本みりんは消費税10%、みりん風調味料は8%?!みりんの種類と選び方
2019年10月の消費税率改定で話題にも上がった「みりん」。本みりんはお酒の部類に入るので消費税率は10%、みりん風調味料は食品の部類に入るので8%とメディアでも取り上げられていましたね。「みりん」と名前のつく調味料には4種類あり、原材料や製法も異なることはご存知でしょうか?美容や健康におすすめのみりんもあるので解説していきます。
本来の「みりん」とは?
みりんは何からできているのでしょうか?
醤油や味噌は大豆や小麦、塩からできていることは有名ですが、みりんは何からできているかお料理をする方の中でも知らないという方は多くいらっしゃいます。
みりんは簡単に言うとお米から作られる甘いお酒です。みりんと名前のつく4種類のみりんのうち2種類はお酒の仲間で、2種類はお酒ではなく食品に分類されます。
みりんと名前のつく4種類
純米本みりん
日本の伝統的なみりんはこの「純米本みりん」です。純米本みりんの原材料はもち米、米こうじ、本格焼酎(アルコール)の3つのみです。
製法は、蒸したもち米に米麹と本格焼酎を合わせて1年〜2年以上かけ、じっくり発酵熟成させて作られます。砂糖や甘味料などは一切加えず長期間かけてお米の甘みをじっくりと引き出している発酵食品でもあります。お米をたっぷり使って時間をかけて作られ、さらにアルコール度数が14パーセントほど含まれるのでお酒に分類され酒税が課せられます。値段は500mlで800円から1000円と比較的高価です。
普通本みりん
戦後から作られるようになったのはこの「普通本みりん」です。純米本みりんと同じく商品のラベルには「本みりん」と表記されていますが、違いは原材料と製法にあります。
原材料はもち米、米こうじ、アルコールに加え「糖類」が加えられています。純米本みりんでは1年〜2年以上発酵熟成させるところ、普通本みりんは40日〜60日で完成させます。
純米本みりんにはない、加圧蒸煮や高温液化などの工業的な工程を経て、甘味料の「糖類」が加えられます。じっくり甘みが引き出されるほど時間もかけられない分この「糖類」で甘みを補っているのです。普通本みりんもアルコール度数が14パーセントほど含まれるのでお酒に分類され酒税が課せられますが、原材料と製法でコストダウンを図っているので値段は500mlで300円から500円ほどと純米本みりんに比べ、およそ半分の値段で販売されています。
塩みりん(発酵調味料)
塩みりんや発酵調味料を表記されているものもありますが、このみりんの特徴は「塩」が加えられていることです。
なぜ、みりんにわざわざ「塩」を加えてあるのでしょうか?
それは酒税法に秘密があります。純米本みりんや普通本みりんはアルコール度数が14パーセントほど含まれるのでお酒に分類されます。昨年「本みりんはお酒なので消費税が10パーセントに上がる」と話題になりました。
アルコールが含まれていても「塩」を規定量加えることでお酒の分類から外れます。不可飲処置といって、塩が入っているからお酒として飲めない、つまりお酒ではないと判断されるからです。料理酒に塩が入っているのも同じ理由です。塩みりん(発酵調味料)は500mlで200円から300円ほどと安価に販売されています。
みりん風調味料
みりん風調味料は安価に販売されていますが、本みりんとは全く異なるものです。原材料としては、水あめや糖類などの甘みに加え、発酵させたみりんの風味を出すために酸味料や旨味調味料などの添加物を加えています。発酵食品ではなく、これらの調味料をブレンドしてすぐに完成するものです。500mlで200円から300円ほどと安価に販売されています。
みりんを選ぶときのポイント
4種類のみりんについて解説しましたが、おすすめは1番目に紹介した原材料が、もち米、米こうじ、本格焼酎(アルコール)の3つのみの「純米本みりん」です。糖類を使わずお米だけの自然な甘みで体にやさしいですし、塩も入っていないので醤油や味噌などの塩分が含まれる調味料と合わせた時も塩分の調整がしやすいです。
発酵食品でもあることから、腸内環境を整える効果も期待できます。また、みりんの調理効果である照りやツヤ、煮崩れの防止、臭みを消すという効果も純米本みりんが大きいです。スーパーで比較すると純米本みりんは高いと思うかもしれませんが、味が濃厚で少量で味が決まりやすいので、他のみりんに比べて使う量が少なくても済むというメリットもあります。ぜひ次回みりんを購入する際参考にしていただければと思います。