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農業がやってみたい…サラリーマンとして働きながらも区民農園で農業をスタート。

食育
K.M
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農業がやってみたい…サラリーマンとして働きながらも区民農園で農業をスタート。

時々テレビなどで脱サラして農業を始めた方というような特集が放送されていたりしますが、脱サラまでしなくても農作物を作ってみたいという方(というか職業としての農業に関わっていない方)は意外と多いのではないかと感じています。こちらでは、実際にサラリーマンとして働きながらも野菜・米作りをしてきた私の経験を踏まえて、都会で暮らしながらの作物づくりに関するあれこれについて綴っていきます。

作物づくりのきっかけと到来したチャンス

私は元々江東区に在住しており、江東区に引っ越してからしばらくは会社と家を往復するだけの毎日でした。とはいえ、元来私の父の実家はかなり大きな米農家であり、お盆には必ず遊びに行っていたことなどから新鮮な米・野菜に対しての憧れというのは人一倍持っていたのかもしれません。実際、上京してきてからも実家から野菜やら米やらが送られてくるということはしばしばでした。

子供が生まれてしばらくしてから、毎朝少しだけ早起きをして、出勤前にランニングをするようになりました。そうして朝走っていると、区内にある都営住宅の1階の花壇や1階住居の方の専用庭などに、野菜が植えられている場所が多いことに気がつきました。こうやって都会暮らしをしながらでもスペースがあれば野菜を作れるんだと思い、羨ましいなと思っていたところでした。

ある日、たまたま江東区の区報(区民であれば月1回程度のベースで自宅に必ず配送されてくる)を何の気なしに眺めていたところ、「区民農園の貸し出しに関する抽選」の記事が目に入ってきました。自分のマンションから自転車で行ける圏内に10平方メートルの土地を1年間借りられて10,000円だったことから、早速応募をしてみたところ、1ヶ月後に抽選に当選したという連絡が来たので、早速野菜作りにチャレンジしてみることにしました。

区民農園で作りやすい野菜。ナス、きゅうり…

10平方メートルというのは3.3m×3.3mとなり、いわゆる畝としては3列から4列程度設けることが可能です。この畝にいろいろな野菜を試行錯誤的に栽培してみましたが、ある程度簡単に作れる野菜と、意外に難しい野菜というのが当然ありました。簡単に作れる野菜は、「害虫の影響を受けにくい・天候の影響を受けにくい・限られたスペースで作ることができる」というものになります。

ナス

花が咲いた場合その花は確実に身になり、収穫適期をすぎてしまってもなかなか収穫に行けない場合などがあっても、味が一定に保たれる。おそらく一番簡単。

きゅうり

こちらもほぼ確実に収穫ができるようになる野菜ですが、収穫適期がすぎるとすぐに巨大化してしまい味が落ちてしまうので、収穫時期は毎朝農園に行く必要があります。

ピーマン・ししとう・唐辛子

虫がつきにくく、一房から大量に収穫できるため、夏がとても楽しみになる野菜です。

区民農園で作りやすい野菜。ナス、きゅうり,

区民農園で作るのが意外に難しい野菜。トマト、キャベツ…

逆に素人には美味しく作ることが難しい野菜というものがあります。

トマト

基本的に乾燥した土壌を好むため、高温多湿な環境では味が濃厚・甘くなってくれない…。実際に以前トマト農家を見学したことがあったのですが、ハウス栽培でその中はとても乾燥した環境になっていました。

キャベツや白菜などの葉物

ちょっと葉が実り始めてくるとあっという間に昆虫たちの餌食になってしまいます…。防虫用の白い細かい網目のネットをかけるとなると、当然に資材コストがかかります。(このネットをかけても大量に虫がやってきます。)こまめに農園に行き、虫を駆除することが必要で、大きく育てるためには手間も暇も資材も農薬も必要でした。

区民農園で作るのが意外に難しい野菜。トマト、キャベツ

枝豆

冷涼で日当たりがよく、有機質を多く含んだ保水力のある土壌を好む一方で、例えばチッ素養分が多かったり、夏場に乾燥してしまうと、房の身入り(豆)が悪くなりやすい。また、連作を嫌うため2〜3年前に当該農地で前任者が枝豆を作っていた場合にも身が大きくなりづらい傾向があります。人気があり、簡単に収穫出来そうと思いきや、そんな簡単ではありませんでした。

東京23区で区民農園(畑)がある場所

私が借りていた江東区の区民農園のように、区市町村が貸し出す区民・市民農園は多くの場合地域住民を対象とした貸し農園です。そのため、畑を借りるには住んでいる地域に区市町村が貸し出す市民農園が存在する必要があります。(※区市町村の外在住者でも利用可能な農園も少数あります。)まずは「お住いの地域+市民農園」「お住いの地域+区民農園」などのキーワードで検索し、お住いの地域に貸し農園(畑)があるかを確認してみましょう。 参考までに以下は東京23区で区民農園がある区の一覧となります。 

江東区  10m2 5月~翌年2月 10,000円
品川区  10m2 4月~翌年2月  22,000円   
目黒区  8m2 4月〜翌年2月 5,500円 
大田区  10m2 4月〜翌々年2月  24,000円   
世田谷区 15m2 3月~翌々年1月 22,080円
杉並区 15m2 3月〜3年後の2月  7,000円(1年につき)
板橋区 15m2 3月〜翌年1月 5,500円(期間により変動)
練馬区  15m2 3月~翌々年1月  400円(月)   
足立区  15m2 3月から2年間  6,000円(年) 
葛飾区 15m2 3月~翌々年1月    900円(月)  
江戸川区 15m2 4月〜翌々年2月 14,000円(2年分)

作物づくりが向いてる人は早起きができる人?!

野菜作り・米作りに関して振り返ってみると、当然ですが「向いている人」と「向いていない人」というのがあるかなと思います。私の経験からすると、畑仕事が向いている人はコツコツと毎日決められたことができて、早起きができる人・汚れを気にしない、かつ虫を怖がらない人です。

このような気質の方であれば、土を作り・種を蒔き・水を遣り・花が咲いたあとに「収穫」となった時に、みずみずしい野菜、豊かな香りをもつ果物など、いろいろな苦労がありながらも育ってくれた作物を掌の乗せた時の喜び、そしてそれを味わう時の感慨を存分に満喫できることでしょう。

また、自分は向いていないと思われる方でも興味があれば是非トライしてみて欲しいです。朝日を浴びて汗を流してから会社に行くという経験が、もしかしたらライフスタイルや健康への良い変化を導くことになるかもしれません。

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