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インフォームドチョイスの知識はアスリートにとって必須科目です

カラダ
倉持江弥
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インフォームドチョイスの知識はアスリートにとって必須科目です

アスリートの皆さま、インフォームドチョイスという言葉をご存知ですか? なにも考えずに市販されているサプリメントやプロテインを飲んでいる方、ちょっと待ってください。そんな方には「うっかりドーピング」の危険が潜んでいます。故意であろうが過失であろうがドーピングはドーピングです。 知らなかったでは済まされません。インフォームドチョイスの意味を理解しておくことで、あとから悔やんでも悔やみきれない事故を防ぐための予防線となるのです。 ここでは、アスリートや真剣にスポーツに取り組む方々の必須科目、インフォームドチョイスについて詳しくご説明いたします。

インフォームドチョイスとは?

スポーツサプリメントの「アンチ・ドーピング認証プログラム」です。 日本のみならず、世界各国でアンチ・ドーピングに賛同する数多くのメーカーがインフォームドチョイスを導入しています。 運営しているのは、イギリスのLGC社。国際的なアンチ・ドーピング認証機関です。極めて精度の高い分析技術を誇り、サプリメントやプロテインなどの製造工場で厳格なチェックをおこなっています。

LGC社(Laboratory of Government Chemist)

  • サプリメントにおける、アンチ・ドーピングの分析で50年以上の経験と実績を持つ世界トップレベルの分析機関
  • 年間13,000件以上のサプリメントを分析
  • 日本だけでなく、世界各国200社以上のブランドが分析を受けている
  • ほんのわずかな禁止成分でも検出できるノウハウに関する科学論文を300本以上発表

LGC社のHP:https://www.lgcgroup.com/ LGC社は、WADAによって定められた使用禁止の成分が製品中に混ざっていないかを徹底的にチェックします。

WADA(World Anti-Doping Agency)

  • 世界ドーピング防止機構
  • 国際オリンピック委員会(IOC)から独立後、1999年11月に設立。
  • ドーピングの根絶・防止を目的としている
  • ドーピング検査・違反者への制裁の基準を国際的に統一
  • 禁止している成分は約200化合物以上にものぼる

WADAのHP: https://www.wada-ama.org/en

インフォームドチョイスの厳格な認証システム

大きく分けて認証前の第一・第二段階と、認証後の第三段階の3つに分かれています。

認証前(第一段階)

  1. 製造施設が「認定証明書」を保有しているか?
  2. 禁止された原材料を使用していないか?
  3. メーカーから委託された製造先(OEM先)が正しい方法で製造しているか?
  4. 梱包施設でおこなわれている操作手順に誤りがないか?
  5. 製品に貼られているラベル(使用材料や栄養表示)が正しく表記されているか?

上記すべての工程において、禁止されている成分が混入してしまうリスクを評価

認証前(第二段階)

製品が完成するまでにはいくつかの工程があります。 ここで重要なのは、どの工程においてもすべての製品クオリティーを均一に保つこと。製品の認証レベルにバラつきがあってはなりません。 まず、3つの工程から5つのサンプルを取り出して分析します。担当するのは、ISO17025をクリアしたサプリメント分析のプロ。

ISO17025 校正機関や試験所が、正確な校正・測定結果を出せる能力があるのかどうか?つまり、サプリメントをチェックする側のクオリティーを第三者認定機関が見極める規格です。 国際的に認められ、世界規模でスタンダードとなっています。

※厳格な第一・第二段階をクリアして認証を受けたサプリメント製品には「INFORMED-CHOICE」のロゴが与えられ、製品のパッケージに掲載することが許されます。

認証後(第三段階)

サプリメントのチェックは、製品が完成した段階で終わるわけではありません。たった一度の認証で済むのなら、その後にメーカーが原材料や製造・梱包方法を無断で変更することも可能になるわけです。 そんな危険を孕んでいる製品が本当に安心・安全といえるでしょうか? インフォームドチョイスの信憑性は薄れてしまいます。 そこで、認証後も月1回のペースで市場に出回っている製品をランダムにピックアップして分析を続けます。インフォームドチョイスは、自分が使っているサプリメントに禁止成分が使われていないという証明を維持し続けてくれるのです。

なぜ、認証段階が厳重な理由は?

残念ながら、現在市販されているすべてのサプリメントが安心・安全とはいえないのです。海外の調査によると、市場に出回っているサプリメントの約1/10から禁止されている成分が検出されたとのこと。 日本においても、サプリメントに使用される生薬の原料・天然物からの抽出エキス・ハーブなどに禁止成分が含まれている可能性が大いにあります。 知らず知らずのうちに体内へ取り込んでしまっている「うっかりドーピング」をなくすためには、インフォームドチョイスが必要不可欠であるといえます。

インフォームドチョイスのメリット

1.競技力の向上に集中できる

万が一にもドーピング検査で陽性反応が出る心配があれば、練習に100パーセント打ち込むことができません。インフォームドチョイスが認証する製品を使用していれば、余計な心配は無用です。

2.グローバルスタンダードである

プログラムの精度の高さは日本だけでなく、世界的に保証されています。国際試合など、いつ如何なる時どこへ行っても胸を張ってドーピング検査を受けることが可能です。

3.高品質である

インフォームドチョイス認証の製品は安心・安全というだけにとどまりません。 公正な機関の厳しいチェックを通過したということは、それだけ高品質であるともいえます。アスリートにとって、フィジカルや技術向上により良い効果をもたらす強い味方となってくれるでしょう。

4.認証を受けた製品が一目でわかる

WADAの公式サイトでは禁止成分を公開しています。 ですが、その内容を完全に把握するにはとても難しく、競技によっても禁止されている成分は異なります。 サプリメントを購入する際に「デスモプレシンは混入していないか?アセタゾラミドは?スピロノラクトン……」。 このように無駄な時間は限りなく省いてトレーニングにあてるべきです。 どの製品が安全なのか? インフォームドチョイス認証の製品は付与されたロゴが付いているので一目瞭然です。

インフォームドチョイスで真の勝者となる

アスリートが躍動する姿には魂を揺さぶられます。「自分も頑張ろう!」と勇気や感動を与えてもらいます。 己に打ち勝ち、すべてを犠牲にして何年・何十年とひたむきに努力してきた背景が見えるからです。そこには、年齢や性別・人種を超越して人々を魅了するパワーが存在するのです。 しかし、そんなアスリートの肉体がドーピングで作り上げられていると判明すれば、心から応援していた人々はどう感じるでしょうか? 「うっかりしてました」では誰も納得してくれません。何も知らない世間からは『勝つためなら平気でズルをするアンフェアな人間』というレッテルを貼られることでしょう。 SNSが普及している現代では、容赦ない誹謗中傷を浴びせられることも予想されます。二度と立ち上がれないほどに疲弊して選手生命を絶ってしまう可能性もあるかもしれません。 最悪の事態が起きてからでは遅いのです。自分自身だけでなく、家族・友人・恋人・指導者・ファンなど、寄り添ってくれた多くの人が悲しむことになります。 そうならないためにも、やはりインフォームドチョイスの知識はアスリートにとって必須科目です。 競技力向上だけでなく、なにがあってもドーピングだけは防ぎきるというシステムを自ら構築するのも、アスリートにとって重要な役割の1つです。 清廉潔白な真の王者となるために、サプリメントはインフォームドチョイスが認証した製品を使用することを推奨します。

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