オリーブオイルってどんな種類がある?正しい選び方を紹介
主にイタリア料理にメインオイルとして使われているオリーブオイル。
香りの良さや健康面で好まれ、今では家庭でも普段からオリーブオイルを使っているという方も多いのではないでしょうか?
スーパーでも手に入りやすいオリーブオイル。オリーブオイルを使った料理はたくさんありますが、皆さんは普段オリーブオイルをどのように選んでいますか?
ここでは、オリーブオイルの種類と、正しい選び方について紹介していきたいと思います。
オリーブオイルの種類
一口にオリーブオイルと言っても、オリーブオイルにはいくつかの種類があります。
日本のオリーブオイルは現在のところ、日本農林規格(JAS)により定められ、JAS規格では2種類の分類のみになっています。国際規格ではオリーブオイルは細かく9種類に分類し、品質基準を詳細に決めています。
日本で一般的にスーパーで流通しているものは、大きくエキストラバージンオリーブオイル、バージンオイルとオリーブオイル(ピュアオリーブオイル)に分けることができます。
エキストラバージンオリーブオイル
果実をそのまま絞ったものは大きなカテゴリーでバージンオリーブオイルと呼ばれています。さらにエキストラバージンオリーブオイルは、絞った果汁をろ過したバージンオリーブオイルです。バージンオリーブオイルは酸度の違いなどからグレードを分けることができ、エキストラバージンオリーブオイルは、IOC (国際オリーブ協会)の品質基準でもっともグレードが高く上質であり、価格も高めになっているのが特徴です。
IOC (国際オリーブ協会)の品質基準では、エキストラバージンオリーブオイルは化学検査による酸度が0.8%以下と低く、官能検査において風味もフルーティなバージンオリーブオイルのみが名乗ることができます。しかし、JAS法では品質基準に「エキストラバージンオリーブオイル」が存在せず、酸度2.0%以下でオリーブ特有の香味があるオリーブ油と、 酸度0.6%以下で香味良好である精製オリーブ油の2つに分類されます。
酸度2.0%以下の基準を満たしてしまえば、エキストラバージンを名乗ることができます。グローバル基準ではエキストラバージンオリーブオイルではなくても、日本のスーパーではエキストラバージンオリーブオイルとして売られていることもあるでしょう。
- 酸度とは
酸度とは、オリーブの実からオイルに加工する際に生じる遊離脂肪酸の割合を表します。遊離脂肪酸は空気中の酸素と結合しやすいため、含有量が多いほど作られるオリーブオイルの質が落ちやすいといわれています。
バージンオリーブオイル
バージンオリーブオイルも酸度は低く香りが豊かですが、一部のバージンオイルに認められるエキストラバージンオリーブオイルに比べるとやや劣ります。国際オリーブ協会(IOC)の基準では、遊離酸度0.8~2.0%かつ、風味に欠点がないものとされています。
価格はエキストラバージンオリーブオイルに比べると手頃となっているのが特徴です。
オリーブオイル(ピュアオリーブオイル)
オリーブオイル(ピュアオリーブオイル)は、そのまま絞ったオリーブオイルを精製した「精製オリーブオイル」に、エキストラバージンオリーブオイルやバージンオリーブオイルをブレンドしたものです。
精製オリーブオイルは食用としては消費者に出回っていませんが、これにエキストラバージンオリーブオイルやバージンオリーブオイルを加えて食用にしたものが精製オリーブポマースオイル、オリーブポマースオイルなのです。
スーパーなどでは、ピュアオリーブオイルなどの名称で売られていることもあります。エキストラバージンオリーブオイルやバージンオリーブオイルと比べて、価格は安価となっており、手に入りやすいのが特徴です。
- 精製オリーブオイル
酸度が3.4%以上あるランパンテバージンオリーブオイルを精製したもの
オリーブオイルの正しい選び方
食用として日本のスーパーで手に入るのは、おもにエキストラバージンオリーブオイルとバージンオリーブオイル、オリーブオイルの3種類です。
オリーブオイルは油のなかでは比較的酸化しにくい油とされていますが、空気に触れたり日にあたるとどうしても劣化してしまいます。
購入するときは、できるだけ短期間で使い切れる量で、日のあたりにくい瓶詰のものを選ぶと良いでしょう。
さらにここでは、オリーブオイルの種類による正しい選び方について紹介していきたいと思います。
生食での選び方
味で選ぶなら、酸度が最も低く香り高いエキストラバージンオリーブオイルがおすすめです。
オリーブオイルの香りは生食がもっとも感じやすいため、サラダなどのドレッシングで使う場合は特にエキストラバージンオリーブオイルを選ぶと良いでしょう。
しかし、もっともフルーティで酸度の低いエキストラバージンオリーブオイルですが、やや辛みが気になると言う方もなかにはいるかもしれません。
どうしても辛みが気になるという方は、バージンオリーブオイルがおすすめですよ。エキストラバージンオリーブオイルと比べて、味がマイルドなのが特徴です。
加熱用での選び方
エキストラバージンオリーブオイルの香りはフルーティでとても爽やかなのが特徴ですが、熱で飛びやすいのが難点。
揚げ物などに使用する場合は、どうしても香りが飛んでしまうのです。
そこでおすすめなのが、オリーブオイル(ピュアオリーブオイル)。
オリーブオイルは精製オリーブオイルと、エキストラバージンオリーブオイルまたはバージンオリーブオイルとのブレンドなので、もともとそれほど香りは強くありません。価格も比較的安価なので、揚げ物に使う場合はおすすめですよ。
栄養面での選び方
オリーブオイルは、オレイン酸という一価不飽和脂肪酸が多く含まれており、悪玉コレステロールを減らす作用があります。
体にとって必要な善玉コレステロールの量は減少させないので、健康面でも積極的に摂り入れていきたいオイルです。
このオレイン酸は、どの種類のオリーブオイルにも共通して含まれているものですが、エキストラバージンオリーブオイルやバージンオリーブオイルには抗酸化作用のあるポリフェノールやビタミンEなどが含まれています。栄養面では、エキストラバージンオリーブオイルやバージンオリーブオイルを選ぶのがおすすめですよ。
一番のおすすめはエキストラバージンオリーブオイル!
オリーブオイルの選び方をさまざまな面で紹介しましたが、総合的に見てもっともおすすめなのはエキストラバージンオリーブオイルです。
栄養面ではバージンオリーブオイルも引けをとりませんが、酸度がもっとも低く香り高いエキストラバージンオリーブオイルは、少し使うだけでもオリーブオイルのフルーティで贅沢な香りを堪能することができます。
オリーブオイルは、どのスーパーでも取り扱っており、ご家庭ではサラダ油などに次いでサブのオイルとして使っている方も多いことでしょう。
オリーブオイルと言っても大きく3つの種類に分けることができるため、どのように選んでいいのかわからないかもしれませんが、価格を気にしないのであればエキストラバージンオリーブオイルがおすすめですよ。タバスコの瓶のような、小さいサイズも売っているので、ぜひ普段のサラダなどに使ってみてくださいね。