当帰(トウキ)を使った冷え性におすすめの薬膳スープ
秋から冬へと季節が移り変わるこの時期。女性の悩みとして多いのが「冷え性」です。スターツ出版株式会社が運営するWebサイトのアンケート調査では、秋・冬の健康の悩みとして76.1%の女性が「冷える、冷え性」と答えています。
YOKARE読者の方でも、冷え性に悩む女性は少なくないはず。そこで今回は、冷え性を改善してくれる「当帰(トウキ)」を使った薬膳レシピをご紹介します。
「あるべき状態に戻す」当帰の働き
当帰はセリ科の植物で、根っこを乾燥させて漢方薬や生薬として広く使われています。当帰を含む漢方薬には「当帰芍薬散」「当帰散」「四物湯」「当帰飲子」などがあります。
当帰の意味は、本サイト「成分図書館」のトウキにも載っていますが、冷え性や貧血、月経不順など女性に多い悩みを解決し本来の「あるべき状態に戻す」ことから、その名前がついたそうです。
当帰の効能効果
当帰には以下のような効能効果があります。
- 冷え、冷え性
- 月経痛、月経不順、月経困難
- 更年期障害
- 貧血
- 産前産後の体調不良、不妊症
- 腰痛、腹痛、肩こり
薬膳のベースとなる中医学では、「血虚(けっきょ)」といって慢性的な血液不足の際に、当帰を中心とした漢方薬を用いることが多く、当帰により血虚を改善することで、婦人病の改善にも良いとされているんです。
作り置きし、4~5日続けて飲む当帰料理
今回ご紹介する薬膳レシピでは、漢方・薬膳食材として市販されている乾燥させた当帰を使用します。月経痛などにお悩みの方は、1日1杯、月経の前日から4~5日続けて飲むようにしてみてください。
一度に作っておき冷蔵庫で保存すればOK!日にちが空いてしまう場合は冷凍保存しましょう。
当帰とラム肉の薬膳スープ
今回ご紹介する薬膳レシピでは、漢方・薬膳食材として市販されている乾燥させた当帰を使用します。
【材料】4杯分
- 羊肉(赤身)・・・500g
- 当帰・・・60g
- 生姜・・・30g
- 塩・・・少々
【作り方】
- 当帰を洗っておきます。
- 羊肉も軽く洗い、食べやすい大きさに切ります。
- 生姜は薄くスライスします。
- 鍋に(1)~(3)を入れ、アクを取りながら弱火から中火で煮込みます。
- 1時間ほど煮込み、食べる時に塩で味を調えれば出来上がり!
- 羊肉はマトンよりラムのほうが臭みが気になりにくい!?
羊肉も体が温まり冷え性の方におすすめですが、手に入りにくい場合は鶏肉でもOKです。羊肉は独特な香りがあり敬遠されがちですが、羊肉には「ラム」と「マトン」の2種類があります。生後約12カ月以下のラム肉であれば、マトンに比べて臭みも気になりにくく、肉質もやわらかいのでおすすめです。
どうしても気になる方は、事前にローズマリーを揉み込んでおくと臭みがやわらぎますのでお試しください。
出典:https://www.instagram.com/keiko_ashida/
- 一度に作り置きし4~5日続けて飲む
月経痛などにお悩みの方は、1日1杯、月経の前日から4~5日続けて飲むようにしてみてください。一度に作り置きし冷蔵庫で保存すれば、手軽に薬膳スープを飲むことが出来ます。日にちが空いてしまう場合は、1回分ごとに小分けし冷凍保存がおすすめです。
- 摂り過ぎると耳鳴りや鼻血などの副作用が出ることも
ただし、薬膳においても「過ぎたるは及ばざるがごとし」。いくら冷え性や婦人病などに良いからと摂り過ぎないこと。当帰を過剰摂取すると、耳鳴りや鼻血といった副作用を引き起こす可能性があり、ひどい場合は中耳炎になることもありますので、くれぐれも摂り過ぎには注意してください。
- 西洋当帰「アンジェリカ」はケーキのデコレーションや香水としても使用
当帰には中国産の「カラトウキ」、日本産の「大和当帰」「越後当帰」「常陸当帰」などがありますが、西洋当帰のことを「アンジェリカ」「アンゼリカ」と呼んでいます。
ラテン語で「天使」を意味するアンジェリカは欧州各地に自生し、茎は砂糖漬けにしてケーキのデコレーションなどに使われ、種子から採取したエッセンシャルオイルは香水としてもちいられるなど、日本より幅広く日常生活に使われているんです。
冷えや月経痛などに悩む方も、是非、毎日の食生活で当帰を活用してみてはいかがでしょう。