冬場の「冷え」対策に機能性表示食品を活用!
寒い季節になると、女性にとって気になるのが「冷え」。温かい食べ物やドリンク、温浴、運動などで乗り切ることが大切ですね。それにプラスして、機能性表示食品の活用も選択肢の一つ。「冷え」を感じやすい方に向けた機能性表示食品について解説します。
人気カテゴリーの「冷え」対策
2022年1月8日現在で、「冷え」対策の機能性表示食品の届出は76件に上ります。
「冷え」対策の製品は、特定保健用食品(トクホ)では登場していません。機能性表示食品だけの人気カテゴリーとして、市場拡大を続けています。
販売されている製品を見ると、サプリメントタイプの製品が大半を占めています。このほか、飲料タイプも登場しています。
「抹消体温を維持」などと表示
それぞれの製品は、どのような表示によって消費者にアピールしているのでしょうか。代表的な表示内容を紹介します。
- 周囲が冷える時に健やかな血流を保ち、末梢体温を維持。
- 冷えを感じやすい女性に適した食品。
- 寒い季節や夏の冷房などで気温や室温が低い時に、冷えにより低下した手先の血流量を改善し、手先の体温を維持。
主な対象者は、冷えを感じやすい健康な女性です。ここで注意が必要なのは、疾病の「冷え症」の方は対象外であること。「冷え症」で困っている方は、医療機関に受診する必要があります。
機能性表示食品の配合成分
ヒハツ由来ピペリン類、モノグルコシルヘスペリジン、エラグ酸・・・
「冷え」対策の機能性表示食品の配合成分には以下があります。
- ヒハツ由来ピペリン類
- モノグルコシルヘスペリジン
- エラグ酸
- 6-ジンゲロール、6-ショウガオール
- コーヒー豆由来クロロゲン酸類
- ウィンターセイボリー由来カルバクロール、同由来チモール
- L-シトルリン
- カメリアサポニンB2
- EPA・DHA
このうち代表的なものは、ヒハツ由来ピペリン類、モノグルコシルヘスペリジン、エラグ酸など。
ヒハツ由来ピペリン類は、コショウ科コショウ属の植物であるヒハツの果穂に含まれる成分。ヒハツは熱帯・亜熱帯地域に分布しています。
モノグルコシルヘスペリジンは、柑橘類に豊富に含まれる「ヘスペリジン」というフラボノイドの1種に、糖を結合させた成分。糖を結合させるのは、水に溶けにくい性質のヘスペリジンの水溶性を高めるためです。
エラグ酸は、アムラ・イチゴ・ザクロ・ラズベリーなどに含まれるポリフェノールの1種。機能性表示食品では主にアムラ由来のエラグ酸が使用されています。
機能性と安全性は科学的手法で確認
機能性については、どのようにして確認されているのでしょうか。大きく分けて、「ヒト試験」と「システマティック・レビュー(SR)」があります。
「ヒト試験」は、ヒトに製品を食べてもらって効果を調べる方法。現在(2022年1月8日時点)のところ、76件のうち3件がヒト試験による届出です。
ヒト試験の参加者は、冷えを自覚している健康な成人女性。特定の成分を含む食品と、含まない食品(プラセボ)をそれぞれ2週間ほど続けて食べてもらいます。試験の最終日に冷水負荷試験(冷たい水に手を浸す)を行い、手の表面温度を測定。その結果、特定の成分を含む食品を食べた場合では、手の表面温度がより高くなることが確認されています。
残りの73件は、SRによって機能性を証明しています。SRは、世界中の研究論文を収集して総合的に判断する手法。例えば、モノグルコシルヘスペリジンを配合した製品では2~3報の研究論文を採用し、総合的に評価しています。
また、安全性については、過去に実施された安全性試験の結果や食経験を基に評価しています。
温かい食事や入浴に、機能性表示食品をプラスアルファ
「冷え」の機能性表示食品については、今後の研究の進展によって、科学的根拠が蓄積されていくことが期待されています。
冬場には温かい食事やドリンク、運動、入浴が欠かせませんね。これに加えて、機能性表示食品を上手に活用して寒い季節を乗り越えましょう。