花粉症対策に効果あり!?花粉症とレンコンの効能
春に本格シーズンを迎える「花粉症」。毎年苦しんでいる方にとっては辛い時期ですよね。特に今年は新型コロナウイルスの影響でマスク不足も心配です。そんな今年こそ自分の免疫力を高めて花粉症対策ができたら良いですよね。今回は、花粉症対策に効果があると言われる「レンコン」の効能についてみていきましょう。
そもそも花粉症とは?
人の体には、体内に入ってきた外敵を取り除こうとする仕組みが備わっています。人のよっては、ある特定の異物が体内に入ってきたとき、過剰に反応を起こします。これをアレルギー症状と言います。例えば、体に入ってきた花粉を洗い流すため「くしゃみ」や「鼻水」、「涙」などのアレルギー症状が出ますね。
花粉症とは花粉を敵と捉ええて過剰反応を起こすことです。特に2月から4月はスギ花粉が多く飛散しているので、一般的に花粉症のシーズンと言われています。
花粉症のメカニズム
花粉症は、体内に入ってきた原因物質(アレルゲン)を取り除こうとする免疫反応によって生じます。鼻の粘膜には、アレルギーの細胞である肥満細胞があり、肥満細胞の周りにスギ花粉に対するIgE抗体が結合しています。
IgE抗体はアレルゲンを侵入者と認識することで作られ、IgE抗体と花粉とが結合すると「肥満細胞」からヒスタミンが放出され、鼻粘膜表面の神経を刺激することで花粉症の症状が生じます。主な症状としては、目のかゆみや充血、くしゃみ、鼻みず、鼻づまりなどがあります。同じ量のアレルゲンが体内に入り込んでも、症状が出る人と出ない人とに分かれます。
レンコンに含まれ花粉症に効果のある栄養成分とは?
過去には、埼玉医科大の和合治久教授と日本アレルギー応用研究所(埼玉県狭山市)、土浦市特産のレンコンを使って花粉症や便秘症などに有効な成分の産学共同開発に成功したと発表。臨床テストの結果、副作用はなく、改善率80%以上の効果が確認されたという結果だったそうです。
タンニン
レンコンに多く含まれるタンニンとはポリフェノールの一種です。タンニンには、くしゃみや鼻水など花粉症の症状を引き起こす炎症物質(ヒスタミンやロイコトリエン)の発生を抑える働きがあると言われています。
タンニンは、緑茶やワイン、コーヒー、柿などの食品にも含まれますが、特にレンコンはアレルギー症状の原因となるIgE抗体が体内で作られるのを抑制する働きがあると期待されています。
ムチン
ムチンはレンコンに多く含まれるネバネバ物質の正体です。レンコンの他にもオクラや山芋などネバネバした食材には多く含まれます。ムチンは糖とたんぱく質が結合してできた多糖類の一種で、人間の体内でも目や鼻、胃腸などの粘膜に多く含まれています。
レンコンのムチンを摂取することで粘膜を保護する効果が期待できます。空気中の花粉が体内に侵入する経路はのどや鼻、目の粘膜からですが、これらの粘膜を強化することで、花粉の体内への侵入を防ぐことができます。また、胃腸の粘膜を保護する効果も花粉症の抑制に効果が期待されます。胃腸の粘膜には免疫細胞がたくさん存在おり、胃腸の粘膜が保護されることで免疫力を高めることができます。
ビタミンC
レンコンにはビタミンCも多く含まれています。風邪に効く印象の強いビタミンC ですが、ビタミンCは花粉症の症状を引き起こす炎症物質であるヒスタミンを破壊し、体内のヒスタミンを減少させてくれる役割があります。
花粉症を発症している際にたくさんのビタミンCが消費されてしまうので、花粉症の時期はビタミンCをこまめに摂りたいですね。また加熱に弱いイメージのビタミンCですが、レンコンに含まれるビタミンCは加熱してもレンコンに豊富に含まれるデンプンに保護されるため煮物やきんぴらなど加熱してもビタミンCが残りやすいという特徴もあります。
花粉症の人は避けた方が良い野菜も
くしゃみや鼻水など花粉症の症状を引き起こす炎症物質であるヒスタミンですが、ヒスタミンは食品にも含まれます。ヒスタミンを含む食品は花粉症の症状を悪化させてしまう恐れがあります。
具体的には「なす」「きゅうり」「トマト」「メロン」「ほうれん草(生食の場合)」などが挙げられます。夏に旬を迎える食材が多い印象でもありますが、生で食べると特にヒスタミンを摂取しやすいので加熱して食べるか、花粉症の時期はこれらの食材は避けると良いでしょう。
レンコン1日40gを2週間で花粉症改善?!
個人差はありますが、レンコン1日40gを2週間食べ続けることで効果が出ると言われています。
毎日でも続けやすいレンコンの「ココアレンコン甘酒」などがオススメです。すりおろしたレンコンと甘酒、ココアを混ぜるだけの簡単な工程です。レンコンは買ってきたら新鮮なうちにすりおろして、40gずつ小分けにして冷凍しておくと便利です。
甘みに発酵食品である甘酒を使うことで、腸内環境を整える働きも期待できます。アレルギー症状は腸内環境の乱れから悪化することもあるので、花粉症の時期は特に納豆や味噌、ヨーグルトなどの発酵食品は意識的に摂りたいものです。
また、ココアを加えることで、レンコンが入っていても飲みやすくなります。そしてカカオに含まれるポリフェノールもレンコンのタンニンと同じくアレルギーを抑制してくれる働きがあります。朝食に体を温めてくれる飲み物としていかがでしょうか?
参考資料
はじめに ~花粉症の疫学と治療そしてセルフケア~|厚生労働省