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目の疲れが頭痛を引き起こす原因は?

カラダ
倉持江弥
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目の疲れが頭痛を引き起こす原因は?

今やパソコンやスマホが手放せない時代になり、これまで以上に目を酷使するようになりました。目を使いすぎることで、目がかすみやすい・目が充血する・目が疲れやすいといった目の症状だけでなく、持続的な頭痛に悩まされている・肩こりがひどくなった・イライラして集中力が続かないといった目以外の症状に悩まされる方も増えています。

特に頭痛が続くと、何かを考えることもイヤになったり、イライラしたりと精神的なストレスも溜まりやすくなります。片頭痛がある方は頭痛のない方と比べてうつ病やパニック障害になりやすいという報告(※1)もされているくらい精神的な影響は大きいです。

目の疲れと頭痛の関係

目の疲れが頭痛を引き起こす原因は大きく分けて以下の3つが考えられます。

  • ブルーライトによる影響
  • 目の周りの筋肉の緊張
  • ストレスや睡眠不足

順に解説していきましょう。

ブルーライトによる影響

ブルーライトという言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、実際にどんな光のことかご存じですか?世の中にはさまざまな光があり、人の目で見ることができる光と見ることができない光に分けることができます。

人の目で見ることができる光のことを可視光線と呼び、その中で最も波長が短く強いエネルギーを持っているのがブルーライトです。こうした低波長で高エネルギーな光は目にストレスを与えるだけでなく、脳を興奮状態にして体内時計を狂わせてしまいます。脳が休まらず、常に興奮していることから片頭痛を引き起こします。

太陽光にもブルーライトは含まれているようですが、対象との距離が近くしかも一点を集中して見るという点からもディスプレイからのブルーライトは問題視されています。

目の周りの筋肉の緊張による影響

体にたくさんの筋肉がついているのと同じように、目にもたくさんの筋肉がついています。その中でも目のピントを合わせるために使われる毛様体筋と、目を閉じたり開いたりするときに使われる眼輪筋が重要な役割を担っています。

私たちがモノを見るときには、目についている水晶体の厚さを調節することでピントを合わせています。このピントを調節するために働いているのが毛様体筋という筋肉です。近くを見るときには、毛様体筋をギュッと収縮させて水晶体に厚みを持たせてピントを合わせています。逆に遠くを見るときは毛様体筋をリラックスさせることで水晶体を薄い状態に戻します。

また、目の周りにある眼輪筋はまばたきや眼球運動をするために使われます。

ところが、近くのものを見続けていると毛様体筋や眼輪筋といった筋肉はずっと緊張しっぱなしで、リラックスできずに疲れてしまいます。無意識のうちにまぶたがピクピクと動く痙攣を経験したことがある方も多いのではないでしょうか。この状態はまさに筋肉が緊張していることを示しているので要注意です。目の周りの筋肉が緊張することでコリが生じ、血流が悪くなってしまい頭痛が出てきます。

ストレスや睡眠不足

ブルーライトの見過ぎや睡眠不足などから目が疲れてくると、精神的に大きなストレスを感じ自律神経が乱れやすくなります。自律神経の一番の役割は血液循環のコントロールと言われており、自律神経の乱れは血液循環の悪化を招きます。

頭痛が出てくる原因の多くも血液循環の悪化であることから、自律神経の乱れと頭痛はとても大きく関係しています。

目の疲れで起きる頭痛の種類

頭痛と言っても何種類かあり、目の疲れで起きる頭痛は主に片頭痛と緊張型頭痛の二種類に分けられます。

片頭痛

片頭痛はストレスを感じている時やストレスから解放された時、寝不足や寝過ぎ、女性ホルモンの変化、天候や気圧の変化などで出やすい傾向にあり、血管が拡張することで起こると言われています。こめかみのあたりにズキンズキンと波を打つように響く痛みを感じます。片側に起こることが多いですが、たまに両側に起きることもあります。

頭痛が出てくる前に、チカチカとフラッシュのような光が見えることがあったり、視野の一部が見えにくくなるといった前兆が見られることもあります。頭痛が出ている時に頭の位置を動かすと痛みが悪化するのも片頭痛の特徴的な症状です。

緊張型頭痛

緊張型頭痛はその名の通り筋肉が緊張して収縮することで起こるもので、後頭部を中心として頭全体がギューっと締め付けられるような痛みが出て来るのが特徴です。一度頭痛が出始めると数時間〜数日続くこともあり、人によっては軽いめまいや立ちくらみを伴うこともあるので注意しましょう。

主な原因としては、目の使いすぎからくる目の周りや顔の筋肉の緊張や肩周りの緊張といった身体的なストレスや精神的なストレスが考えられます。ストレスによって筋肉が緊張し、血液循環が悪くなると血管に老廃物が溜まってしまい、痛み物質が産生されるというのが頭痛が起きるメカニズムです。

このように頭痛の種類によって痛みの出方が違うのがお分かりいただいたと思います。目の疲れによって起こる頭痛はどちらのタイプの痛みも出てきますが、一般的には緊張型の頭痛の方が起きやすいです。

目を使えばその分だけ疲れは溜まってくるので、目を休ませて、体をリラックスさせるように心がけましょう。
 

※1…慢性頭痛の診療ガイドライン作成委員会:慢性頭痛の診療ガイドライン2013, p.50-52,p.201-203,医学書院,2013

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