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歯周病、虫歯予防にカテキンはどんな効果があるの?

カラダ
YOKARE編集部
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歯周病、虫歯予防にカテキンはどんな効果があるの?

歯周病は、成人が歯を失う理由No.1です。2016年に行われた全国調査(歯科疾患実態調査)では、75歳~以上の歯の数は、平均値は約16本で、約3割の人が総入れ歯を使っていて、20本以上の歯を持つ人は46%です。本来持っている歯の数(28本)の半数近くが失われていることになります。
そして、成人が歯を失う理由No.2は虫歯です。

昔に比べると歯の喪失状況は改善傾向にありますが、日本では予防歯科の習慣がなく、痛くなってから歯医者に行くため、気付いたら重症化していたというケースも少なくないのではないでしょうか。

予防歯科以外にも、日々の生活の中で、歯周病や虫歯を予防する方法はあるのでしょうか。歯周病に関しての研究に基づいて、日常でできる歯周病予防を紹介していきます。

緑茶は⻭周病を予防する?!

緑茶にはカテキンやフッ化物(フッ素)が含まれるため、むし⻭や⻭周病を予防して⻭の喪失を減らす可能性があることが報告されています。
2009年に九州大学の研究チームが学術誌「Journal of Periodontology」で発表されました。
その研究からは、49 歳から 59 歳までの 940 人の男性の歯周病の健康状態を調査し、日常的に緑茶を飲むことは、健康な歯と歯茎を促進するのに役立つ可能性があることがわかりました。定期的に緑茶を飲む被験者は、歯周病の発生率が低く、体内の炎症を軽減するカテキンの作用があるかもしれないと発表されました。

人との交流頻度が低い場合は緑茶が効果的

人との交流が多い⼈ほど、健康情報を得やすいことなどがあり、⻭を失うリスクが低くなる可能性が報告されています。
緑茶は、誰かに会った時に飲まれることが多いですですが、人との交流頻度を考慮した報告は存在しなかったことから、東北⼤学⼤学院⻭学研究科では研究を行ったそうです。
緑茶を摂取しているほど歯の数が多いという相関関係に、人との交流頻度も関係性があるから調べた結果、緑茶を飲む頻度と歯の数の間に有意な関連が認められ、特に1か⽉に会う友⼈・知⼈の数が少ない⾼齢者において緑茶を飲む頻度と歯の数の関係性が顕著でした。

  • 1か⽉に10⼈以上の友⼈に会う⾼齢者は、友⼈に会わない⾼齢者に⽐べて、約2.6本多く⻭が残っていました。
  • 緑茶を1⽇に4杯以上飲む⾼齢者は、緑茶を飲まない⾼齢者に⽐べて、約1.6本多く⻭が残っていました。
  • 1か⽉に会う友⼈・知⼈の数が少ない⾼齢者ほど、緑茶と歯の数の関連が強い傾向にありました

人との交流がコロナによって減っている今、緑茶は飲むことで、歯を多く残せるのではないでしょうか。

高齢者の歯の数と緑茶の関係

参考:緑茶を1日4杯以上飲んでいる人で約1.6本の歯が多かった ~特に1か月に会う友人の数が少ない人に効果大~|東北⼤学⼤学院⻭学研究科


緑茶は虫歯を予防する?!

緑茶には主に4種のカテキンが含まれ、その中で最も多いのが、EGCG(エピガロカテキンガレート)。EGCGは、特に抗菌作用が強く、虫歯(う蝕)関連菌を抑制する可能性が示されていました。

東北大学大学院歯学研究科口腔生化学分野の髙橋信博教授らは、口腔内において代表的な虫歯(う蝕)関連菌4種類(ミュータンスレンサ球菌含む)に対するEGCGの抗菌効果を調べ、2021年6月に検討結果を発表しました。
緑茶に含まれる濃度の EGCG は、殺菌効果はないものの、細菌の増殖を阻害し、虫歯(う蝕)の原因として重要な糖からの酸産生活性を抑制し、さらに、細菌の凝集を促進することが明らかになりました。

日本だけでなく近年では世界中からも注目されている緑茶に含まれるカテキンが、虫歯(う蝕)関連細菌の持つう蝕原性、すなわち「糖からの酸産生」と「歯面付着」を抑制することが明らかになりました。これらの抗菌作用は唾液が存在しても維持されたことから、実際の口腔内においてもその効果は期待でき、近い将来、う蝕予防の効果的ツールとして開発されることが期待されています。

参考:緑茶カテキンは口腔レンサ球菌の酸産生を抑制する -緑茶カテキンの虫歯予防効果に期待-|東北大学

 

 

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