夏バテと睡眠、暑さと睡眠の関係は?暑い夏への対策は暑さに慣れる?
日光浴は睡眠の質に良い?!
日本ゼオンのアンケート調査では、約半数が「春頃より睡眠時間が短くなった」と回答し、専門家が推奨する平均睡眠時間「7時間以上」に満たない人が8割以上という結果も。さらに日焼け対策をしている人ほど夏バテが起きやすい傾向があり、日光浴を積極的に取り入れている人ほど、夏バテしにくいという傾向も見られました。
日焼け対策をしている人は7割以上(71.7%)で、日焼け止めを塗っている人は4割以上(42.0%)。日焼け対策をしていない人で夏バテを感じる人は55.7%に対し、日焼け対策をしている人で夏バテを感じる人は74.2%という結果に。[※1]
この理由について専門家は、「日光浴で、ビタミンDが生成される、夜間メラトニン分泌につながる、ということは、睡眠の質によい影響を及ぼしていることが示唆される」という見解を示しました。
気温上昇は睡眠の質に悪影響?
気候変動が睡眠に及ぼすさまざまな影響に関する研究も進んでいます。
温暖化が進む世界における周囲温度と睡眠に関する調査を収集した結果、屋外または屋内の周囲温度の上昇が、世界中で睡眠の質と量に負の相関関係にあることが示されています。[※2]
気温の上昇が睡眠の質と量に悪影響を及ぼすことがわかっていますが、対処法は未だこれ!といったものがわかっていません。気候変動によって引き起こされる気温の上昇は、睡眠、健康、パフォーマンス、幸福度に脅威になるかもしれません。
暑熱順化(しょねつじゅんか)のメリットは?
暑熱順化とは暑さに慣れること。暑さへに体が慣れることで、暑さに対する耐性を高め、脱水のリスクを減らし、高温下で適応しやすくなります。暑さに慣れた後、発汗率は 0 ~ 20% 増加すると考えられます。
汗と一緒にナトリウムの損失も増えると思われがちですが、汗の中のナトリウム濃度が下がります。汗のナトリウム濃度が約 30~50% 低下し、汗を多くかいても、失われるナトリウムは少なくなり、体内の水分と電解質のバランスを保持します。そのため、熱中症や頭痛などのリスクは減少します。
また、暑い環境でのトレーニングを続けることで、心拍数と体幹温度が低下することもでわかっています。
暑熱順化は、発汗の増加、体幹温度の調節の改善、体液バランスの改善など暑さへの適応をもたらします。
水分補給と塩分補給を忘れずに、日頃から暑さに適度に慣れておくことも暑さを乗り切る一つの方法かもしれません。
※1 〜暑すぎる2024年残暑、睡眠の質を上げるには?〜 春より睡眠時間が短くなった人は約半数、平均睡眠時間「7時間未満」は8割超に。 今夏、約7割が「睡眠の質低下」を実感
※2 A systematic review of ambient heat and sleep in a warming climate(温暖化気候における周囲の熱と睡眠に関する体系的なレビュー)