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現役ファーマーが教える野菜の選び方と保存法(ネギ編)

食育
現役ファーマーTAKA YASU
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現役ファーマーが教える野菜の選び方と保存法(ネギ編)

ネギは日本の食卓には欠かせない、万能で魅力あふれる野菜です。

「たかがネギ!されどネギ!」

味噌汁や鍋料理、薬味としても大活躍し、料理の風味を引き立てます。さらに、ネギには免疫力を高めたり、血行を促進したりする健康効果があることをご存じでしょうか?

しかし、意外と知られていないのが「ネギの種類の違い」や「鮮度の見分け方」です。せっかくの新鮮なネギも、選び方を間違えると風味が落ちることも…。また、地域ごとに異なる品種の特徴を理解することで、より美味しく楽しめます。

この記事では、現役ファーマーである私が、日々の農作業で培った知識と経験をもとに、基本的なネギの知識と魅力・簡単な料理についてご紹介します。

ネギの基本知識

ネギは、古くから日本の食文化に根付いており、全国各地で栽培されています。主に「長ネギ(白ネギ)」と「青ネギ(葉ネギ)」の2種類に大別され、それぞれに特徴があります。

  • 長ネギ(白ネギ):東日本を中心に消費されることが多く、白い部分が長いのが特徴。火を通すと甘みが増し、鍋や焼き料理に適しています。
  • 青ネギ(葉ネギ):関西地方でよく食べられ、葉の部分まで使えるのが特徴。香りが強く、薬味や炒め物に向いています。

ネギの旬は冬。寒さが増すほど甘みが増します。

主なネギの種類

1. 青ネギ(万能ねぎ)

  • 細長い緑色の葉が特徴。白い部分がない
  • 年中収穫可能
  • 薬味やサラダに最適
  • 地域によって呼び名が様々。葉ネギ・細ネギ・青ネギ・万能ネギ
     青ネギ(万能ねぎ)

2. 白ネギ(根深ネギ)

  • 太陽が当たらないように土をかぶせ、白い部分を長く育てる
  • 加熱すると柔らかくなり、甘みが増す。煮込み料理に最適
  • 東日本では「長ネギ」、西日本では「白ネギ」と呼ばれている
    白ネギ(根深ネギ)

3. 九条ネギ

  • 京都特産の葉ネギ
  • 強い香りと甘みが特徴。生でも食べられる
  • 12月から2月頃が旬。1月以降の寒い時期にはより一層甘みが増す
  • 奈良時代からの長い歴史を持ち、平安時代には京都・九条付近で良質なネギが栽培されていたことから「九条ねぎ」と名付けられた
    九条ネギ

4. 下仁田ネギ

  • 通常のネギよりも太く、濃い緑色の太い葉が特徴的
  • 加熱すると甘みが増し、辛味が消える
  • 主に群馬県南西部の下仁田町とその周辺で栽培。栽培には約15ヶ月かかり、12月が収穫の最盛期。
  • 江戸時代から栽培され、「殿様ネギ」とも呼ばれている
    下仁田ネギ

5. その他ブランド

深谷ネギは、埼玉県深谷市を中心に栽培される、全国的に有名なブランド長ネギ。白い部分が長く、太くて甘みが強いのが特徴。冬の寒さに当たることで糖度が増し、トロリとした食感になる。

岩津ネギは、兵庫県朝来市(あさごし)岩津地区で生産される特産ネギ。通常の長ネギと異なり、葉の部分まで柔らかく食べられる。冬に収穫されると甘みが増し、香りも良い。

博多万能ねぎは福岡県を代表するブランド青ネギ(葉ネギ)。細くて柔らかく、香りが良いのが特徴。年間を通じて栽培され、九州を中心に全国で広く利用されている。

主な栄養素

アリシン、ビタミンC、β-カロテンがネギには含まれています。

アリシンは、血液をサラサラにし、抗菌作用、疲労回復の作用や、血行をよくし身体を温める働きがある。ただし、アリシンは水に溶けやすく熱に弱い性質があるため、長時間の加熱や水にさらし過ぎないように心がける!

ビタミンCには、抗酸化作用があり、美肌や風邪予防に役立つ。

β-カロテンは、ネギの緑色の部分に多く含まれている。抗酸化作用があり、人体の粘膜や皮膚、免疫機能を正常に保つために必要不可欠。

このような栄養素があることから、風邪予防や美容効果が期待されています。

白ネギを切ったときに、ヌルっとゼリー状のものがでてきたことはありませんか?

ヌルヌルの正体は、腸内環境を整えてくれる食物繊維の塊なのでご安心を!

具体的には、セミロース、ヘミセルロース、プロトペクチン、水溶性ペクチンなどの多糖類の複合体が水の存在でゲル化して、ゼリー状になったものです。

ただし、異臭があると感じた場合は避けてください。保存状態や長期保存しすぎていると腐っている可能性があるので注意してください。

ネギの選び方のポイント

お店での選び方は、以下の5点に注目することをお勧めします。みずみずしいネギを選ぶようにしましょう。

  1. 中身が詰まっており、重みがあるもの
  2. 葉の部分が濃い緑色で、ピンとしているもの
  3. 切り口がみずみずしく、変色していないもの
  4. 土が少し付いているもの
  5. 切り口が乾燥していない

ネギの保存法

暑い時期になると葉先が傷みやすく、収穫直後の新鮮なネギでも葉先が変色していることがあります。
その場合でも、青い部分は食べられるので変色部だけ切り落とせば問題ありません。ただし、異臭がすると感じた場合は食べるのは控えてましょう。

また、ネギの劣化を防ぐためには、購入後に新聞紙で包むなどの工夫をすると、長持ちしやすくなります。

ネギは栄養価が高く、健康にも良い食材です。長ネギと青ネギの違いや地域ごとの特色を知ることで、より美味しく楽しむことができますよ。

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