2020年の環境パフォーマンス指数ラテンアメリカ・カリブ諸国で1位「チリ」の取り組み〜オリーブオイル〜
チリは2020年の環境パフォーマンス指数(EPI)で、ラテンアメリカ・カリブ諸国で1位、世界で44位にランクインしたSDGs推進国です。EPIとはイェール大学環境法政策センターが隔年で発表する指数で、180ヵ国の政府・民間による環境政策のパフォーマンス(実績)や環境の持続可能性を、様々な項目から分析・数値化し、国別にランキング付けした指標のことです。
2020年に公開された環境パフォーマンス指数(EPI) 国別ランキングの1位は82.5点のデンマーク、2位は82.3点のルクセンブルク、3位は81.5点のスイスです。日本は75.1点で全体の12位、米国は69.3点で24位、中国は37.3点で120位。
1 | デンマーク | 82.50 |
2 | ルクセンブルク | 82.30 |
3 | スイス | 81.50 |
4 | イギリス | 81.30 |
5 | フランス | 80.00 |
6 | オーストリア | 79.60 |
7 | フィンランド | 78.90 |
8 | スウェーデン | 78.70 |
9 | ノルウェー | 77.70 |
10 | ドイツ | 77.20 |
11 | オランダ | 75.30 |
12 | 日本 | 75.10 |
上位はヨーロッパが占めているのがわかります。チリが、環境パフォーマンス指数(EPI)において世界で44位にランクインしたことは、ラテンアメリカ・カリブ諸国の中では大躍進でした。
チリではエネルギーやワイン産業など、様々な分野で環境保全のために取り組んできました。オリーブオイルの生産や販売に携わる企業を集めた協会であるチリ・オリーブオイル生産者協会(ChileOliva)は、農業食品産業の国際的なリーダーとしてSGDsの活動を推進するプロジェクトに取り組んでいます。2011年には米国国務省の資金援助を受けた世界環境センター(WEC:World Environment Center、本部:米国ニューヨーク)参加の国際協力プロジェクトにより、クリーンな生産とエネルギー効率化のための試験的な取り組みを通じて、2011から持続可能性に関する事項の継続的な改善に向けた道を歩み始めました。
2013年には第1次クリーン・プロダクション協定(APL)を締結。定められた目標・行動を遵守することにより、経済省に属する持続可能性・気候変動庁から認証を受けられる仕組みです。2020年には第2次クリーン生産協定を締結し、気候変動の緩和・適応策の実施を通じて、オリーブオイルに携わる企業の持続可能性管理をさらに強化し、国の温室効果ガス削減戦略に貢献することを目指しています。
チリ・オリーブオイル生産者協会(ChileOliva)の推進するクリーン生産協定(APL)で定める目標を実行し、それが認められた会員企業には、サステイナブルなオリーブオイル(Aceite de Oliva Sustentable)の認証マーク「AOS」が持続可能性・気候変動庁から授与されます。AOS認証マークの目的は、企業の持続可能性管理を認識し、オリーブオイルに携わる企業のさらなる持続可能性管理の強化を奨励することにあります。持続可能性を維持するための取り組みは製品に付加価値を与え、気候変動への適応に大きく寄与するとともに、温室効果ガス削減のための国家戦略にも貢献しています。
AOS認証は、消費者はもちろん、オリーブオイルの生産・販売に携わる人たちにも厳しいサステナビリティ基準のもとで生産された製品であることを保証するものでもあります。