2023.07.11

運動中や運動後にアミノ酸を摂ることの効果

前回の記事で、プロテインとアミノ酸の違いを紹介しました。吸収スピードやアミノ酸スコアなどいくつか違いがあるので、それぞれを正しく使い分けることで肉体改造や健康増進に大いに役に立つことでしょう。今回の記事では、運動中や運動後にアミノ酸を摂ることの効果であったり、アミノ酸を摂る際の注意点などを紹介します。

筋肉は筋肉の分解と合成によって成長する？！

まずここでは筋肉の分解と合成について理解しておきましょう。

よく「筋肉をつくるためにタンパク質を摂りましょう」と言いますが、タンパク質を摂っているだけでは筋肉はつきません。実際には、体を動かすことで筋肉が分解し（筋肉痛などになりますよね）、分解された筋肉にタンパク質（アミノ酸）が吸収されることで筋肉が成長するという仕組みになっています。

分解＜合成で筋肉が成長する

この分解と合成のスピードによって筋肉の成長度合いも決まってきて、分解＞合成ですと筋肉の成長は育ちづらいですが、分解＜合成になると筋肉は順調に育ってくれます。

例えばスポーツをしている方ですと、動いている時は絶え間なく筋肉に負荷がかかっているので少しずつですが筋肉の分解が進んでいきます。筋肉をつけるためにも、運動後30分以内（トレーニング界で言われるゴールデンタイム）にタンパク質を摂取することで筋タンパクの合成をより促進させることがわかっています。

アミノ酸を摂るタイミング

タンパク質とアミノ酸の違いを簡単におさらいすると、筋肉の元になっているタンパク質を分解したものがアミノ酸、アミノ酸には必須アミノ酸と非必須アミノ酸がある、さらに必須アミノ酸の中でも筋肉の成長に欠かせないのがBCAAとなっています。

プロテインは吸収に時間がかかり、内臓にも多少の負担がかかるため、運動が終わったあと速やかに摂取することがすすめられています。ところがアミノ酸はすでに分解されている状態のため、内臓にかかる負担も少なく、どのタイミングで摂ってもしっかりと筋肉に送り届けられます。

アミノ酸を運動前や運動中に摂る効果

運動中に筋タンパクが分解されてしまうことから、運動中でも体内にアミノ酸が余っている状態を作っておけば筋タンパクのスピードをゆるやかにすることができ、疲れにくくなったり、集中力を持続させることが期待できます。

アミノ酸の効果を実感するためにも摂るタイミングはとても大切です。特に運動前や運動中に摂っておくことで、効果を実感しやすいのではないでしょうか。

運動の30分前にアミノ酸を摂っておくことで、体内にしっかりとアミノ酸がある状態で運動をスタートすることができます。特に運動前はアミノ酸の中でもBCAAを摂っておくことがオススメです。

長時間の運動（2〜3時間など）の場合には、途中でアミノ酸を摂取しておくこともアリです。運動時間が長くなれば長くなるほど体内のグリコーゲン（エネルギー源）がなくなって、筋肉の分解スピードがさらに早くなっていきます。そうなるとドッと疲れが出てきたり、集中力が続かなくなってケガをする可能性も出てくるため、休憩中にアミノ酸を摂るようにしましょう。

もちろんアミノ酸でなくプロテインでもいいのですが、運動前や運動中のプロテインはゲップが出やすくなったりお腹が張りやすくなる人もいるため気をつけてください。

運動後のアミノ酸とプロテイン

もちろん、運動後のアミノ酸も効果的です。アミノ酸とプロテインの両方を摂取している方も多いと思いますが、摂り方によっては効果が少なくなってしまいます。

アミノ酸はプロテインを分解して吸収しやすくしたものです。アミノ酸をプロテインと一緒に飲んだりすると、せっかく分解されているものが一度プロテインに合成されてしまうため、アミノ酸の良さである吸収スピードがジャマされてしまいます。

運動後に摂取する場合には、まずは運動後すみやかにアミノ酸を摂取、そのあとクールダウンや片付け、シャワーなどで少し時間を空けて30分〜1時間後くらいにプロテインを摂取するのが理想的です。アミノ酸は体内に吸収されるまで30分くらいかかるので、その時間は何も摂らないようにしましょう。アミノ酸は水で飲むようにしてください。

アミノ酸とプロテインの種類ごとにオススメの摂取タイミング

ちなみにプロテインにはホエイ、カゼイン、ソイの3種類あると前記事でお伝えしましたが、プロテインも種類によって飲み方は使い分けるのがベターです。ホエイプロテインは吸収時間が早いので運動後に、カゼインプロテインは吸収時間が長いので寝る1〜2時間前に飲んで睡眠中にしっかり補給できるように、ソイプロテインは食事の代わりなどで活用するのがオススメです。