「紅麹」の機能性表示食品で悪玉コレステロールを抑制
「紅麹」を使用した機能性表示食品が話題となっています。古くから食品製造に用いられてきた紅麹が、近年の科学的な研究によって「悪玉コレステロールが高めの方」に向けた機能性表示食品として登場しました。
紅麹とは?
麹菌は、酒やみそといった発酵食品の製造に利用されてきました。麹菌を用いた食品は健康に役立つことが知られています。
麹菌には、酒やみそに使用する黄麹、焼酎に使用する白麹、泡盛に用いる黒麹などがあります。紅麹菌も麹菌の一つです。
糸状菌の一種である紅麹菌を米などに入れて発酵させたものが紅麹。名称のとおり紅色をしています。
紅麹は、中国や台湾では古くから「紅乳腐」「老酒」「紅酒」などの製造に用いられてきました。そうした食品からは、さまざまな種類の紅麹菌が分離されています。
「悪玉コレステロールが高めの方に」
紅麹を使用した機能性表示食品が登場し、話題となっています。機能性関与成分は「米紅麹ポリケチド」。米紅麹ポリケチドは、紅麹菌を用いて発酵させた米に含まれる成分です。
表示内容は「米紅麹ポリケチドにはLDL(悪玉)コレステロールを下げる機能があることが報告されています。LDL(悪玉)コレステロールが高めの方に適しています」。
従来から紅麹にはコレステロールを下げる作用があると指摘されてきましたが、機能性表示食品として登場したことで、消費者にその機能性を明確に伝えられるようになりました。
紅麹100~200mgを8週間摂取
紅麹の機能性表示食品は、機能性を証明するために研究レビューと呼ばれる手法を用いています。
研究レビューは世界中の研究論文を集めて、効果があるかどうかを総合的な観点から判断するというもの。データベースを検索した結果、69報の研究論文が見つかり、スクリーニングによって最終的に1報の論文を根拠としています。
根拠とした試験は、日本人の成人の男女を対象に実施。試験の参加者(被験者)を(1)1日あたり紅麹100mg(米紅麹ポリケチドとして2mg)を含む食品の摂取グループ、(2)紅麹200mg(同4mg)を含む食品の摂取グループ、(3)紅麹を含まない食品(プラセボ)の摂取グループ――に分けて、LDLコレステロールの値を比較しました。
8週間続けて摂取した結果、紅麹を含む食品の摂取グループでは、LDLコレステロールの値の低下が確認されました。
今回は8週間の摂取期間でしたが、もっと長く摂取した場合の効果を明らかにするためには、今後の研究が待たれます。これと合わせて、根拠となる論文の数が増えることも期待されています。
喫食経験で安全性を評価、20万食以上の販売実績
紅麹の機能性表示食品の安全性については、喫食実績によって確認しています。
届出資料によると、機能性表示食品と同じ処方(成分や配合量などが同じ)の製品が2018年から20万食以上販売されていますが、重篤な健康被害は報告されていません。
また、米紅麹は2007年から、サプリメント原料として国内外に販売(約1億7,500万食分に相当)されていますが、健康被害は報告されていないと説明しています。
紅麹の一部にはカビ毒の「シトリニン」を産生するものもありますが、機能性表示食品に使用する紅麹の菌株はシトリニンを産生しないため、安心です。
機能性表示食品なら安心
機能性表示食品は安全性についても機能性についても、企業の責任の下で確認されています。製品の対象者や1日あたりの摂取目安量などを確認して順守すれば、安心して利用できます。
コレステロールが気になり出したら、食生活の見直しや適度な運動とともに、機能性表示食品を活用してみてはいかがでしょうか。