加齢とともに睡眠時間が短くなるのは普通?!
最近、高齢者の睡眠に関する愚痴をよく耳にします。「最近、目が早くさめるんだよな、年かなあ」とか「二時間おきに目が覚めて、寝た気がしない」など、など。
加齢とともに眠りが浅かったり、短くなったりするのは当たり前の事?
睡眠は年齢とともに変化します。
思春期までの子どもは9時間、20代の若者は7時間前後、高齢者は5時間~6時間というのが、健康な人の年代別の睡眠時間です。
高齢者は日中の活動量がそんなに多くはありません。やることがない状態の人も多く、体力が衰えていますから、若い時のようにテキパキと活動できません。結果として必要とする睡眠量も少なくなるということです。
また、睡眠に関係する神経の働きが衰え、睡眠を促すホルモン・メラトニンの分泌量が年齢とともに減少していきます。深い眠りを妨げ、途中覚醒や早朝覚醒ということが起こります。
高齢者の「浅い眠り」や「短時間睡眠」は、加齢とともに体力が落ち、老眼になり、白髪が多くなるのと同じことだそうです。
年齢とともに体力が落ち、老眼になり、白髪が増えます。それと同じように睡眠にも変化が生じます。
第一の変化は、高齢者では若い頃にくらべて早寝早起きになることです。
睡眠時間が短くなることは、睡眠障害とは違います。睡眠が浅く短いことが、気になる人は次のことを試してみてください。
- やることがないからといって、早くから床に就かない。
- 光を避ける。明るくなると眼がさめます。寝室は朝日が入らないように工夫しましょう
- 日中眠くなったら、昼寝は30分以内にしましょう。
- 人は8時間睡眠が必要だという呪縛から逃れましょう。
健康な人は加齢によるものですが、年齢を重ねると、いろいろな病を抱えてきます。不眠の原因が病気の可能性がある場合は、まずお医者さんに相談することです。
団塊の世代以上の人は、8時間眠らなければならないと教えられ、強くインプットされています。だから8時間眠らないと睡眠不足と思いがちです。それがストレスとなって睡眠障害を起こすケースもあります。
高齢者の睡眠障害は下記にような原因が挙げられます。治療によって不眠は改善されるので、病院で受診するようにしましょう。
- 退職、死別、独居などのストレスによる心や体も不調
- 狭心症、心筋梗塞などの呼吸器疾患による胸苦しさ
- 前立腺肥大による頻尿
- 皮膚搔痒症
- 睡眠時に起こるかゆいかゆい病、ムズムズ脚
- 睡眠時無呼吸症
- 認知症
- 昼夜逆転の不規則な睡眠、覚醒のリズムに陥る(日没症候群)
良い睡眠は健康で長生きするためにとても大事です。高齢者になっても、睡眠中に成長ホルモンは分泌されます。それが、脳や肉体の疲れをとり、回復させるのです。生活リズムを整えて、就寝環境をよくすることだけでも睡眠力は変わるようです。どうぞ良い睡眠を!