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もち麦と押し麦の違いは?大麦の栄養と効能

食・料理
YOKARE編集部
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もち麦と押し麦の違いは?大麦の栄養と効能

ダイエットや健康に良いと期待され、もち麦や押し麦などの穀物を食生活に摂り入れることが流行しています。もち麦や押し麦が健康に良さそうとは思っていても、どうやって摂り入れると良いのかわからない、実際どのような効果があるのかよく知らないという人も多いはず。そもそも、もち麦と押し麦の違いがわからないという人も多いでしょう。

ここでは、大麦ともち麦と押し麦の違いや大麦の効能について説明していきたいと思います。

もち麦と押し麦の違いは?

右の写真と左の写真、どちらがもち麦でしょうか?

正解は、左がもち麦で、右が押し麦です。右の押し麦は、押しつぶされていることが写真からもわかります。

よく聞くもち麦や押し麦ですが、その違いは何でしょうか?

実はどちらも大麦の一種なのです。

大麦とは世界最古の穀物の一つ!
大麦とは、小麦、ライ麦、はと麦などと同じく、麦の一種になります。大麦は世界最古の穀物の一つで、約一万年も前から栽培されていました。大麦は、現在のイラク周辺で栽培されはじめたと言われています。 日本へは弥生時代の初期に、中国から九州へ伝わり、奈良時代には日本の各地で栽培されるようになったとされています。徳川家康が好んで麦ごはんを食していたというのも有名な話として残っています。

大麦と小麦の違いとは

もち麦も押し麦も大麦であると説明しましたが、大麦と小麦も混同しやすい原材料です。

  • ビールや麦茶、麦ご飯に使われるのは、大麦
  • パンや麺に使われるのは、小麦

大麦は食物繊維が豊富なイネ科オオムギ属の植物で、イネ科コムギ属の小麦とは違い、グルテンが含まれていません。大麦はグルテンが含まれていないのでパンやうどんなどを作るのには向いていません。大麦に含まれるたんぱく質は「ホルデイン」。粘り気はないですが、大麦は小麦に比べ吸水性があります。

小麦のたんぱく質は「グルテン」です。粘り気があり、パンをふんわりと膨らませ、麺にはコシを出します。

もち麦と押し麦の特徴

お米と同様に麦も“性質”で「うるち」と「もち」に分類されます。大麦はもち性うるち性とに分けることができます。 もち米のように、粘性が高くもちもちした食感のものが「もち麦」です。つまり、もち麦はもち性の大麦に分類され、押し麦はうるち性の大麦に分類されます。

もち麦はもち性の大麦

もち性の大麦の外皮を、少しだけ残した状態で精麦したものがもち麦です。

もちもち食感の正体はでんぷん(グルコース)の構造の違いによるもので、「もち麦」はアミロペクチンのみで構成されており、この違いで、炊いたときの粘りが生まれます。

大麦に含まれるでんぷんは、その構造によりアミロースとアミロペクチンに分けることができ、もち麦はアミロペクチンが多く含まれています。アミロペクチンは粘りの元となり、アミロペクチンで構成されているもち麦は、もちもちとした食感が特徴です。もち麦100gあたりのカロリーは約340kcal、水溶性の食物繊維は9g含まれています。

  • 押し麦100gあたりカロリーは約340g
  • 水溶性食物繊維は9g含まれている

押し麦はうるち性の大麦

押し麦とは、うるち性の大麦である丸麦の外皮や糠を削り取り、圧ぺんロールと呼ばれる機械で平らに押しつぶし、加工した物を言います。

押し麦は「うるち麦」に分類され、粘りの少ないプチッとした食感。「うるち麦」はアミロースとアミロペクチンの2種から構成されています。そのため、もち麦ほどの粘りはなく、あっさりとした食感です。押し麦100gあたりのカロリーは約334g、水溶性食物繊維は6g含まれています。

  • 押し麦100gあたりカロリーは約334g
  • 水溶性食物繊維は6g含まれている

うるち麦をもち麦を比べてみると、「食物繊維(水溶性食物繊維)」は、もち性の大麦のほうが1.5倍と多く含まれています。

もち麦や押し麦を食べるメリット

もち麦や押し麦がダイエットや健康に良いと言われている理由は、白米と比べるとよくわかります。押し麦の100gあたりのカロリーはおおよそ340Kcalで、白米は356.1Kcalと言われています。白米の方がカロリーは若干高いくらいに違いです。

しかし、含まれている成分が違い、健康への効能も変わってきます。

  • 白米の食物繊維が約17倍
  • カルシウムは約3倍
  • カリウムは約2倍

白米に比べて食物繊維は約17倍、カルシウムは約3倍、カリウムは約2倍含まれています。また、白米のGI値は75で高GIですが、食物繊維を多く含む「大麦」は低GI食品です。GI値が低い食品は血糖値の上昇を穏やかにするため、糖質の吸収も抑えられると期待されています。

ビタミンB1、ミネラルが豊富

もち麦や押し麦などの大麦には、ビタミンB1やミネラルが豊富に含まれています。白米ばかりを食べていた江戸時代には、ビタミンB1が欠乏し脚気が大流行しましたが、これを救ったのが麦ごはんです。麦ごはんを食べるようになって脚気の大流行はおさまったのです。 

食物繊維が豊富

また、食物繊維が非常に豊富で、白米と比べると押し麦は16倍、もち麦は22倍もの食物繊維が含まれています。特にもち麦は、大麦β-グルカンという水溶性食物繊維が非常に豊富で、「セカンドミール効果」があると研究により報告されています。 セカンドミール効果とは、一日の中で最初にとる食事(ファーストミール)が、次にとる食事(セカンドミール)の後の血糖値に影響を及ぼすということです。最初の食事とは主に朝食を指しますが、朝食でもち麦を食べると、糖質の吸収を抑えるだけでなく、次の食事である昼食をとった後の血糖値の上昇も緩やかにしてくれるのです。 食後の血糖値が高いと、糖尿病などの生活習慣病のリスクが高くなります。セカンドミール効果を意識した食事は、食後の血糖値の上昇を抑え、健康維持にも役立つのです。

 

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