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越冬野菜(えっとうやさい)は甘くて栄養価が高い?!

食・料理
YOKARE編集部
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越冬野菜(えっとうやさい)は甘くて栄養価が高い?!

越冬野菜とは、初冬に収獲した土つきの野菜を土の中や雪の中、地下室などで保存した野菜のことです。
寒い地方での野菜の保存方法ですが、甘くておいしい越冬野菜(えっとうやさい)は市場にも出荷されます。
越冬野菜のおいしさの秘密と、積雪県の有名な越冬野菜やその栄養成分についてお伝えします。

越冬野菜はなぜ甘い?

土の中や雪の中、地下室で保存された野菜は、野菜の持つメカニズムから、凍らないように野菜の体内に糖分を蓄えます。
そのため、通常の野菜より糖度が増します。
越冬野菜は、主に積雪地方で雪の中に埋める方法で作られます。
越冬野菜の代表的なものは、キャベツや白菜ですが、ニンジンやダイコン、ゴボウ、長ネギなども越冬させます。
雪の中の温度は0℃前後でキープされ湿度もあるため、実は野菜を保存するのに適しているのです。

越冬野菜の主な産地

越冬野菜の産地として有名なのは北海道ですが、長野県や山形県、新潟県などの積雪地帯でも越冬野菜は自家用としてだけでなく、市場にも出荷されています。
冷蔵庫の野菜室は通常5℃前後ですが、雪の下に埋めることで、越冬野菜は0℃で保存された状態になります。
春に近づくにつれ雪解け水が適度な湿気となって、野菜をみずみずしく保ってくれます。
越冬野菜の主な産地と野菜の種別は、以下のようなところです。

北海道のブランドキャベツ「和寒越冬キャベツ」

「和寒越冬キャベツ」は、平成22年に商品登録されており、甘くておいしいと人気があります。
しかし、この越冬キャベツは、偶然から生まれました。
その年の秋キャベツがとれ過ぎて採算が合わず、畑に放置したままの状態に雪が積もり、
春になって、畑からみずみずしいキャベツが顔を出していたので食べてみると、あまりに美味しかったので市場に出しました。
消費者には人気で高値で取引きされ、その後は毎年越冬キャベツを出荷するようになったそうです。

山形「雪の下白菜」

とろける白菜とも言われるのが「山形の雪の下白菜」です。
雪が降る前の12月上旬に、白菜を根をつけたまま引き抜き、周囲を土で抑え、上にはワラやシートをかけます。
その上に雪が降り積もり、これが雪室となり一定温度を保ちます。
白菜は、寒さから守るために細胞内に糖分やアミノ酸をため込み熟成していきます。

新潟県中魚沼郡津南町の「雪の下にんじん」

「雪の下にんじん」は、豪雪地帯での越冬野菜のひとつです。
本来は秋に収穫して出荷するにんじんを収穫せずに、雪の中に埋めたままにしておきます。一般的なにんじんに比べて甘味が強く、青臭さがありません。
「雪の下にんじん」は、津南町が発祥の地と言われています。
秋に収穫しきれなかったにんじんを春に掘り起こして食べたところ、雑味がなくておいしかったから市場に出したそうです。
うま味成分のアスパラギンや、香り成分のカリオフィレンも豊富に含まれています。

北海道函館市亀田町産ブランド「雪の下大根」

亀田町産ブランド「雪の下大根」は、晩秋に収穫したダイコンを畑に敷き詰めて土で覆い、雪に埋もれたものを掘り出して3月上旬くらいまで出荷します。
他にも山形県などでも生産されています。

越冬野菜の栄養成分と食べ方

寒い地方で雪の下で越冬した野菜たちは、アミノ酸、糖質、ビタミン類が増し、通常収穫された野菜より栄養価が高くなります。
栄養価の高い越冬野菜は、私たちの免疫力を高め、冷えをとり体調不良の予防にも効果があるといわれています。
煮物や鍋、ポトフやシチューなどの料理に使って、体が芯から温まる料理にチャレンジしませんか?

越冬キャベツのポトフ(4人分)

材量:キャベツ半玉、玉ねぎ1個、ニンジン適宜、シメジ1パック、水700㏄、フランクフルトソーセージ4本、固形コンソメスープの素1個、塩こしょう少々。

作り方:材量をすべて入れコトコト煮込むだけです。塩コショウは最後に味をみて、足しましょう。
 

越冬白菜のミルフィーユナベ(4人分)

材量:白菜半玉、豚バラ肉400g、鶏がらスープの素大さじ2杯、水200㏄、ポン酢
作り方:白菜は1枚ずつはがして、サッと洗い、キッチンペーパーなどで水気をとっておきます。
白菜をまな板の上に置き、次に豚バラ肉を置き、交互に4段ほど重ねます。
白菜の根もとの方は厚みがあるので、根もとと葉先を互い違いに重ねると、均一な高さになります。
出来上がったら5~6cm幅に切り、鍋にお花のように並べます。この時、しっかりスキマができないように詰めます。
鶏がらスープの素大さじ2杯、水200㏄を加えて、沸騰したら中火にして10分ほど煮て、ポン酢で食べます。
 

越冬にんじんジャム

材量:中くらいの大きさのにんじん3~4本、砂糖(皮をむいたにんじんの重さの4割ぐらい)、レモン汁大さじ2杯
作り方:にんじんを輪切りにしてゆで、煮汁は捨てないで取っておきます。
取っておいた汁を少し足してミキサーにかけます。(残りの汁はスープ等に使いましょう)
ナベに移し、砂糖を入れて木じやくしで混ぜながら弱火で煮ます。仕上げにレモン汁をかけます。
越冬にんじんには、ニンジン特有の味がしないので、お子様にもおすすめです。
パンに塗ったり、ヨーグルトにかけるなどして食べましょう。
 

越冬ダイコンのツナサラダ(4人分)

材量:中くらいの大きさのダイコン1本、ツナ缶1個、マヨネーズ大さじ1杯
作り方:太めの千切り、またはスライサーでやや太めにスライスします。
水にさらさずそのまま水気を切ったツナ缶1個とマヨネーズ大さじ1杯を加えて混ぜます。
越冬ダイコンは辛みがないので、スライスした大根に鰹節をかけ、醤油を少量落とすだけでも、美味しい和風サラダができます。
 

 

積雪県では昔から雪の中に野菜を埋めて、必要な時に取り出して食べていました。甘くておいしく、しかも栄養価の高い越冬野菜は、今やブランド野菜として人気です。越冬野菜の通販などもあり、雪の積もらない地方からは、お取り寄せされているようです。
いろいろ工夫して美味しくいただきましょう。
 

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