不眠を改善するためのポイントとは?日頃からできる不眠予防
不眠の問題はとても根強く、日常生活や健康に大きな影響を及ぼします。
「眠くなってきたら布団に入ったのでなかなか寝付けない」
「すぐに目が覚めてしまう」
「睡眠時間は取れていると思うけどいつも眠気を感じている」
不眠の原因や改善方法を理解することで、質の良い睡眠を手に入れることができます。本記事では、不眠の原因や改善するためのポイント、そして日頃からできる工夫について詳しく解説します。
主な不眠の原因とは
不眠の原因はさまざまで、人によって異なります。一つのことが原因になるというよりも、いくつかの原因が複合的に絡んでいることも改善を難しくしている理由にあげられます。不眠になる主な原因をいくつか挙げていきます。
1. ストレスや心理的要因
仕事や人間関係、日常生活でのストレスが蓄積すると、心が落ち着かず寝つきにくくなることがあります。
いわゆる自律神経の乱れです。
副交感神経優位になれば気持ちが落ち着いて眠りにもつきやすくなりますが、反対に気持ちが興奮状態になると交感神経優位になってしまいなかなか心が落ち着かなくなります。
また、うつ病や不安障害などの精神的な問題が不眠に繋がる場合もあります。
2. 生活習慣の乱れ
不規則な就寝時間や夜更かし、昼寝のしすぎ、休日の寝溜めなどは、体内時計が乱れやすくなり睡眠のリズムに悪影響を与えやすいです。
特に、平日の睡眠不足を補おうと休日に寝溜めするパターン。
睡眠はためておくことができず、体への負担も大きくなってしまいます。寝るほどに疲れがたまって、休日明けのパフォーマンスが低下する原因にもなりがちです。
3. 環境要因
部屋の騒音、温度、湿度、光の強さなどが睡眠環境を悪化させ、不眠を引き起こすこともあります。
出張先のホテルでベッドや枕が合わなくて眠りの質が低下したり、寒さによってなかなか寝つけなかったり…。
また、寝る直前のスマートフォンやパソコンの使用によるブルーライトの影響で脳が覚醒して、睡眠のリズムが崩れてしまうことも考えられます。
4. 身体的要因
痛み、かゆみ、慢性疾患(例:喘息、糖尿病)などの身体的な問題や、加齢による睡眠パターンの変化も不眠の原因になります。
5. カフェインやアルコールの影響
コーヒーやエナジードリンクに含まれるカフェインには脳を刺激して覚醒させる作用があります。
眠くなった時やだるい時にコーヒーを飲んでスッキリするのはこの覚醒作用のおかげです。
コーヒーやエナジードリンクだけでなく、紅茶や緑茶、ウーロン茶にも含まれているので注意しましょう。特に玉露はカフェイン含有量高めなので、冬の寒い時期は飲み過ぎに要注意です。
アルコールの摂取も睡眠に悪影響を与えるものの一つ。寝酒じゃないですけど、寝る前にお酒を飲むことでスーッと寝られるから悪影響を与えるとは信じられない、という方もいるかもしれません。
確かにアルコールは睡眠の導入に効果があるのですが、睡眠が浅くなるので質としてはあまり良くありません。また、アルコールは耐性もつきやすいので徐々に量が増えてしまうということも懸念点としてあげられます。
不眠を改善するためのポイント
不眠を改善するためには、以下のポイントを意識することを心がけてみてください。
1. 睡眠習慣の見直し
就寝・起床時間を一定に保つ
できるだけ毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きることで、体内時計を整えます。そのためには寝る前の食事の時間を考えておくことも大切。食べ物を消化するためには2~3時間かかるため、できるだけ就寝の2~3時間前に食事を終えるようにしましょう。
日中の活動量を増やす
適度な運動を行うことで、心地よい疲労感を得られ、夜の寝つきが良くなります。体だけでなく脳のリラックス効果も得られるため、副交感神経優位になってリラックスしやすくなります。
2. リラックスする習慣を持つ
入浴で体温を調整する
寝る90分前に38~40℃のぬるめのお湯に浸かると、体のコリがほぐれると同時に、気持ちもリラックスできて眠りにつきやすくなります。
熱すぎたり、寝る直前に入ると逆に覚醒してしまうこともあるので気をつけましょう。
リラックスできるルーチンを作る
寝る前にストレッチや深呼吸、瞑想を行う、優しい音楽を聞くことで、心を落ち着かせることができます。
3. 睡眠環境の整備
暗く静かな環境を作る
遮光カーテンや耳栓を利用し、光や音を遮断しましょう。逆に真っ暗や静寂が苦手という方はどれくらいが自分に合っているか探してみるようにしましょう。
快適な寝具やパジャマをえらぶ
自分の身体に合った枕やマットレスはいい睡眠に不可欠ですが、難しいポイントでもあります。仰向けが寝やすいのか、横向きが寝やすいのか。どんな素材のパジャマが快適なのか。枕やマットレスはなかなか試すのも難しいので、実際に使っている人に相談してみるのもいいでしょう。
4. 生活の改善
寝る前のスマホをやめる
ブルーライトを見ないようにするために、睡眠の1~2時間前にはパソコンやスマホを閉じておきましょう。できればテレビも控えておきたいところ。読書やラジオ、などがおすすめです。
カフェインやアルコールの摂取を控える
夕方以降のカフェイン摂取は少なめにし、寝酒をしている方は控えるようにチャレンジしてみてください。寝酒の代わりにリラックスできること(例えば、ストレッチや音楽など)が見つかるとお酒に頼らなくても睡眠に入りやすくなります。
5. メンタルケア
ストレスを感じたときは、その原因を整理し、自分なりの対処法を見つけることが大切です。一人では解決できないこともたくさんありますし、分かってはいてもなかなか改善できないこともあるでしょう。
必要に応じてカウンセリングや医療機関、専門家のサポートを受けることも大切になってきます。
不眠予防に日頃からできる取り組み
不眠予防には、日常生活に小さな工夫を取り入れることが大切です。
1. 日光を浴びる
朝起きたらカーテンを開けて太陽光を浴びることで、体内時計がリセットされ一日のリズムができてきます。
2. 適度な運動
ウォーキングや軽いヨガなどの有酸素運動を行うことで、心身の健康が向上し、夜の睡眠が深くなります。ただし、寝る直前の激しい運動は逆効果なので注意しましょう。
3. 睡眠日記をつける
毎日の睡眠時間や眠りの質、日中の活動を記録することで、自分の睡眠パターンを把握しやすくなります。朝、起きた後に心拍数や体温を測る習慣もつけておくと、自分が疲れているのか、リラックスできているのかの判断基準にもなってきます。
4. 規則正しい食生活
栄養バランスの取れた食事を心がけることで、ホルモンバランスが整い、良い睡眠につながります。食べ過ぎるとどうしても消化にエネルギーを使ってしまうため、栄養バランスとともに食事の量やタイミングにも気をつけます。
5. 心地よいルーチンを作る
就寝前の「いつもの行動」を固定化すると、脳が「眠る時間だ」と認識しやすくなります。例えば、歯磨き→ストレッチ→瞑想のように順序立てて行うと効果的です。
不眠は生活習慣や環境を見直すことで改善できることが多いです。睡眠に必要な条件を整え、リラックスする習慣を身につけることで、自然な眠りを得られるでしょう。
もし日常の工夫だけでは改善が見られない場合、専門医や睡眠外来で相談することをお勧めします。