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「こめ油」が機能性表示食品に、期待される効果とは

食・料理
YOKARE編集部
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「こめ油」が機能性表示食品に、期待される効果とは

こめ油は、米ぬか・米胚芽を原料とする植物油です。食用植物油脂原料の97%が輸入に頼っている中で国産植物油脂原料として「こめ油」は貴重です。

最近では、サラダ油の価格高騰により、こめ油と価格差が縮小したことで「こめ油」への切り替えを検討する人も増えていると言われています。

昨今、人気を集めている「こめ油」は、オレイン酸が豊富で、米ぬかにだけ含まれるポリフェノールの一種「γ-オリザノール」をはじめ、トコトリエノール、トコフェロールなど米ぬか由来の成分を多く含みます。クセがないため、フライ、ドーナッツ、煎餅、かりんとうなどの加工食品や揚げ菓子など、業務用では以前より広く使われています。機能性表示食品を取得するこめ油商品も増え、注目されています。

こめ油にはビタミンE、トコトリエノール、植物ステロール、γ-オリザノールが豊富に含まれる

ビタミンEの種類も豊富に含む

こめ油にはビタミンE、トコトリエノールが多く含まれています。

ビタミンEは、4種のトコフェロールと4種のトコトリエノールの合計8種類の化合物の総称で、強力な抗酸化作用を持つ脂溶性ビタミンです。体内で細胞膜を保護し、老化や病気の原因となる活性酸素を中和する役割を果たします。

こめ油には最もカラダにも多く存在するα-トコフェロールだけでなく、β、γ、δの異なる形態も含まれているため多様な抗酸化効果が期待できます。

スーパービタミンとも呼ばれる「トコトリエノール」もビタミンEの一種ですが、通常のビタミンEより細胞膜への侵入が良く、すばやく作用が発揮されます。

血中の中性脂肪や総コレステロールを低下させる

こめ油には他の油に比べ多くの植物ステロールが入っています。コレステロールの吸収を阻害する作用がある成分といわれています。

こめ油特有の栄養素でγ-オリザノールは、機能性関与成分として血中の中性脂肪や総コレステロールを低下させる機能が報告されている成分です。

また、こめ油は酸化しにくい油でもあります。
これは、不飽和脂肪酸の中でも酸化されやすいリノレン酸の含有量が少ないためです。こめ油は、オレイン酸とリノール酸の比率が1~1.5:1でバランスが良く、健康的な脂質として注目されています。

初めてホクレンの「北海道こめ油」が機能性表示食品を取得し、続々と

2022年に、北海道こめ油が全国で初めて機能性表示食品を取得しました。
北海道こめ油に含まれるγオリザノールには、機能性関与成分として血中の中性脂肪や総コレステロールを低下させる機能が報告されています。

続いて、2023年4月に「オリザの米油」が取得しました。80年以上のこめ油製造メーカーとして歴史のあるオリザ油化は、世界特許を取得した低温抽出法やや独自精製技術で ある蒸留脱酸法などSDGsを意識したエコで高品質なこめ油を製造・販売しています。

築野食品工業の「体にうれしいこめ油」は2023年8月に取得しています。

体にうれしいこめ油

こめ油もサステナブルな農業としても注目

国産のこめ油は、サステナブルな面でも注目されています。米の精米で削ぎ落とされる米ぬかを原料として、こめ油にすることで米を余すことなく使えます。米ぬかは、こめ油メーカーが集荷しなければ、精米工場において産業廃棄物として処理されてしまうこともあります。
「米ぬか」からこめ油の原油を抽出し、抽出したこめ油原油を精製し、「こめ油」を製造、販売しています。
こめ油の原油を抽出する工程で発生する脱脂糠は飼料用、肥料用等に利用されます。
さらにこめ油を精製する工程で発生するロウ分や遊離脂肪酸等の副産物は別途、石鹸、化粧品原料等に有効利用されます。

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