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睡眠が与える肌への影響

美容
YOKARE編集部
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睡眠が与える肌への影響

睡眠不足がお肌に悪いことは、みなさんも実感としてお持ちではないでしょうか。
今回は、睡眠と美容の関係について詳しく紹介していきます。質の良い睡眠と美肌を手に入れるための4箇条も最後にご紹介していますので、ご一読ください。

睡眠と肌の関係

睡眠不足がつづくと、肌の調子が悪くなるということは、みなさん経験があるのではないでしょうか。これは、睡眠不足により肌の新陳代謝が悪くなることが原因です。肌の新陳代謝=ターンオーバーと言われますが、このターンオーバーは通常28日周期で行われます。このターンオーバーは加齢により徐々に遅くなりますが、睡眠不足によって周期が乱れてしまいます。ターンオーバーが乱れることで、ニキビや吹き出物、目の下のクマやくすみなどの原因に。

花王の日々の睡眠と肌状態との関連を調べた結果では、睡眠不良群(75名)は睡眠良群(129名)よりも「肌が乾燥する」「顔が疲れて見える」という回答の割合が高いことがわかりました(図1)。

 

さらに、睡眠の要素のなかでも寝つきの良さが肌状態と関係していました。寝付くのに30分以上かかることが週に1回以上ある人を寝つきの悪い群(49名)それ以外を寝つきの良い群(155名)として肌状態を解析したところ、寝つきが悪い群は、寝つきの良い群に比べて、頬の角層水分量が低いこと、頬の角層細胞面積が大きいことが確認されました(図2)。角層細胞面積は大きいほど肌の生まれ変わりが遅くなることを示しており、加齢によって大きくなることが知られています。寝つきが悪い状態が続くと、肌が乾燥し、肌の生まれ変わりが遅くなる可能性が考えられます。


 

これまでに実施した断眠試験(強制的に眠らせない試験)では、短すぎる睡眠時間が肌状態に影響を与えることも確認されています(※1)また、睡眠時の保湿環境も、冬期は寝入りと肌のキメに影響を与えることも確認されています。(※2)

睡眠とホルモンの関係

成長ホルモンと睡眠の関係

睡眠不足がターンオーバーを低下させる理由は、「成長ホルモン」にあります。成長ホルモンは全身における細胞分裂やたんぱく質の合成を促す物質ですが、トラブル知らずのお肌を保つためにも欠かせません。

成長ホルモンが活発に分泌されるのは入眠後3時間。

なぜ3時間しか成長ホルモンが分泌されないの?

睡眠には、浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠の2種類があります。

レム睡眠とノンレム睡眠からなるサイクルはだいたい90分1セット。
最初にノンレム睡眠が訪れ、次にノンレム睡眠が訪れるというサイクルを4、5回繰り返したところで起床するのが一般的ですが、特に深い眠りを得られるのは第二サイクルまでだそうです。

入眠から180分、つまり3時間までが成長ホルモンが最も活発に分泌される言わば、ゴールデンタイムなのです。

メラトニンと睡眠の関係

もう一つ睡眠ホルモンと言われている「メラトニン」は、成長ホルモンの分泌を促す役割があります。
メラトニンは、夜間から睡眠中に最も多く分泌されます。
メラトニンには、体の中を錆びつかせない強力な抗酸化力があり、その効果はビタミンCやビタミンE以上と言われています。そのため、肌の老化を遅らせる役割があります。

成長ホルモンやメラトニンが不足すると、「ストレスホルモン」と呼ばれるホルモンが増加します。
ストレスホルモンは、自律神経の乱れに直結し、交感神経が優位になり皮膚の血管が収縮し、血流が停滞、また皮脂を過剰に分泌しニキビの原因にもなります。

正しい睡眠をチェック

年齢を重ねるとともに、深いノンレム睡眠の時間が減少してしまったり、途中で目が覚めてしまったりする頻度が増えます。
美肌や健康のため、良質な睡眠をとることが重要ですが、質の良い睡眠とはどのような状態を指すのでしょうか。
以下のような状態が良い睡眠の状態だと言われています。

  • 規則正しい覚醒のバランスが維持できており、夜と日中のメリハリがある
  • 十分な睡眠時間が確保できており、昼間に居眠したり強い眠気に襲われたりすることはなく、心身ともに健康な状態で過ごしている
  • 夜中に目覚めることが少なく、睡眠時間が安定している
  • 朝スムーズに目覚める
  • 起床後にすぐ活動できる
  • 寝床についてから短時間で眠れる
  • ぐっすり寝たという感覚が得られている
  • 昼間の疲労感が少ない

なかなか、良い睡眠の状態がすべて当てはまる方は少ないのではないでしょうか。

質の良い睡眠と美肌を手に入れるための4箇条

最後に、質の良い睡眠と美肌を手に入れるための4箇条をご紹介します。

1.朝日を浴びる

起床直後に朝日を5分~10分浴びましょう。
朝起きて太陽の光が目に入るとメラトニンの分泌が抑制され、そこから約16時間後に眠気が訪れるよう睡眠の予約のスイッチが入ります。その結果、夜になると自然と眠りにつけるようになります。

なお、夜は自宅の照明により体内時計が乱れやすくなるため、夜になったら照明を暗くすることもポイントです。

2.日中、軽い運動をする

日光に当たりながらウォーキング等のリズム運動を行うことで、セロトニンの分泌が促されます。セロトニンは幸せホルモンと呼ばれており、メラトニンの原料になるホルモンです。セロトニンの量を増やすことが、メラトニンを増やすことに繋がり睡眠の質を向上させます

出勤前に、日光を浴びながら一駅歩く、お昼以降に散歩するなど夜の快眠を得るためにとても効果的です。

3.寝る前のPCやスマホは控える

夜の快眠には、適度な眠気が必要です。就寝前の1時間以内のPC作業や、スマホいじりも控えましょう。

昼寝も時間帯を気をつけて

就寝前8時間以内の昼寝は、睡眠導入の力を弱めてしまうことがあり、昼寝をする場合は12時~15時までの間に15分~30分程度にすること。

 

4.寝室の環境を整える

遮光カーテンで部屋を暗くすることでメラトニンの分泌を促進できます。
また、ヒーリング音楽でリラックスし、ラベンダーやカモミールなどのアロマの香りで眠気を誘うことでスムーズに入眠できるように。
寝室の温度、湿度も整えること。
夏場は室温25~26度、冬場は22~23度にし、湿度は50%~60%が理想と言われています。

質の良い睡眠と美肌を手に入れるための4箇条は、どれも手軽にできることなので、さっそく実践してみてくださいね。良質な睡眠で美肌を手に入れましょう!

参考資料
日々の睡眠が肌に影響を与えることを確認|花王株式会社(ニュースリリース)
※1 村上泉子ら:香粧会誌,25(3):136-144, 2001
※2 睡眠時の保湿環境が中年者の皮膚に与える影響の実態調査


 

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