40代ランナーが教える!フルマラソンを走った後の回復ポイント
フルマラソンは走った後のケアが大事です。フルマラソンを走った後の回復ポイント、フルマラソン翌日の過ごし方を紹介します。 フルマラソンで完走するためには42.195キロもの長い距離を自分の脚だけで走り切らなければなりません。42キロというと、車で移動しても相当な距離なので、身体は大きなダメージを受けています。 フルマラソンは走る前の練習や準備と同じくらい、走った後のケアが大事。適切なケアでフルマラソンのダメージから早めに回復しましょう。
フルマラソンを走った後の回復ポイント
ポイント1.フルマラソンのゴール直後はすぐに止まらないこと
フルマラソンを走り切って、ゴールゲートをくぐった瞬間、気持ちが切れて、その場で座り込んでしまいたくなりますよね。 でも、ゴール直後にすぐに身体の動きを止めてしまうのはNGです。 ゴール後は歩くのがやっとの状態かもしれませんが、立ち止まらずに動いて、筋肉を徐々にクールダウンさせていきましょう。
ゴール直後に動きを止めると…
座り込んだり、寝転んだりして、身体の動きを止めてしまうと、疲労物質がたまりやすくなり、翌日以降のダメージが増幅してしまいます。ゴール直後にすぐに座ってしまうことで、筋肉が冷えて硬直して、立てなくなってしまう事態も発生するので注意が必要です。
ポイント2.フルマラソンゴール後の水分補給と栄養補給
ゴールした後は、係員さんの誘導に従い、走り終えた他のランナーさんたちの流れに乗って歩いていきましょう。 計測チップを外す場所、タオルを受け取る場所を通過すると、スポーツドリンクやバナナなどを受け取るコーナーにたどり着きます。 ここで必ずドリンクをもらい、栄養補給と水分補給をしましょう。フルマラソンを走りきった身体はエネルギーを消耗しているので、回復のために速やかな水分補給と栄養補給が大切です。 バナナなどは「食べる気になれない」という方は、アミノ酸入りのゼリーがおすすめ。食欲がなくても手軽にアミノ酸を摂取することができるので、前もって準備しておくと安心ですね。
ポイント3.すみやかに着替えて、使った筋肉を冷やしましょう
ゴールしてしばらくすると、かいた汗のせいで身体が一気に冷えてきます。早めに更衣室へ行き、乾いたタオルで身体を拭いて、下着と上着の着替えをしましょう。 フルマラソンの後は、免疫力が落ちて風邪を引きやすい状態になります。できるだけ身体を温かく保つことが大切です。 そして、忘れないでやっておきたいのがアイシング。ふくらはぎや太もも、膝、足首など、フルマラソンを耐え抜いてくれた筋肉を10分程度冷やしておくと、ケガの防止や筋肉痛の軽減につながります。
アイシングの方法は?
アイシングといっても、本格的に氷などを準備しなくても大丈夫。用意するのは、保冷剤やエアーサロンパス、冷却系の湿布などでOK。身体のさまざまな部分が目に見えない炎症を起こしているので、フルマラソンゴール時には痛みを感じなくても、ここでしっかり冷やして、回復に努めましょう。
ポイント4.温泉につかって疲労を洗い流しましょう
温かい服に着替えて、アイシングをしっかりおこなったら、そのあとは温泉がおすすめです。 ランナーはみな温泉が大好き。レースが終わると、会場近くのスーパー銭湯はどこもみな走り終えたランナーたちで賑わいます 温泉では湯船につかっているだけで、筋肉がリラックスしていくのが分かるはず。ジャグジーも気持ちいいですね。腰やふくらはぎ、足の裏を刺激すると、全身の疲労感回復に抜群に効いてきます。
フルマラソン当日の入浴ポイント
- ぬるめのお風呂を選ぶ
- ジャグジーで疲れた部分を刺激をする
- 水分はこまめに取る
- ?ぬるいお風呂と水風呂に交互につかるのも効果的
フルマラソン当日の入浴の注意点
フルマラソンを走ってきた後なので、湯船につかるときは脱水症状で具合が悪くならないよう、水分はこまめに取りましょう。身体はあちこちが炎症を起こしている状態です。のぼせてしまうような熱いお風呂はさけ、ぬるめのお風呂を選びましょう。 もし余裕があれば、40度程度のお風呂と、水風呂に交互につかるのも効果的です。血流がよくなることで、疲労の回復が早まります。
ポイント5.疲労回復のためにバランスのよい食事をとりましょう
フルマラソンの疲労は、実は筋肉だけにとどまりません。内臓も同じくらいかそれ以上にダメージを受けています。 フルマラソン当日の夕食は、胃腸に負担がかからなもの、栄養価が高くて消化吸収のよい食べ物を中心に選びましょう。特に、ビタミンB、たんぱく質、アミノ酸が多く含まれているものが、疲労回復には最適です。
フルマラソン当日おすすめメニュー例
- 白米
- お豆腐のお味噌汁 or あさりのお味噌汁
- 鶏のむね肉(ソテーなど)or 豚肉(しょうが焼きなど)
- サラダ
「フルマラソンで大量のカロリーを消費したし、今日はご褒美として、好きなものを食べよう!」と、揚げ物やピザ、こってり系のラーメンなどを選ぶのは禁物。内臓に優しく、栄養のバランスにも優れた和定食のようなメニューをぜひ選んでください。
ポイント6.フルマラソン当日の睡眠は何より大切
お風呂に入って、栄養バランスのよい食事を取れたら、フルマラソン当日最後の締めくくりとして最も大切なのが睡眠です。 レースのことを思い出して、なかなか寝付けないかもしれません。また身体が疲れすぎていて、眠れないこともあります。 でも、横になっているだけで、身体は回復します。 寝ていても脚が重く感じるときは、足首のあたりにクッションを置いてみてください。少し足を高くして寝ると、疲れが取れやすくなります。
打ち上げはOK?NG?
フルマラソン当日に、完走の打ち上げという名目で、アルコール+夜更かしをするランナーさんもいるかもしれません。間違いなく回復が遅れるので、避けるのが賢明です。
ポイント7.フルマラソン後1~2週間は体重が増えても気にしない
「42キロも走ったんだから、相当カロリーを消費してるはずだし、当然痩せるでしょ?」と思っていると、翌日以降の体重増にびっくり!ということも。フルマラソンを走った後、必ず2キロ程度体重が増えるという人も、実は少なくないのです。
どうしてフルマラソンを走って、体重が増えるの?
答えは筋繊維にあります。過酷な運動によって、筋繊維が傷み、その傷みを修復させるために、身体が水分を溜め込むからです。つまり、体重が増えているのは、水分量が増えているということ。決して太ったわけではないのです。 フルマラソン完走後に体重が増えたからと言って、決して食事をおろそかにしないように。バランスのよい食事を心がけることで、身体の回復は早まり、内部の水分も徐々に抜けて、遅くとも2週間後には体重は戻ります。 安心して栄養価に優れた身体によいものを食べましょう。
フルマラソン翌日の過ごし方
フルマラソンから一夜が明けて、目を覚ますと、身体のあちこちから痛みを感じることでしょう。歩くのもやっと、階段の上り下りは壁や手すりにつかまりながら、という状態になるのは、断じてあなただけではありません。
フルマラソンの翌日は無理をせずに過ごすことを念頭においてください。
ただし、身体を全く動かさないのではなく、少し意識して身体を動かすようにすると、筋肉痛が抜けやすくなります。 内臓疲労についても、翌日以降もしばらくは続きます。暴飲暴食はせず、胃腸にやさしい食事を心がけてましょう。 フルマラソン後は免疫力が下がって、風邪などの感染症にかかりやすい時期です。42キロ走ってダメージを受けている身体を十分にいたわってあげてください。
トレーニングの再開は少しずつ
フルマラソン翌日は階段の上り下りすらきつい筋肉痛になっていても、数日経つにつれて、体は徐々に楽になってきます。「そろそろ走れるかな?」と思ったら、ウォーキングや軽いジョギングから再開しましょう。
大切なのは、決して無理をしないこと。 フルマラソンから身体が完全に回復するまでには、2週間からひと月ほどかかると言われています。焦って早めに練習を再開しても故障につながるだけなので、身体の声を聞きながら、ゆっくり休んでください。 マラソンは、健康な身体さえあれば、年齢を重ねてもずっと続けられるスポーツです。長く続けていくためにも、フルマラソン後のダメージを持ち越さず、ケアをしっかりして、楽しいランニング生活を送っていきましょう。