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サステナブルな食生活とは何か?日常で取り組める8つのこと

食育
YOKARE編集部
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サステナブルな食生活とは何か?日常で取り組める8つのこと

サステナビリティは社会的に重要なテーマとなり、持続可能な行動やビジネスモデルの採用が広まっています。

その背景には、SDGs(持続可能な開発目標)やパリ協定などの国際的な合意や政府政策があります。SDGsは、国際連合(UN)が提唱した、世界の持続可能な発展を促進するための17の具体的な目標の枠組みです。パリ協定は、2015年の国際連合気候変動枠組み条約(UNFCCC)の下で採択された国際的な合意です。この合意の主要な目的は、地球温暖化を2°C以下に抑え、可能な限り1.5°C未満に抑制することで、気候変動の深刻な影響を軽減することです。

そんな中、食の持続可能性(サステナビリティ)に対する国内外の関心が高まっています。サステナブルな食とは具体的にはどのようなことなのでしょうか。

サステナブルな食とは何か?

サステナブルな食生活と言われても、具体的には思い浮かべることは難しいのではないでしょうか。
サステナブルな食生活として、私たちが日常で取り組めることを考えてみましょう。

1.食の地産地消・旬産旬消

地産地消とは、地元で生産された食材を地元で消費することです。旬産旬消とは、旬の食材を旬な時期に消費することです。

地産地消・旬産旬消は、「フード・マイレージ」の減少に大きくつながるといいます。フードマイレージとは、「食料の輸送量(t)」と「輸送距離(km)」をかけあわせた指標のことです。フードマイレージの高い食料は、食卓に届くまで石油などのたくさんのエネルギーが使われていて、多くのCO2(二酸化炭素)などが排出されていることになります。

日本の人口1人当たりの輸入食料のフード・マイレージは6,770t・km(2010年)で、諸外国と比較してダントツに高い数字になっています。

国名 人口1人当たりの輸入食料のフード・マイレージ
日本 7,093t・km(2001年)6,770t・km(2010年)
米国 1,051t・km(2001年)
英国 3,195t・km(2001年)
フランス 1,738t・km(2001年)
ドイツ 2,090t・km(2001年)

出典:令和2年度版環境白書

日本の食料自給率はカロリーベースで38%(2019年度)ですが、2030年度までに、カロリーベース総合食料自給率を45%、生産額ベース総合食料自給率を75%に高める目標を掲げています。

旬の食材は美味しく、栄養価も高く、値段が安いことがわかっています。食材から季節や地域の気候風土を感じることができ、家族や友達と一緒に食べる楽しさを感じることができます。

2.シカ肉やイノシシ肉などのジビエ

ジビエ(gibier)という言葉はフランス語で、食材となる野生鳥獣肉のことを指します。
近年、日本ではシカやイノシシが増えすぎてしまい、農地や森林が荒らされてしまったり、人との軋轢が大きくなったりしていて、農林業や生活環境に深刻な被害が及ぼされています。
そのため、野生鳥獣による被害防止対策として、シカやイノシシを捕獲し、埋設・焼却しています。シカ肉やイノシシ肉などのジビエの消費拡大は、命を無駄にすることなく、サステナブルな循環型の創出にもつながっていくことが期待されています。

シカ肉やイノシシ肉などのジビエ

3.食の自産自消

自産自消とは、「自分で生産した食材を自分で消費する」という意味です。市民農園や家庭菜園などでの農業体験(自産自消)は、地産地消・旬産旬消の一つの形として、環境負荷を減らすことにつながる可能性があります。

4.食品ロス

食品ロスの量は年間600万トンにのぼり、およそ半分の276万トンが家庭から出されています[※1] 。日本の子どもの7人に1人が貧困のため食事に困っていて、世界に目を向ければ6.9億人もの人が飢えや栄養不足で苦しんでいます。

食ロス

食ロスを減らすために、必要な食材を必要なだけ買い、使い切ることです。食品ロスを削減することは、ゴミの削減と温室効果ガスの削減につながります。

5.菜食

野菜や果物などは相対的にカーボンフットプリントが低いと試算されています。(カーボンフットプリントとは商品・サービスのライフサイクルの各過程で排出された温室効果ガスをCO2量に換算して表したもの。)

また、「健康日本21(第2次)」では、健康な生活を維持するための目標値に「野菜類を1日350g以上」と掲げられていますが、日本の野菜類平均摂取量は男性約290g、女性約270gと目標に達していません。日本の野菜類平均摂取量の改善は、健康で過ごせる健康寿命を伸ばすことにつながる可能性があります。バランスの良い食事を心がけてみるとよいでしょう。

6.有機(オーガニック)食品

有機栽培や農薬節減栽培を実践する水田では、生物多様性保全効果が高いということは多くの研究によって明らかになりつつあります[※2]。
自然の力で育てたオーガニック食品は、基本的に化学肥料や農薬を使用しない化学物質が健康に与えるリスクを回避することが可能です。

7.カーボンニュートラル

カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量が全体としてゼロになっている状態を意味します。

国際的な非営利団体MSC(海洋管理協議会)が発行するMSC認証は、水産資源や海洋環境に配慮し適切に管理された、持続可能な漁業に対する認証制度です。

魚を使った商品についてのMSC(海洋管理協議会認証を取得し、パッケージに「海のエコラベル」が表示されることになりました。

8.サーキュラーエコノミー

サーキュラーエコノミーとは、循環型の経済システムをさします。従来の3Rの取り組みに加えて、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービスとして付加価値を生み出すような経済活動のことです。
「食ロスの削減」と「食ロスの再資源化」という 2 つのアプローチが考えられます。

昆虫食

例えば、昆虫食は可食部が 100%。牛や豚、鶏などの可食部約 40%と比較すると、無駄なく食べることができる食品です。

参考資料

※1 農林水産省「食品ロス及びリサイクルをめぐる情勢 令和3年版」

※2 (研究成果) 有機・農薬節減栽培と生物多様性の関係を解明

※サステナブルで健康な食生活の提案|環境省

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