良質な睡眠とは?睡眠の質を上げる7つのポイント

ストレス社会に生きる私たちにとって、睡眠に関する悩みは尽きません。心身の健康を守るためには、睡眠時間の確保とともに、睡眠の質を上げることが重要です。睡眠の質を上げるための方法について解説します。
睡眠に関する悩み
厚生労働省の国民健康・栄養調査(令和元年)によると、日本人の1日あたりの平均睡眠時間は「6時間以上7時間未満」が最も多く、男性の32.7%、女性の36.2%を占めています。
睡眠の質の状況はどうでしょうか。週に3回以上経験したことを聞いたところ、男女ともに「日中、眠気を感じた」と回答した人が多く、男性で32.3%、女性で36.9%に上りました。次いで、「夜間、睡眠途中に目が覚めて困った」が男性25.4%、女性25.9%、「睡眠全体の質に満足できなかった」が男性21.6%、女性22.0%と続いています。
睡眠の質とは?
質の良い睡眠とは、どのようなものでしょうか。代表的な睡眠の評価指標として、以下のようなものがあります。
- 昼と夜のメリハリが明瞭で、睡眠と覚醒のサイクルの規則性が確保されている。
- 必要な睡眠時間が確保され、日中に過度の眠気や意図しない居眠りが生じない。
- ノンレム(深い)睡眠とレム(浅い)睡眠のサイクルが規則的で中途覚醒が少ない。
- 就寝から入眠までに過度の時間を要しない。
- 目覚めてから起床して行動を開始するまでが円滑である。
簡単に言えば、良い睡眠とは「寝つきが良い」「途中で目が覚めない」「朝すっきり起きられる」といったところです。
睡眠の質を上げる7つのポイント
睡眠の質を上げるためには、日常生活の在り方を見直すことが大切です。睡眠の質の向上に役立つ7つのポイントを紹介します。
1.各個人に合った睡眠時間の確保
適切な睡眠時間は人によって違います。このため、一律に「〇時間」の睡眠が必要ということは言えません。夜更かしなどをせずに自分に合った睡眠時間をしっかり取って、規則正しい生活を送ることが、睡眠の質を上げるためのベースとなります。
2.眠気を感じたときが就寝のタイミング
睡眠時間を確保するため、眠くなくても寝床に就くと、かえって目が覚めてしまい、逆効果となります。寝るタイミングは、その日の状態に合わせて眠気を感じたとき。眠気を感じてから寝床に就くと、スムーズな入眠を得ることができます。
3.適度な運動と朝食を取る
適度な運動の習慣化は、寝入りを良くして、睡眠中に目が覚めることを減らしてくれます。また、朝食をしっかり取ると朝の目覚めを促します。一方、就寝直前の運動や夜食は、入眠を妨げますので控えましょう。
4.就寝前のリラックス
睡眠の質を上げるためには、就寝前に心身ともにリラックスした状況にすることが効果的です。というのも、脳は徐々にリラックスした状態となって、睡眠に入っていくからです。
リラックスの方法は人によって異なりますが、例えば、就寝の2時間ほど前に入浴する、音楽を聞く、寝室の照明を暗くする、室温を調整する、などがあります。軽めの読書やストレッチも効果的です。
5.就寝前のアルコールは避ける
眠れないからと言って、就寝前にアルコールを飲む方もいます。しかし、かえって眠りが浅くなるため、避けた方がよいでしょう。コーヒーや緑茶などのカフェインを含む飲料の摂取も覚醒につながるため、避けましょう。
6.朝は日光を浴びる
就寝時間は眠気を感じたタイミングが良いのですが、起床時間はできるだけ一定に保つようにしましょう。起床時には、カーテンを全開にして日光を取り入れるようにします。
日光を浴びると、私たちの体内で「メラトニン」と呼ばれるホルモンの分泌が抑制され、目が覚めるように作用します。
7.日中に眠気を感じたら短めの昼寝を
日中に眠気を感じた場合は、遅めの午後に20分前後の睡眠を取るとよいでしょう。ただし、昼寝が長時間に及ぶと頭がぼんやりしてしまいます。また、夕方以降に昼寝をすると、夜の睡眠に悪影響を与えてしまいます。
睡眠の質を上げて疲労を取り除く
睡眠の質が悪かったり、睡眠時間が不足したりすると、疲れが取れず、仕事のミスにつながったり、生活習慣病のリスクを高めたりします。
睡眠の質を上げて心身の疲労を取り除くためには、規則正しい生活を心がけることが大切。今回紹介した取り組みを実践してみてくださいね。