ランナーにオススメの最近注目されている栄養補給とは
ランニングにおいて、栄養補給はパフォーマンスの維持や向上に欠かせない重要な要素です。長時間にわたる有酸素運動は、体内のエネルギーを大量に消費し、適切な栄養補給を行わないと筋肉疲労やエネルギー不足によりペースが落ちたり、ゴールまで走り切れなくなる可能性があります。特にフルマラソンやウルトラマラソンのような長距離レースでは、効率的な栄養補給が完走の鍵となります。
栄養補給の必要性
ランニングの際にエネルギー源として最も利用されるのは「グリコーゲン」と呼ばれる糖質です。グリコーゲンは、筋肉や肝臓に貯蔵され、運動中にエネルギーとして使われますが、貯蔵量には限りがあり、90分~120分程度の運動で枯渇すると言われています。グリコーゲンが不足すると、いわゆる「ガス欠」状態になり、エネルギーが足りなくなって疲労感が増し、ペースを維持するのが難しくなります。
そのため、運動中の適切なタイミングでエネルギーを補給することが大切になってきます。特に、エネルギーの補給は即効性のあるものが求められ、体内に素早く吸収される糖質や電解質、アミノ酸が含まれている補給食が重要となります。ただし、運動中に固形物を口にするのは難しく、消化の面でも体に負担がかかるためゼリー類やドリンクで栄養補給をすることが一般的でした。
これまでの栄養補給は、エナジージェルやスポーツドリンク
これまでは、エナジージェルやスポーツドリンクがランナーの間で広く使用されてきました。エナジージェルは、速やかに吸収される糖質や電解質が高濃度で含まれており、コンパクトなサイズで持ち運びにも便利です。また、スポーツドリンクは水分補給と共に、糖質や塩分、カリウムなどの電解質を同時に補うことができるため、特に暑い環境でのランニングに適しています。
これらの従来の補給食は、その利便性と吸収速度から非常に人気があり、今でも広く使用されていますが、一部のランナーは味の単調さや、胃腸への負担を感じることがあります。また、化学的な風味や合成成分に敏感な人にとっては、自然素材を使った新しい選択肢が求められるようになりました。
新しい栄養補給のトレンドとして、スポーツ羊羹や飲むあんこ、お餅など
近年、従来のエナジージェルやスポーツドリンクに代わる新しい栄養補給食として、スポーツ羊羹や飲むあんこ、くるみ餅などが注目を集めています。これらの食品は自然素材を使用しており、ランナーにとって新たな選択肢の一つとなっています。
スポーツ羊羹
スポーツ羊羹は、従来の羊羹をアスリート向けに改良したもので、小豆を主原料としています。小豆には、糖質が豊富に含まれており、持久力を必要とする運動中にエネルギーとして利用されやすいことが特長です。口当たりが軽く、固形食でありながら口の中で溶けやすいため、長時間の運動でも食べやすいことが支持されています。
糖分を摂取することで血糖値が急上昇し、体に重さを感じたり眠気が生じることもあります。ところが、小豆の食物繊維のおかげで糖の吸収が緩やかになって一定の調子を保ちやすいという利点もあります。
さらに、スポーツ羊羹は通常の羊羹と比べて持ち運びやすいサイズにパッケージングされており、ポケットに入れて手軽に取り出せる点もランナーに好まれています。従来のエナジージェルのような人工的な味や香りが苦手な人や添加物が気になる人にとって、自然な甘さと小豆の風味は大きな魅力です。
井村屋のスポーツようかん シリーズはカカオ味とあずき味。スポーツ中・アウトドア時でも食べやすい、あずきの風味豊かな甘さ控えめのようかん。
和菓子屋 福壽堂秀信が発売されているスポーツ羊羹「ANDO_」は、無塩と有塩の2タイプ。無塩は勉強中や仕事中に、有塩はスポーツ競技中や炎天下での作業中におすすめされています。
飲むあんこ
「飲むあんこ」は、スポーツ羊羹の液体版ともいえる商品です。これもまた小豆を主成分とし、あんこの栄養を液体状で摂取できるようにしたもので、特に日本の伝統的な和菓子の風味を好むランナーに支持されています。液体であるため、さらに消化が早く、長距離ランニング中の即時エネルギー補給として適しています。小豆にはビタミンB群やカリウムが豊富に含まれており、エネルギー代謝のサポートや筋肉の痙攣防止にも効果が期待できます。
theANkoは市販のスポーツドリンクよりも長時間血糖値を維持できることが至学館大学の髙橋淳一郎教授による調査で判明しました。
エネモチ
もう一つ注目されているのが、日本で昔から食べられてきた「お餅」です。特にエネモチと呼ばれる商品がランナーの間で人気を集めています。エネモチは、餅という日本の伝統的な食材をエネルギー源として活用したもので、もち米の持つ高い炭水化物量が長時間のエネルギー供給を可能にしています。
さらに蜂蜜に含まれるパラチノース®︎と呼ばれる糖質をプラスすることでゆるやかなエネルギー補給も実現できました。
味はくるみ餅、塩餅、甘酒餅という3つの味で展開されています。くるみが含まれていることで、オメガ3脂肪酸やミネラルも同時に摂取でき、エネルギーだけでなく、健康面でもサポートが得られます。
マグロやカツオを使った補給食
さらにユニークな栄養補給食として、マグロやカツオを使った補給食品も登場しています。主にたんぱく質補給を目的としており、筋肉の回復や維持に役立ちます。特にウルトラマラソンのような長時間の運動では、たんぱく質の補給が筋肉の分解を防ぎ、持久力を保つために必要です。
どちらかというと運動中というよりも運動後の速やかなタンパク質補給や日常のおやつのイメージでお使いください。日本の食文化に根ざしたこれらの食品は、和食の持つ健康的なイメージとも相まって、国内外のアスリートからも注目を集めています。
高知県産の宗田鰹を使用したプロテインやタンパク質食品。しょうゆ味と塩レモン味の2フレーバーがあります。
「オレは摂取す エネルギー」ピーチ味と「オレは摂取す リカバリー」ゆず味の2タイプがあります。
酒井俊幸監督率いる東洋大学陸上競技部長距離部門はじめ、日本を代表する陸上中長距離界のトップアスリートでもある相澤晃選手(旭化成)、伊藤達彦選手(HONDA)、楠康成選手(阿見AC SHARKS)、競歩 川野将虎選手(旭化成)など、陸上界を中心に数多くのトップアスリートが愛飲しています。
なぜこれらの新素材が優れているのか
これら新しい栄養補給食品がランナーに支持される理由は、自然素材の使用や、日本人の味覚に合った風味、そして消化吸収の速さといった要素が挙げられます。従来のエナジージェルやスポーツドリンクは、化学的な成分が含まれることが多く、敏感な消化器系を持つ人にとっては不快感を感じる場合がありましたが、スポーツ羊羹や飲むあんこ、エネモチといった自然素材を基にした補給食は、体に優しく、より親しみやすい選択肢となっています。
甘すぎない自然な甘さや、伝統的な和菓子の風味を楽しめることも魅力です。ランナーにとっては、長時間の運動中に何度も摂取することが必要なため、飽きのこない風味が非常に重要です。
自然素材を使用した新しい選択肢がランナーにとって非常に魅力的な代替手段に
ランニングにおける栄養補給は、パフォーマンスを維持し、レースや練習を成功させるために欠かせない要素です。従来のエナジージェルやスポーツドリンクは確かに有効ですが、最近注目されているスポーツ羊羹や飲むあんこ、エネモチ、そしてマグロやカツオを使った補給食など、自然素材を使用した新しい選択肢がランナーにとって非常に魅力的な代替手段となっています。これらの製品は、消化に優れ、自然な風味が楽しめるだけでなく、体に負担をかけずに効率的なエネルギー補給が可能であり、今後ますます注目されることでしょう。