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加工食品のアレルギー表示をご存じですか?「くるみ」も表示義務品目に

食育
YOKARE編集部
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加工食品のアレルギー表示をご存じですか?「くるみ」も表示義務品目に

食品のアレルギー表示をご存じでしょうか?食物アレルギーを持つ方の場合、アレルギーの原因となる食品を口にすると、肌がかゆくなったり、呼吸が苦しくなったりすることがあります。重篤な患者さんの場合、死に至ることも。食物アレルギーの患者さんが安心して加工食品を選べることを目的に、消費者庁が運用しているアレルギー表示制度について解説します。

表示義務は7品目、表示推奨は21品目

アレルギー表示制度では、症例数が多く、重篤な症状が多い原材料を特定し、商品に含まれていることをパッケージ上で表示するように義務づけています(表示義務品目)。また、一定程度の症例数が報告されている原材料については、できる限り表示するように推奨しています(表示推奨品目)。

2022年11月現在の表示義務品目は以下の7品目です。

  • 表示義務品目
    えび/かに/小麦/そば/卵/乳/落花生(ピーナッツ)

表示推奨品目には以下の21品目があります。

  • 表示推奨品目
    アーモンド/あわび/いか/いくら/オレンジ/カシューナッツ/キウイフルーツ/牛肉/くるみ/ごま/さけ/さば/大豆/鶏肉/バナナ/豚肉/まつたけ/もも/やまいも/りんご/ゼラチン

「くるみ」を表示義務品目に昇格

消費者庁は2022年10月13日、アレルギー表示制度の表示義務品目に、「くるみ」を追加する方針を発表しました。現在、「くるみ」は表示推奨品目に位置づけられていますが、表示義務品目に昇格させる考えです。

表示義務品目に「くるみ」を追加するのは、2021年度に実施した調査の結果、「くるみ」が原因の即時型症例が463件、ショック症状が58件に上り、どちらも卵・牛乳・小麦に次いで多かったためです。症例数が増加している背景に、健康ブームでくるみの消費量が拡大したことがあると言われています。

制度で認められている表記方法を知ろう

アレルギー表示の方法には、「個別表示」と「一括表記」の2種類があります。原則として、個別表示で行いますが、個別表示がなじまない場合は一括表示することも可能です。

  • 個別表示
    アレルギー表示は原則として、アレルギーの原因となる原材料のすぐ後に記載します(個別表示)。例えば、「チョコレート(乳成分を含む)」、「マヨネーズ(卵を含む)」、「ソーセージ(卵・豚肉を含む)」など。
  • 一括表示
    商品パッケージの表示面積が小さい場合は、アレルギーの原因となる原材料をまとめて記載することも可能(一括表示)。例えば、「チョコレートケーキ」の場合、原材料名欄の最後に「(一部に大豆・乳成分・小麦・牛肉・卵を含む)」と記載します。

代替表記と拡大表記

個別表示を行う際に、代替表記または拡大表記を表示する場合は、特定原材料等を含む旨の表示を省 略することができます。

「代替表記」とは、アレルギーの原因となる原材料と同等のものであると理解できる表記方法。例えば、「乳」の代わりに「ミルク」、「卵」の代わりに「エッグ」「玉子」などと表示できます。

「拡大表記」は、「ピーナッツクリーム」や「えび天ぷら」というように、原材料に「落花生(ピーナッツ)」や「えび」が使用されていることが理解できる表記方法です。

注意喚起表示もしっかりと読もう!

商品パッケージのアレルギー表示を注意深く読むと、商品によっては「同じ製造ラインで〇〇(アレルギーの原因となる原材料)を含む製品を生産しています」と記載されていることがあります。これって、どのような意味なのでしょうか。

例えば菓子の製造工場では、1つの製造ラインで、原材料に「乳成分」を含むチョコレートを使用した商品を製造したり、「小麦」や「大豆」を使用した商品を製造したりすることがあります。1つの商品の製造後に、製造ラインを洗浄しますが、どこかにわずかながら「乳成分」や「小麦」「大豆」が残っている可能性もあります。患者さんによってはごく微量の混入でも症状が出るケースがありますので、このように注意喚起表示を行っているのです。

外食メニューや量り売りは対象外

アレルギー表示制度は加工食品が対象です。外食メニューやスーパーの量り売り商品などは対象外となります。

食物アレルギーは年齢に関係なく、いつ症状が表れても不思議ではありません。私たちの命を守る表示制度ですので、十分に理解しておきましょう。
 

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