GIは高いけど、GLはとても低い食べ物もあるの?GIとGLの違いについて
食事をすると血糖値は上がります。なるべく血糖値の急上昇を抑えて、体に脂肪をためにくくしたいですよね。そこで、注目されているダイエットには低インスリンダイエットがあります。
食後に食べた血糖値を下げるためにインスリンが分泌され、急上昇するほどたくさんのインスリンが分泌されます。インスリンは、血糖値を下げる過程で血中の糖分を脂肪に変えてからだに貯め込むように働くので、インスリンが必要以上に分泌されることで糖分を脂肪として蓄積することに拍車をかけてしまいます。 つまり、インスリンの分泌が抑えられば、糖が脂肪になりにくく、肥満防止になるという考え方が低インスリンダイエット。
そこで登場した指標が、GI(グリセミックインデックス)とGL(グリセミックロード)。 GIは炭水化物の【質】に着目した指標ですが、GLは【質だけでなく量】まで考慮した指標です。欧米では食品のGLに着目するのが一般的になってきました。
GIとGLの特徴や違い、さらに実際の食品の例にとってGI値とGL値を詳しくみてみましょう。
GI(グリセミックインデックス)とは
GI値は同じ量の炭水化物を摂取した時の、血糖値の上昇スピードの違いを表しています。食品ごとに血糖値からブドウ糖に分解されるスピードが異なるため、GIは食品に含まれている炭水化物の【質】を示していると言い換えることができます。
GIが高いほど血糖値の上昇スピードは速く、食パンや精白米などGIが70以上の食品を高GIと呼んでいます。逆にGIが低いほど血糖値は緩やかに上昇すると言われ、玄米や全粒粉のパンなどGIが55以下の食品は低GIと呼ばれます。
- 高GI…GI値が70以上(食パンや精白米、スイカなど)
- 中GI…GI値が56~69(もち、じゃがいも、蕎麦)
- 低GI…GI値が55以下(玄米や全粒粉のパン)
ところが、GIで問題となっているのが実際に食べる炭水化物の量が考慮されていないこと。いくら低GIの食品でもたくさん食べたら血糖値は上昇してしまうので、GIだけでなく実際に食べる量も加えたのがGLという概念です。
GL(グリセミックロード)とは
一般的な一人前の食事の中でどれくらい血糖値をあげるか、という基準となるのがGLです。基準となるGI値に、実際に摂取する炭水化物の量を掛け合わせることで、その食品を食べた時の実際の血糖値の上がり方がわかります。
GLが20以上で高GL、11〜19で中GL、10以下で低GLに分類されます。 低GIの食事でもたくさん食べてしまってはGLが高くなりますし、高GIの食品でも食べる量が少なければGLは低くなります。単純にGIだけで比較するよりも、GLで比較する方が実生活に取り入れやすいです。
- 高GL…GL値が20以上
- 中GL…GL値が11〜19
- 低GL…GL値が10以下
実際の食品の例
高GIだけどGLは低めの食品
例えば、人参(GI:80、GL:6.7)やジャガイモ(GI:90、GL:15.6)などの根菜類はGIが高いですが、実際に食べる量を掛け合わせてGLを算出してみるとそこまで高くはありません。
パイナップル(GI;66、GL:8)やスイカ(GI:72、GL:6)といった果物類もGIは高い方ですが、GLはとても低いです。
GIは低めだけど高GLの食品
逆にライ麦パン(GI:58、GL:30.6)やお蕎麦(GI:54、GL:36.6)のようにGI値が低いので健康に良さそうと思っても、実際に食べる量を考えると高GLに分類される食品もあります。
このようにGIを参考にしながら、どれだけの量を食べるかということも考えながら食事を摂ることを意識しましょう。いいものであっても食べ過ぎてしまっては逆効果ですし、血糖値の上昇を抑えるためには食物繊維を多く含んだ野菜を食べることも大切です。