「アミノ酸」って何だろう？

健康や美容のために重要な栄養素である「アミノ酸」。栄養関連の記事やサプリメントの広告などに頻繁に登場するアミノ酸ですが、「知っているようで、あまりよくわかっていない」という方も多いのでは？アミノ酸とはどのような成分なのでしょうか。

アミノ酸はたんぱく質を構成する最小単位

たんぱく質は炭水化物、脂肪とともに三大栄養素と呼ばれます。そのたんぱく質を構成する最小単位の成分がアミノ酸です。

たんぱく質は、私たちの体の約2割を占める重要な栄養素です。プロテインがブームですが、これは大豆や乳由来のたんぱく質を粉末にしたもの。筋肉の維持など体を作るためにプロテインを利用している方が多いように、たんぱく質は筋肉をはじめ、臓器、骨、毛髪なども構成しています。

私たちの体に必要なアミノ酸は20種類

アミノ酸には多数の種類があります。自然界にはおよそ500種類のアミノ酸が存在していることがわかっています。そのうち、人の体を構成したり、身体機能を維持したりするために必要なアミノ酸は20種類のみ。

私たちの体内では、約10万種類ものたんぱく質が働いていますが、これらはたった20種類のアミノ酸が複雑に組み合わさって作り出されたものです。

体内で合成できない「必須アミノ酸」

私たちに必要なアミノ酸は、「必須アミノ酸」と「非必須アミノ酸」に分けることができます。

必須アミノ酸とは、体内で作ることのできないアミノ酸のこと。必須アミノ酸には、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン（スレオニン）、トリプトファン、バリン、ヒスチジンの9種類があります。

必須アミノ酸は体内で合成できないことから、食事からしっかりと摂取しなければなりません。その際、アジ・サケ・カツオ・イワシ・ホタテなどの魚介類、牛・豚・鶏の肉類、鶏卵、大豆、牛乳・ヨーグルトといった乳製品の摂取が理想的です。

アミノ酸スコア100の食品とは？

と言うのも、これらの食品は「アミノ酸スコア」が“100”であるからです。アミノ酸スコアとは、食品に含まれる必須アミノ酸の充足率のこと。スコアが100に近いほど、各種のアミノ酸がバランス良く含まれていることになります。

体内で作り出すことができる「非必須アミノ酸」

一方、非必須アミノ酸とは、体内で糖質や脂質から作り出すことができるアミノ酸のこと。

非必須アミノ酸は、チロシン、システイン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン酸、グルタミン、プロリン、グリシン、アラニン、アルギニンの11種類です。

スポーツ飲料に配合される「BCAA（分岐鎖アミノ酸）」

また、バリン、ロイシン、イソロイシンの3つのアミノ酸を「分岐鎖アミノ酸（BCAA）」と呼びます。

BCAAは、筋肉を構成する必須アミノ酸の約4割を占めます。筋肉のタンパク質分解を抑制したり、運動時に重要な役割を果たしたりします。このため、BCAAを配合したスポーツ飲料やサプリメントが人気です。

食品では、牛肉や鶏卵、マグロの赤身などに多く含まれています。

バランスの良い食事をすれば心配無用

アミノ酸は体を維持するために欠かせない成分であり、9種類の必須アミノ酸については、どれか1つでも欠乏すると栄養障害を招きます。と言っても、通常の食生活を送っている限り、必須アミノ酸が欠乏することはなく、心配する必要はありません。

「アミノ酸配合」とうたった健康食品が販売されていますが、これはアミノ酸の不足を補うのが目的ではありません。BCAA配合のスポーツ飲料のように、特定のアミノ酸をプラスすることで何らかの機能性が期待できるというものです。

バランス良くアミノ酸を摂取するために、食事内容を見直して、肉や魚、卵、乳製品、大豆などをこまめに食卓に乗せるように心がけてくださいね。