肌が乾燥しがちな方に朗報、セラミド配合の機能性表示食品がサポート
女性にとって「肌の乾燥」は深刻な悩み。スキンケアによって外側から手当てするだけでなく、体の内側からもケアする内外美容が注目されています。「肌が乾燥しがちな方」に向けた機能性表示食品が人気ですが、そのうち「セラミド」を配合した商品にスポットを当てて解説します。
角質層が肌の水分を逃がさない
肌が乾燥しがちなのは、肌の水分が逃げ出すことを防ぐバリア機能が低下するからです。このバリア機能が正常だと健康な肌を維持できるのですが、その機能が低下すると、皮膚の水分の蒸散量が増えて、乾燥気味の状態となってしまいます。
私たちの肌は、「表皮」「真皮」「皮下組織」と呼ばれる3層で構成されています。そのうち「表皮」は、最も外側にある部分。とても薄い組織ですが、水分が逃げ出さないように保護するという重要な役割を果たしています。
この「表皮」を詳しく見ると、「角質層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」という4層に分かれます。化粧品の広告で肌の潤いを与えるという表現が見られますが、これは「表皮」の最も外側にある「角質層」まで美容成分を浸透させて効果を発揮するという意味です。
「角質層」は肌の最前線に位置し、肌を外部の異物から守ったり、肌の水分の蒸散を防いだりします。しかし、季節(気温・湿度)、食事内容、生活環境(睡眠・ストレスなど)、加齢によってバリア機能が低下し、肌が乾燥しがちになることがあります。
細胞間脂質の約50%がセラミド
「角質層」は細胞間脂質などで構成されていますが、その主な成分がセラミド。細胞間脂質のおよそ50%をセラミドが占めています。
「角質層」は角質細胞が積み重なった状態にあり、その隙間を埋めて、細胞同士をつないだり、水分を維持したりしているのがセラミドです。このため、セラミドは「潤い成分」と呼ばれます。
セラミドはスフィンゴ脂質の1つ。肌の内側で合成されるのですが、加齢とともにその能力は低下していき、セラミドの量が減少していきます。
そこで注目されているのが、「肌の潤い」をサポートするセラミド配合の機能性表示食品。「肌」関連の機能性表示食品では、いくつもの種類の成分が用いられていますが、そのうち、セラミドを配合した商品の届出は約200件に上ります(2023年10月1日現在)。
米・パイナップル・コンニャクなど由来のセラミドを配合
セラミドを含む食品は多く、イモ、米、小麦、豆、牛乳、ホウレンソウなどが知られています。機能性表示食品に使用されるセラミドも、米由来やパイナップル由来、コンニャク由来など多種類があります。
そのうち代表的なものは、「米由来グルコシルセラミド」「パイナップル由来グルコシルセラミド」「コンニャク由来グルコシルセラミド」です。
そのほか、モモ由来グルコシルセラミド、麹由来グルコシルセラミ、ジャガイモ由来グルコシルセラミドなどがあります。今後も、さまざまな植物由来のセラミドを使用した商品が登場すると予想されています。
「肌が乾燥しがちな方に適した食品」と表示
セラミドを配合した機能性表示食品は、肌の乾燥が気になる方に向けて販売されています。機能性の表示内容として、主に以下のようなものがあります。
「肌が乾燥しがちな方の肌の水分を逃がしにくくし、肌を乾燥から守る機能(バリア機能)を高めることが報告されています」。
「肌の潤いを守るのを助ける機能があることが報告されています。肌が乾燥しがちな方に適した食品です」。
「顔やからだ(頬、くび、背中、足の甲)の肌を乾燥しにくくするのを助け、潤いを守るのに役立つ機能があることが報告されています」。
肌の乾燥やカサツキのある中高年を対象に試験
セラミドを配合した機能性表示食品の有効性は、どのような試験によって確認しているのでしょうか?代表的なケースを見てみましょう。
試験に参加する被験者は、肌の乾燥やカサツキのある30歳~60歳の健康な男女80人。80人の被験者については、グルコシルセラミドを含むカプセルを摂取するグループと、グルコシルセラミドを含まないプラセボ食品を摂取するグループに分けて、「ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験」を実施しています。
摂取期間はそれぞれ12週間。経表皮水分蒸散量や皮膚粘弾性などを測定し、2つのグループ間で統計学上の有意差が認められたかどうかを検証しています。
サプリ、飲料、ゼリーなどバラエティーに富む関連市場
セラミド配合の「肌の潤い」をサポートする機能性表示食品は、サプリメントをはじめ、飲料、スムージー、ゼリー、キャンディ、甘酒、茶、スープなど、多様な商品が登場しています。あなたの生活シーンに合わせてチョイスすることが可能です。
サプリメントは飲みやすいため、より大きな効果を期待して、ついつい多めに飲んでしまう方もいます。しかし、効果を得られる保証はなく、むしろ、健康被害の恐れがありますので、1日あたりの摂取目安量を必ず守ってくださいね。