2020年の冬至はいつ?冬至に小豆粥とかぼちゃを食べる理由
日本の伝統行事のひとつ「冬至(とうじ)」。小豆粥やかぼちゃを食べたり、ユズ湯に入ったりする習慣がありますがどうしてなのでしょうか?
そこで、今回は冬至について起源と由来、小豆粥とかぼちゃを食べる意味を解説します。小豆とかぼちゃのいとこ煮と小豆粥のレシピもご紹介しますので、今年の冬至にぜひ作ってみてくださいね。
冬至の起源と由来
冬至とは?
冬至とは、二十四節気のひとつで一年の中で昼間が一番短く、夜は一番長くなる日のこと。二十四節気は暦のことで、太陽の動きから1年を春・夏・秋・冬に分け、さらに1カ月を前半・後半に分け24つの季節に分類しています。
冬至の起源は中国から
冬至の起源を調べると奈良時代にまでさかのぼります。中国文化を日本に取り入れるため、7~9世紀に朝廷が唐に派遣した使節団によって伝えられたとされています。
中国には昼間を「陽」、夜を「陰」とする思想があり、暗闇(夜)がもっとも長い冬至を「生命が終わる時期」と考え、翌日から徐々に日照時間が長くなることから、「生命力が復活する節日」「太陽が生まれ変わる日」としてお祝いするのが冬至の日です。
冬至は世界各地で行われている
冬至を祝うのは中国と日本だけではありません。お隣の韓国では日本と同じように冬至に小豆粥を食べ、ベトナムではお団子やちまきを食べて祝います。中国では水餃子や白玉粉で作られたお団子など地域によ食べるものが異なります。
また北欧では「ユール」と呼ばれる冬至祭が盛大に行われ、大きな木の幹を燃やした焚火を囲い、ご馳走を食べてお祝いしますが、その時に食べるのが「ブッシュ・ド・ノエル」だと言われています。
国 | 冬至に食べるもの |
---|---|
韓国 | 小豆粥 |
ベトナム | 団子やちまき |
中国 | 水餃子や白玉粉で作られたお団子 |
日本 | 小豆粥やかぼちゃ |
2020年の冬至はいつ?
天文学の世界では、冬至は「太陽黄経が270度になる瞬間」と定義されているそうで、毎年変動し、12月21日か22日が冬至の日となります。2019年は12月22日でしたが、2020年の冬至の日は12月21日です。
ちなみに、夏至は冬至と逆で昼間の時間が一番長い日になり2020年は6月21日でした。冬至と夏至の日照時間の差は地域により異なりますが、平均で冬至が約9時間45分、夏至が約14時間50分になります。
冬至に小豆粥とかぼちゃを食べる意味
では、日本で冬至に小豆粥とかぼちゃを食べるのには、どのような意味があるのでしょうか?
厄払いの意味がある小豆粥
冬至に会食べる小豆粥のことを「冬至粥」と呼びます。
冬至粥に入れる小豆は赤い色をしていますが、赤は魔除けの色として「厄払い」、小豆には運気を呼び込むという意味が込められています。
栄養があり運気を呼び込むかぼちゃ
「運盛り」といって、冬至には小豆以外にも運気を呼び込む食べ物として「ん」のつくものを食べます。そのひとつが「かぼちゃ」です。
かぼちゃには「ん」なんか付かないと思われますが、かぼちゃは「南京(なんきん)」とも呼ばれ、ちゃんと“ん”がついています。「ん」が2つ付けば運も倍増すると考えられたことから、以下の7つの食べ物を「冬至の七種(ななくさ)」と呼んでいます。
- 南京=なんきん
- 人参=にんじん
- 蓮根=れんこん
- 金環=きんかん
- 銀杏=ぎんなん
- 寒天=かんてん
- 饂飩=うんどん(うどんのこと)
また、緑黄色野菜のかぼちゃには、風邪の予防効果があるビタミンCや新陳代謝を活発にしてくれるβカロテン、血流を良くしてくれるビタミンEの他、カルシウムやカリウム、鉄分などビタミン・ミネラルが豊富に含まれていることから冬の健康管理という側面からも冬至に食べられたとも言われています。
小豆粥とかぼちゃで元気に冬を乗り越えましょう!
冬至に食べるかぼちゃ料理は地域によっても異なりますが、北海道や東北では小豆とかぼちゃを一緒に煮込んだ「いとこ煮」、青森では「かぼちゃ粥」、山口ではかぼちゃを団子生地に入れた「かぼちゃぜんざい」などがあります。
これまで冬至に特別なことはしなかったという方も、今年の冬至は小豆粥とかぼちゃ料理を食べ、寒い冬を元気に乗り越えてくださいね。