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カビが生えた餅やミカンは食べていいの?捨てた方がいいの?

食・料理
YOKARE編集部
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カビが生えた餅やミカンは食べていいの?捨てた方がいいの?

お正月に飾る鏡餅や、箱ごと購入する温州ミカンは、気が付けばカビが生えていることも。捨てるのはもったいないから、カビのある部分を取り除いて食べる方も多いことでしょう。そうした対処法は、はたして正しいのでしょうか?食品に生えるカビについて解説します。

甘酒、みそ・しょうゆの製造はカビなどの微生物を利用

まず、カビの基礎知識を押さえましょう。カビと一口に言っても3万種類もあり、その中には有益なものも、有害なものもあります。

長い歴史の中で、カビは発酵食品や医薬品などの製造に用いられてきました。海外ではチーズが有名ですが、日本では甘酒や鰹節が代表的な食品です。みそやしょうゆなどの発酵食品も、細菌・酵母・カビを利用して製造されます。

カビ毒」という言葉をご存じでしょうか。これは、食品に付着したカビが増殖して作り出す毒素のこと。カビ毒を摂取すると、私たちの健康に悪影響を与えます。

穀類に生えるカビの中には、カビ毒を作り出すものがあります。米や小麦は、乾燥工程や貯蔵の管理を疎かにすると、カビが生えて、カビ毒を作り出す可能性があります。

実際に日本でも、国産米が毒性を持つ「アフラトキシン」というカビ毒に汚染された事件が発生しています。小麦や大麦では、赤カビが作り出すカビ毒の「デオキシニバレノール」「ニバレノール」による汚染もあります。

カビはデンプンや糖を含む食品に生えやすい

家庭内の空間にも、カビの胞子や菌糸が漂っています。カビはデンプンや糖分を含む食品を好み、パンや餅などに付着して増殖していきます。

カビの増殖に必要な温度は多くの場合、10~30℃ですが、冷蔵庫に入れた食品でも生えることがあります。つまり、室内のどこに保存しておいても、カビの発生を確実に抑えることは困難と言えます。

カビのある餅やミカンは食べないようにしましょう

お正月明けに、カビの生えた餅やミカンの処理に頭を抱えたことのある方も多いと思います。「カビの部分を切り取れば大丈夫」「カビの生えた餅やミカンを食べたことがあるけど平気だった」と高を括る方も少なくないでしょうが、ちょっとそうした考え方はとても危険です。

というのも、表面の目に見えるカビを取り除いても、既に食品の内部にもカビが増殖している可能性があるからです。

餅・ミカン・パンなどに生じたカビが、健康に悪影響を与える種類のものか、それとも無害なものであるかは、素人に判断することは不可能です。このため、かってに判断することは避けるようにしましょう。さらに言えば、カビのある食品を食べてすぐに健康被害が出なくても、長期的な視点で見るとリスクがあります。

また、加熱調理すれば安心して食べられるかと言えば、まったくそうではありません。カビが作り出すカビ毒は、焼いても煮ても分解できず、毒素の量を減らすこともできません。

カビが生えた食品は捨てるしかない

ここまで見てきたように、食品に付着するカビの中には有害なものがあり、摂取すると健康に悪影響を与えます。カビの部分を取り除いても、すでに食品全体に増殖している可能性があり、手遅れと考えるべきでしょう。加熱調理もカビ毒にとっては無意味です。

結論を言いますと、カビが生えた食品は食べないようにすることが重要です。健康を守るためには、捨てるしかありません。

カビを生えにくくするためには、低温の乾燥した場所で保存することが基本ですが、確実な方法ではありません。このため、健康を守り、食品ロスを削減する観点から、短期間に消費できる分だけを購入すること、購入したら早めに消費することを心がけましょう。
 

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