健康をサポートするスーパーフード「アマニ」
アマニ(亜麻仁)を原料とした油は、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品として高い人気を誇ります。アマニは貴重な栄養成分を豊富に含みます。スーパーフードとして知られるアマニの魅力に迫ります。
アマニとは?
アマニは亜麻の花の種子を指します。亜麻は亜麻科の1年草で、原産地はカフカス地方から中東にかけて。
日本では江戸時代から栽培が始まり、明治以降には、栽培に適した気候の北海道で本格的に生産されるようになりました。
亜麻の茎は、衣類などの原料として用いられます。種子からは、食用油(アマニ油)が搾られます。種子は楕円形で、およそ5mmの大きさ。色は明るめの茶色です。
体内でDHAやEPAに変換されるα-リノレン酸
種子のアマニには、健康に役立つ成分が豊富に含まれています。健康オイルとしてアマニ油は高い人気を誇ります。アマニ油は熱に弱く、炒め物や煮物といった加熱する料理には不向きです。このため、サラダにそのままかけたり、飲料に混ぜたりして摂取するのが一般的です。
アマニの代表的な成分に、α-リノレン酸があります。α-リノレン酸は多価不飽和脂肪酸の1種で、オメガ3系脂肪酸とも呼ばれます。α-リノレン酸は、私たちの体の中でつくることができない必須脂肪酸の1つです。
DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)という成分をご存じでしょうか?青魚などに含まれる健康に役立つ成分として知られています。健康食品市場で注目されるDHA・EPAですが、α-リノレン酸を摂取すると、体内で代謝されて、DHAやEPAに変換されるのです。
文部科学省の食品成分データベースによると、アマニ油100gあたりに、オメガ3系多価不飽和脂肪酸が56.63g、オメガ6系多価不飽和脂肪酸が14.5g含まれています。
アマニリグナン、食物繊維、たんぱく質も豊富
アマニリグナンという成分を多く含むことも、アマニの特長です。アマニリグナンはポリフェノールの1種で、大豆イソフラボンと同様の働きがあります。アマニリグナンは、アマニ100gあたりに1g未満しか含まれていない貴重な成分です。
また、アマニは食物繊維やたんぱく質も多く含むことから、スーパーフードとして知られています。
血圧、LDLコレステロールなどに関する学術研究
アマニ油の機能性に関する研究は、食品業界を中心に多くの企業や研究機関で進められています。
これまでに実施された研究によって、アマニ油に含まれるα-リノレン酸には、血圧がやや高めの方に適していることや、血中の総コレステロール値とLDL(悪玉)コレステロール値を低下させる働きがあることがわかってきました。これらの研究成果は、トクホや機能性表示食品の表示の根拠として活用されています。
さらに、マウスを使った動物実験によって、アマニ油のアレルギー性皮膚炎への効果が示唆されたという成果も報告されています。これは、国立研究開発法人医薬基盤・健康栄養研究所ワクチン・アジュバント研究センターの研究員らを中心とするグループが実施したもの。動物実験のレベルのため、今後はヒト試験による効果の確認が期待されています。
健康な毎日をサポートしてくれるアマニ
「油は健康の敵」と考えている方もいると思われますが、食用油の中には、アマニ油のように健康の維持・増進に役立つものもあります。アマニはα-リノレン酸をはじめ、食物繊維やたんぱく質なども豊富に含み、健康を気遣う方にとってはぜひ摂取したい食材の1つ。
アマニ油や、アマニを使用した健康食品などの活用は、あなたの健康をサポートしてくれるでしょう。