホルモンが放出されます。

コルチゾールは、短期的にはストレスへの防御反応として機能し、精神的にも肉体的にもパフォーマンスを急激に高めます。

コルチゾールの役割
  • 体のストレス反応を調節
  • 脂肪、タンパク質、炭水化物の代謝を制御
  • 炎症の抑制
  • 血圧の調節
  • 血糖値の調節
  • 睡眠・覚醒サイクルのサポート

しかし、長期間にわたりストレスを感じ続けると、コルチゾールの過剰分泌が続き、これが身体に悪影響を及ぼします。

コルチゾールと筋膜への影響

ストレスは一般的に、心臓血管系、呼吸器系、内分泌系、胃腸系、神経系、筋肉系、生殖系など、すべての身体系に影響を及ぼします。内分泌系は、コルチゾールなどのステロイドホルモンの産生を増加させ、身体のストレス反応を活性化します。[※1]

具体的には、長期間のストレスによりコルチゾールが過剰に分泌されると、体内のタンパク質や糖を分解して血糖値を維持し、脳や筋肉にエネルギーを供給します。しかし、この過程でコラーゲンなどの結合組織も分解されることがあり、筋膜や骨格筋の柔軟性が失われ、筋肉の委縮や硬直が引き起こされる可能性があります。

筋膜は全身に張り巡らされており、筋肉や骨を包み込んで保護する役割を果たしています。この筋膜が硬くなると、動きが制限され、身体全体に不調が広がることがあるのです。

最新の研究によると臓器や骨など包んでいる繊維すべての膜も筋膜に含まれます。Dr.Jean Claeude Guimberteau がYouTubeで公開した「Strolling under the skin」では、筋膜が体内で果たす役割や筋膜へのアプローチした治癒の仕組みについて、より深く理解できます。

筋膜と心のつながり

筋膜は、交感神経系に属する神経線維の末端とつながり、さらに自律神経系 (交感神経系/副交感神経系) へとつながっています。感情への反応を調整する神経系とも密接に絡み合っています。

不安でいっぱいのシチュエーションで身動きが取れなくなったり、ストレスを感じたりしたことはありませんか? 

このような状況では、筋肉や筋膜が特に急速に緊張したり硬くなったりします。

筋膜の緊張は神経系の混乱を引き起こし、ストレス、不安、うつ病などのさまざまな感情につながります。筋膜を緩めて柔軟することで、緊張、ストレス、そして思考や不安な気持ちを和らげると考えられています。

また、筋膜は過去のトラウマや感情的なストレスを「記憶」すると考えられています。脳が処理できないストレスやトラウマは、筋膜に蓄積され、身体に不調を引き起こす可能性があるのです。膝などで大怪我した過去の経験も筋膜が覚えているかもしれません。

怪我

筋膜リリースとストレス軽減

筋膜リリースは、筋膜の硬直を解消し、体の柔軟性を取り戻すための効果的な方法です。筋膜を緩めることで、ストレスホルモンの分泌を抑え、リラクゼーション効果を得ることができます。
筋膜に感情的な記憶が蓄積されているという理論に基づけば、筋膜リリースは心身のトラウマを解放する治療法の一つとして有効と言えるでしょう。

筋膜への悪影響はストレス以外にも

筋膜へ悪影響があるものは、アルコール、タバコ、砂糖なども挙げられます。特に、糖分の過剰摂取は、筋膜に悪影響を及ぼし、筋膜の弾力性を低下させることがわかっています。

また、血糖値が高い状態が続くと、筋膜の損傷が進み、硬くなることもあります。これらの要因に対する対策も、筋膜の健康維持には重要です。


参考資料

※1 Physiology, Stress Reaction|National Library of Medicine

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