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本格的な受験シーズンが到来?!受験生は朝ご飯は食べるべき?!

食育
YOKARE編集部
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本格的な受験シーズンが到来?!受験生は朝ご飯は食べるべき?!

日本健康食育協会は、35歳以上60歳未満の受験生の子どもを持つ母親全国720人を対象に、「受験生の朝食」について調査。

76%の受験生は毎朝朝食をとる

受験生の子どもを持つ母親に「受験生のお子さんは朝食を摂りますか?」と尋ねたところ、最多は「毎朝摂る」(76.3%)、以下、「摂ったり摂らなかったり」(10.0%)、「平日は摂る」(8.8%)、「摂らない」(2.9%)、「土日など休日は摂る」(2.1%)と続きました。

朝食を食べるメリット

朝食を食べないと、エネルギーがなくなってイライラしたり、集中できなくなったりするので、朝食を食べることは推奨されています。
人間は、1日に消費するエネルギーの20%を脳で使い、その脳の活動エネルギーは主にブドウ糖の働きによるものです。ブドウ糖は体内に大量に貯蔵しておくことができず、すぐに不足してしまいます。
そのため、朝にしっかりごはんを食べないと、脳のエネルギーが不足し、 集中力や記憶力も低下してしまいますよということです。
ブドウ糖は、穀類やいも類などに多くに含まれています。また、果物や砂糖などの甘い食べ物にも豊富に含まれていますが、甘い食べ物は血糖値を急上昇させてしまうので食べ過ぎには注意が必要です
ごはんは、ゆっくりと消化・吸収され、なだらかに血糖値を上げて、長時間維持します。つまり、脳にとって安定したブドウ糖の供給源と言われています。

朝食は摂らないとダメ?!

しかし、一方で体が求めているのは、自分自身が一番わかる状態であることはベストです。
食欲がない時に朝食を無理して食べる必要はあるでしょうか。ストレスで胃腸が動いてない状況も受験時はあります。胃を休ませて上げることも大切でしょう。お子さまの体調に合わせてあげるようにしましょう。

朝食を抜くことのメリットについては、疲れやだるさ、肩こりやメタボ、高血圧やアレルギーの改善に効果があるいう意見もあります。消化酵素と代謝酵素の二つの体内酵素は、1日に作られる量が決まっているので上手に使うために、朝食を抜くという理論です。
朝食を抜くことで、消化酵素を使用せず、その分代謝酵素の量を増やし、細胞の入れ替えや毒素の排泄や、骨や筋肉の修復、免疫やホルモン、神経などの働きやバランスを整えるということです。

朝食はお米(ごはん)が人気

続いて、頻度は問わず「朝食を摂っている」と回答した母親に「受験生のお子さんの朝食の主食は何か?」尋ねました。「お米(ごはん)」(68.2%)が最多となり、「パン(菓子パンを除く)」(48.8%)、「菓子パン」(23.2%)、「シリアル」(23.2%)と続き、「主食は食べない」も2.7%いました。

受験当日に集中力が高まる朝食があるのか?

今度は、母親全員に「受験前日・当日、受験生のお子さんに朝食を食べさせるか?」尋ねました。8割以上が「前日も当日も食べさせる」(83.5%)と回答しましたが、「本人に任せる」(8.1%)、「当日は食べさせる」(3.2%)などの回答もありました。


最後に、「受験前日・当日に食べると、集中力が高まる朝食があることを知っているか?」尋ねました。半数以上が「知らない」(55.1%)と回答し、「献立まで知っている」(9.9%)は1割程度となりました。

「朝食を摂るメリットと受験当日に食べてほしい朝食」をアドバイス

日本健康食育協会の代表理事のお米先生・柏原 ゆきよさんが受験当日に食べてほしい朝食を解説しています。

10万人以上の食サポートの経験から、日本人の体質とライフスタイルに着目し、お米(雑穀米)を主軸に「しっかり食べて太らないカラダづくり」を目指す独自のメソッドを確立。25年以上、健康ブランディングの専門家として社員研修やメニュー開発、大人向け食育セミナーの監修、上場企業や全国の地方自治体と健康プロジェクトを推進するなか、「健康食育マスター講座」を主宰し、健康食育の専門人材育成にも力を注いでいる。

空腹状態は集中力にマイナス

私たちの体は、寝ている間にもエネルギーを消費しているため、目覚めた時にはエネルギー(糖)が枯渇した状態です。特に、脳はエネルギーの消費量が圧倒的に多い臓器なので、エネルギー切れの影響が大きいです。この状態では、思考力が落ち集中力も上がらないので、朝食でエネルギーをチャージし、働きやすい状態を作る必要があります。

脳は、主に糖質をエネルギーとして使っているので、朝食には糖質が必要です。但し、砂糖などの甘い糖質は、血糖値の変動が大きく不安定になるため、できるだけ避けましょう。血糖値の変動が大きいと、メンタルが不安定になりやすくなります。

朝食を摂るとエネルギー消費が活発になり、体温が上がって血液の循環も良くなるので、脳が活性化するだけではなく、腸の動きも活発になります。これを脳腸相関と言います。腸内環境が整うと、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の分泌が活性化することでメンタルが安定し、集中力が高まることがわかっています。

また、朝起きてから14~16時間経つと、セロトニンは睡眠ホルモン「メラトニン」を作り出します。メラトニンは、入眠をスムーズにし睡眠の質を良くします。睡眠時間や質は、学習効率にも影響すると言われていますので、朝食を摂っていないお子さんは朝食でエネルギーチャージし、集中力を高めると良いでしょう。

咀嚼で集中力アップ

咀嚼(そしゃく)は、頭頂部から胸までの筋肉を使う運動です。この運動により、脳内の血流が良くなり、脳機能はアップします。最近の研究では、よく噛むとその刺激で記憶力をつかさどる「海馬」が活性化し、それが注意力や集中力をつかさどる「前頭葉」にも伝わり、血流量を増やすことが明らかになっています。

また、咀嚼や歩行など一定のリズムを刻む反復運動をすると、セロトニンの分泌が高まります。セロトニンが増えると、気持ちが落ち着き集中力を高める、頭の回転を良くして直観力を上げるなど、脳を活発に働かせることができます。よく噛むことは、高いパフォーマンスの発揮に繋がるとも考えられています。

朝食は“ごはん派”をすすめる理由

朝、エネルギーが枯渇している状態で、吸収が早く血糖値を急上昇させる砂糖などを摂ると、血糖値が一気に上がり高血糖になります。高血糖を起こすと、血糖値を下げるために膵臓はインスリンをたくさん分泌しますが、その反動で低血糖を起こしてしまいます。低血糖状態では、糖が十分に脳に供給できずエネルギー切れになってしまい、集中力が出ません。

砂糖などの甘い糖質は、糖の分子が小さいため分解の必要がありません。そのため、吸収も早く、血糖値が乱高下し、すぐに枯渇してしまいます。一方、米の糖質は、分子の大きいデンプンなので、消化吸収が緩やかに行われ、血糖値が乱高下しにくく、持続力があります。しかし、米(ごはん)も早食いをすると血糖値が上がりやすくなるので、よく噛んで食べることが重要です。

また、セカンドミール効果[※1]を意識して朝にお米(ごはん)を食べると、朝食後だけではなく昼食後、夕食後も血糖値が急上昇しにくく、安定します。血糖値が乱高下すると、ホルモンが乱れやすくなるためメンタルが不安定になり、太りやすくもなります。さらには、生活習慣病のリスクも高まるとも言われていますので、注意しましょう。

 

受験生ママ必見!集中力を高める朝食とは

次の1~5を含む、ごはんと味噌汁、おかずの揃った和朝食は、集中力を高める理想的な朝食です。

  1. 効率の良いエネルギー源であるお米を主食にする:脳の活性化、1日の血糖値の安定
  2. 体を温める食事:整腸、体温を上げる
  3. よく噛んで食べられるもの:脳の活性化、セロトニン増加
  4. トリプトファン[※2]とビタミンB6[※3]が同時に摂れる:セロトニン増加
  5. 食物繊維がしっかり摂れるもの:腸内環境改善、メンタルの安定

例えば、雑穀入りのごはんを山盛り1杯と具沢山の味噌汁、魚や卵、納豆などタンパク質が摂れるおかずを1品の「一汁一菜」スタイルがオススメです。
 

朝食の効果をさらに高めるコツ

朝日を浴びましょう。朝起きて日光を浴びると、メラトニン(睡眠ホルモン)の分泌が止まり、脳が覚醒します。それと同時に、セロトニンの分泌が始まり、視覚からの光刺激によって合成が促進されます。朝起きてからもメラトニンが分泌しているままだと、眠くなり、メンタルも不安定になります。そうならないためにも、朝日を浴びてメラトニンをリセットすることが重要です。

また、歩くこともセロトニンを増やすリズム運動としてとても効果的です。朝食を摂った後にウォーキングして、受験に備えると良いかもしれません。

 

[※1]セカンドミール効果とは、朝食(その日最初に摂る食事)が、次に摂った食事の後の血糖値にも影響を及ぼすという理論。1982年にカナダ・トロント大学のジェンキンス博士が発表した。

[※2]セロトニンの材料になるトリプトファンを多く含む食品は、米や雑穀類、大豆製品(豆腐・納豆・味噌・豆乳など)、鶏卵、魚卵(タラコなど)、ナッツ類(アーモンド・クルミなど)。
[※3]セロトニンを作る時に必要となるビタミンB6を多く含む食品は、魚類(サケ・サンマ・イワシ・マグロ・カツオ・サバなど)や鶏肉など。

 

 

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