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パイナップル

成分の話
YOKARE編集部
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パイナップル

パイナップルはリンゴ、ミカン、イチゴと並ぶ人気のフルーツ。フルーティーな甘酸っぱさは、さまざまな食品や料理にマッチします。おいしいだけでなく、栄養価も高く、パイナップルが持つ健康・美容効果も注目されています。

パイナップルは代表的な熱帯果樹

熱帯果樹の代表選手とも言えるパイナップルは、熱帯アメリカ原産のパイナップル科アナナス属の多年草。世界中の熱帯地域や温帯地域で栽培されています。

もともとは1,000年以上前から、ブラジルを中心とする南米で先住民が栽培していたと言われています。コロンブスの第二次探検隊が1493年に西インド諸島でパイナップルを発見し、その後、ヨーロッパやアジアなどに広がったと伝えられています。

パイナップルは苗を植えてから1年半くらい経つと収穫されます。食用として栽培される品種には、「スムース・カイエン」「ボゴール」「ソフトタッチ」などがあります。

同じ株から何年も繰り返して収穫することは可能ですが、徐々に品質の良いものが収穫できなくなるため、4年前後で新しい苗に植え替える必要があります。

糖分は下側に溜まる

パイナップルの果肉部分は松かさや亀の甲羅に似た形状をしています。リンゴのような万人受けする風味とおいしさが特長ですね。私たちが食べている果肉は、肥大化した「花托(かたく)」と呼ばれる部分です。

パイナップルを購入する場合、下部にかけて膨らみがあり、フルーティーな甘い香りがするものを選びましょう。甘い香りがすれば、ちょうどよい食べ頃です。

黄色っぽいものを選ぶこともポイントですが、多少緑っぽくても熟していれば問題ありません。

生鮮パイナップルは冷蔵保存することをおススメします。パイナップルは下側に糖分が溜まるため、葉を下に置くと甘みが果肉全体に行き渡り、均一化します。ぜひ、実践してくださいね。

コスタリカ、フィリピン、ブラジルなど世界各地で栽培

パイナップルの栽培には、1年を通して高温・多雨となる熱帯地域の肥沃な土壌が適しています。産地はアジア、アフリカ、北米、南米など世界中に散らばっています。

国別で見ると、コスタリカ、フィリピン、ブラジル、インドネシア、中国が主要な産地。このほか、インド、タイ、ナイジェリア、メキシコなどでも栽培されています。

財務省貿易統計によると、日本の生鮮パイナップルの輸入量(2019年)は年間で約15万3,200トン。輸入先はフィリピンがほとんどを占め、約14万6,000トンに上ります。次いでコスタリカの約3,800トン、インドネシアの約1,800トンが続きます。台湾、マレーシア、パナマなどからも輸入しています。

日本に目を移すと、パイナップルは沖縄県で栽培されています。鹿児島県でも栽培されていますが、量的にはわずか。国産パイナップルのほとんどは沖縄県産です。農林水産省の調べによると、沖縄県の2019年産の収穫量は7,460トンでした。

パイナップルの栄養素

ビタミンB1・C、酵素「ブロメライン」など含む

パイナップルに含まれる栄養成分には、ビタミンB1・B2・C、βカロテン、カリウム、クエン酸などがあります。

食物繊維も豊富で、その大半を不溶性食物繊維が占めることも特徴の一つ。

さらに、パイナップルには「ブロメライン」という酵素が含まれています。この酵素には、動物性たんぱく質の消化を助ける働きがあります。

パイナップルに期待される効果・効能

パイナップルには疲労回復や食欲促進の働きも

パイナップルはフルーツのなかではビタミンB1が比較的多く、クエン酸も含むことから、疲労回復の効果が期待されます。

また、前述した通り、酵素の「ブロメライン」は動物性たんぱく質の消化を助け、食欲を促進します。食欲がなくなる夏場に、豚肉とパイナップルの料理を見かけることが多いのも、パイナップルの「ブロメライン」によって肉が柔らかくなり、消化を促進してくれることが理由です。まさに夏場にピッタリのフルーツなのですね。

一部の研究により、「ブロメライン」の痛み・腫れを軽減する作用も報告されています。日本では医薬品成分となるため、「ブロメライン」そのものを食品に使用できません。サプリメントや健康食品に使用するのは、果肉の抽出物です。

消費者庁の機能性表示食品制度では、パイナップル由来の「グルコシルセラミド」という成分を配合した商品の届出が公表されています。この成分には、肌の水分を逃しにくくする作用があります。肌が乾燥しがちな人に向けた機能性表示食品が多数登場するなど、美容をサポートする働きも注目されています。

日頃の食事の1品に

国産パイナップルは初夏から夏が旬となりますが、輸入も含めると1年を通じて購入できます。日頃の食生活を見直す際には、パイナップルも加えてみてはいかがでしょうか。

デザートとして生のまま食べたり、肉料理に使用したりして、パイナップルのおいしさを楽しみつつ、あなたの健康と美容にもお役立てください。
 

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