桃人気が再び高まっている理由

夏になると、スーパーや直売所に桃が並びます。白鳳やあかつきなどの定番品種に加え、最近は硬めの食感を楽しめる桃や、あまり聞き慣れない品種を見かけることもあります。
桃はもともと人気の高い果物ですが、最近は甘さだけでなく、硬さや香り、旬の時期など、それぞれの違いに目を向けて選ぶ楽しみも広がっています。今、桃の楽しみ方にどのような変化が起きているのか、具体的な事例から見ていきます。
硬い桃や新品種など、桃の選択肢が広がっている
桃というと、やわらかい果肉から果汁があふれる姿を思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし実際には、硬めの食感を楽しめる桃や、香り、果汁の多さ、旬の時期に特徴のある品種など、さまざまな桃もあります。
最近は産直ECなどでも、品種ごとの違いを紹介しながら販売する例が見られます。桃をひとくくりにするのではなく、自分の好みに合うものを探せるようになってきました。
桃はもともと人気の高い果物
LINEリサーチが2024年7月に全国の15歳から69歳を対象に行った調査では、好きなフルーツの1位が桃、2位がいちごでした。特に30代以上の女性では、桃を選んだ割合が5割前後となっています。
また、2025年の好きな風味・素材の調査では、食材系で桃が2位に入りました。桃は以前から上位に入っていましたが、2022年には5位となり、2025年に再び2位へ戻っています。
このように、桃は幅広い世代に親しまれ、食の素材としても関心の高い果物であることが分かります。
桃が再び注目されている3つの理由
硬い桃の存在が知られるようになった
桃はやわらかくなるまで待って食べるもの、というイメージがありますが、生産者仲間では硬めの桃も親しまれています。
福島県産品を扱うふくしま市場では2025年、川中島白桃、幸茜、ゆうぞら、さくら白桃など、8月下旬以降に旬を迎える晩生種を紹介しました。中には、リンゴのような歯ごたえを楽しめる品種もあります。

2026年に松坂屋静岡店で開催されたふくしまフェアでも硬い桃が紹介され、前年の来場者からは、硬い桃があることを初めて知ったという声が寄せられています。
山梨県のオリジナル品種、夢桃香も、熟したあとにやわらかくなりすぎにくい特徴を持つ桃です。やわらかな桃だけでなく、しっかりした食感を好んで選ぶ楽しみ方も、少しずつ知られるようになっています。
品種ごとの違いを楽しめる
桃は見た目が似ていますが、品種によって食感や香り、果汁の多さ、旬の時期が異なります。山梨県では80種類以上の桃が生産されています。
例えば、7月中旬から下旬に旬を迎える白鳳は、果汁が多く酸味が少ない品種です。浅間白桃は大玉で、しっかりした甘さと香りが特徴です。8月に旬を迎える川中島白桃は、甘みが多く、緻密でしっかりした果肉を楽しめます。
さらに山梨県では、大玉でみずみずしい夢みずきや、硬めの食感が特徴の夢桃香といった県オリジナル品種も栽培されています。
同じ桃でも、みずみずしさを楽しむもの、香りが豊かなもの、しっかりした食感のものと個性はさまざまです。
桃の違いを知る機会が増えている
桃の品種が増えても、それぞれの違いが分からなければ選ぶのは難しいものです。最近は産直ECで、品種名だけでなく、食感や旬の時期まで紹介して販売する例が見られます。食べチョクでも、夢桃香や夢みずき、なつっこなど、品種を指定して購入できる商品があります。

産地から桃の違いを伝える動きも始まっています。山梨県は2026年度、桃の品種や特徴を分かりやすく伝える人を育てる桃ソムリエ認定制度を創設しました。7月に開かれた第2回桃学習会は、募集開始からわずか5分で定員に達し、複数品種の食べ比べや果樹試験場のほ場見学も行われました。
桃は昔から身近な夏の果物ですが、今は品種や食感の違いまで知って選べるようになっています。店頭や産直ECで見慣れない品種を見つけたら、これまでとは違う好みの桃に出会えるかもしれません。