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日本の行事食を知り、食文化への関心を高めよう

食育
YOKARE編集部
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日本の行事食を知り、食文化への関心を高めよう

日本には数多くの行事食が存在します。しかし、古くから伝わる行事食にはどんな意味があるのか、まだまだ知らない人も多いのが現状です。今回は、日本の伝統食でもある行事食について紹介していきたいと思います。

行事食とは

日本には春夏秋冬と四季折々の伝統行事があります。その時期に食べる料理や、特別なお祝いの席で食べる豪華な食事のことを「行事食」と言います。

四季折々の伝統行事に食べる行事食

まずは四季折々に食べる伝統料理について紹介していきましょう。

正月

正月に食べる料理と言えば、もちろん「おせち料理」です。
おせち料理は中国から伝わった文化で、奈良時代に宮中で季節の節目に開かれていた宴で用いられた料理を「節供(せちく)」と呼んでいたものが起源です。特に正月に食べる節供は「御節供(おせちく)」と呼び、その後「おせち」と略し、大衆にも広まっていきました。

おせち料理には、家族の繁栄を願った数多くの縁起物が詰められているのが特徴です。

桃の節句

3月3日の桃の節句には、女の子の成長を願い、ちらし寿司はまぐりを食べます。
ちらし寿司には縁起物が多く含まれ、はまぐりは二枚貝のため、対の貝以外がピッタリ合わさることはありません。はまぐりは仲の良い夫婦を表し、一人の相手と生涯仲良く過ごす女性の幸せの象徴とされてきました。

端午の節句

5月5日の端午の節句には、柏餅やちまきを食べます。東日本では「柏餅」を食べ、西日本では「ちまき」を食べます。
柏の葉は新芽が出るまで落ちないことから、縁起物として使われてきましたが、西日本では柏が少なく、京都で縁起物として根付いていたちまきが用いられるようになったのです。
また、菖蒲は薬草として邪気を払うとされ、菖蒲湯に入って無病息災を願います。

丑の日

土用とは季節の変わり目の18~19日の期間のことを言い、そのなかで訪れる丑の日のことを「土用丑の日」と呼びます。
特に夏に訪れる土曜丑の日には「うなぎ」が食べられ、夏バテしやすい時期に栄養価の高い鰻を食べて夏を乗り切ろうという考えで、平賀源内が発案したという説が有力です。

十五夜

十五夜自体は毎月ありますが、中秋の名月のことを一般的に「十五夜」と呼んでいます。この日にお団子をお供えし、すすきを飾り、月を愛でます。

中秋の名月とは旧暦8月15日に出る月のことです。中秋の名月にお月見をするのは、月が美しく見え、お月見に適しているからだそうです。

2020年の十五夜は、10月1日(木)です。

十五夜は里芋の収穫期にあたるため、別名「芋名月」と呼ばれています。稲作以前は、十五夜に秋の収穫物である里芋を供えていた名残である説が有名です。お団子をお供えするようになったのは江戸時代から。里芋と同じように、米を粉にして丸めて月に見立てたものを五穀豊穣の感謝の意味を込めてお供えします。

 

ところでなぜすすきを飾るのでしょうか。背の高いすすきは、神様が依りつく「依り代」として飾られています。悪霊や災いなどから収穫物を守り、翌年の豊作を願う意味が込められています。

冬至

冬至は一年のうちで最も日が短く夜が長い日で、毎年12月22日頃です。かぼちゃを食べると、中風(脳卒中)や風邪などを起こさないという言い伝えがあり、健康のために食べられてきました。


また、柚子の木は寿命が長く病気になりにくいとして、無病息災を祈って柚子風呂に入ります。

年越し

年越しには「蕎麦」を食べますが、この歴史は鎌倉時代に遡ります。
鎌倉時代にお寺で年が越せないほど貧しい人々に、蕎麦粉で作った蕎麦餅をふるまいました。するとその翌年、蕎麦餅を食べた人々の運気が上がっていったというのです。
そのことから、蕎麦餅を食べると幸せになれるという噂が立ち、毎年食べられるようになります。いつしか形を変え今の年越し蕎麦へとなり、細く長い蕎麦は不老長寿に例えられ、祈願する為に食べられています。

家族の行事食

行事食には四季折々の伝統行事で食べる食事だけでなく、家族の行事食も含まれます。
家族の行事には、誕生日、母の日、父の日、敬老の日、入学や卒業のお祝いなどがあり、家族内のお祝いには決まった食事メニューはありません。
ケーキを用意したり、いつもとは違った豪華な食事を用意したりしてお祝いします。


行事食の意味

行事食は、古くから日本で伝承してきた食事で、材料そのものにおめでたい意味づけをしていたり、縁起を担ぐ意味合いなどが含まれています。
行事食を通してその行事の歴史に触れたり、食べ物の旬を知ることもでき、食文化への関心も高まります。

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