ブラックペッパー、ホワイトペッパー、ロングペッパーの違い
「○○ペッパー」と付くスパイスは、多くあります。
それぞれどんな違いや共通点があるのでしょうか。○○ペッパーと聞くと、胡椒を連想する人もいるかと思いますが、胡椒の仲間なのでしょうか。
今回の記事では、ブラックペッパー、ホワイトペッパー、ロングペッパーを取り上げて、違いと共通点を解説します。
ペッパーたちは胡椒の仲間?
英語でペッパー(pepper)といえば、コショウ(胡椒)。「○○ペッパー」は胡椒の仲間なのでしょうか。
日本で一般的に販売されている粉末胡椒は、ブラックペッパーとホワイトペッパーをブレンドしたものです。
ブラックペッパーとホワイトペッパーは、同じ植物の果実から作られます。コショウ科コショウ属に属するつる性の植物で、その果実から作られる香辛料のことをコショウ(胡椒)と言います。果実の処理法などによって、ブラックペッパー(黒胡椒)やホワイトペッパー(白胡椒)などに分けられます。
コショウ(胡椒)は、英名でpepperですが、古代からコショウと混同されていたのがlong pepper(ロングペッパー)です。ロングペッパーは、日本ではヒハツ、ナガコショウと呼ばれます。
紀元前4世紀までは、コショウには長コショウ(ヒハツ)と黒コショウ(コショウ)があるとされていたそうです。1世紀には、コショウには長コショウ(ヒハツ)と黒コショウ(コショウ)があり、同じ植物とされていた記録があります。
ブラックペッパーとは
ブラックペッパーは、コショウ科コショウ属に属するつる性植物の果実から作られる香辛料です。インド南西部が原産地です。
ブラックペッパーの作り方
赤く色づき始める直前の緑色の未熟果を皮ごと天日干ししたものです。
ブラックペッパーの用途
ブラックペッパーは、ほとんどの西洋料理に使われるスパイスです。
ホワイトペッパーよりも香りや辛みが強く肉料理や脂ののった魚によく合います。他にも目玉焼きなどの卵料理や野菜スープのアクセントにもおすすめです。
- お肉料理全般
- カルボナーラなどパスタ
- サラダ
- カルパッチョ
ホワイトペッパーとは
ブラックペッパーと同様の植物の果実から作られますが、原料である果実の収穫のタイミングと作り方が違います。
ホワイトペッパーの作り方
赤く熟した果実を1週間ほど水に浸して発酵させ、柔らかくなった外皮をはがし、核のみを乾燥させたもの。
ホワイトペッパーの用途
ホワイトペッパーは、辛み成分が多く含まれる表皮をむいているため、辛み、香りがマイルドです。
粒が白色のため、料理の色味を邪魔しないのも魅力の一つです。
魚料理やシチューなど素材の味が強くないものの風味を上手に引き立てます。
- 焼き魚、ムニエルなど魚料理
- シチューやグラタン、スープなどのクリーム系料理
- サラダ
ロングペッパーとは
ブラックペッパーとホワイトペッパーはどちらも胡椒で、同じ植物の果実ですが、ロングペッパーは同じ植物ではありません。
コショウ科コショウ属に属するつる性木本で、インド北東部が原産地です。日本ではヒハツの名前で知られています。
ロングペッパーの作り方
収穫した実を天日で乾燥させた粉末にしたもの。
ロングペッパーの用途
ヒハツの果実は乾燥させて香辛料は、香りはシナモンのようで、味はコショウにどちらかというと近いです。
沖縄ではコーヒーや泡盛、沖縄そばなどにふりかける使うことも多いようです。タイ料理でも鶏肉のスパイシースープや肉類を使ったサラダでもヒハツをスパイスの一つとして使います。
カレー、麻婆豆腐などスパイスを使う料理にも良いでしょう。炒め物や揚げ物の下味として使ったり、スープーやドリンクなど、身近な料理にもヒハツを加えてみるといいでしょう。
また、ヒハツには、血管の接着剤として役割を果たしているTie2を活性化するアンジオポエチン-1と似たはたらきを持つ成分が含まれています。そのため、ヒハツはゴースト血管の予防に良いとされています。
ブラックペッパー、ホワイトペッパー、ロングペッパーの違い
ブラックペッパーとホワイトペーパーは、胡椒です。日本でお馴染みに粉末の胡椒と言えば、ホワイトペッパーとブラックペッパーの両方をバランスよくミックスしたもので、日本独特の胡椒だと言えます。
ブラックペッパーとホワイトペッパーは、同じ植物の果実では作られていますが、果実の収穫タイミングが違い、さらに作り方も違います。その結果、味や香も違います。
ロングペッパーは、ブラックペッパーとホワイトペーパーと植物も違います。そのため、栄養効果も違い、ゴースト血管の予防で注目を集めています。