7月10日は「ブラックジンジャーの日」
ブラックジンジャーはまだ馴染みのない方も多いのではないでしょうか。タイ王国では1000年以上も前から健康に良い有用植物として、食されてきました。日本でも機能性表示食品における機能性関与成分として食品に使われています。そんな近年研究が進み健康の役に立つ機能性が報告されているブラックジンジャーに、記念日ができました。記念日にちなんで、ブラックジンジャーとはどんな植物なのか、どのような機能性があるのかを紹介します。
ブラックジンジャーはタイでは有名な食材?!
ブラックジンジャーとはタイで栽培されているショウガ科の植物で、タイではクラチャイダムと呼ばれています。日本では、黒ウコンや黒ショウガと呼ばれることもあります。
タイでは1000年以上も前から関節痛に効くとされ、根茎部を煎じて飲まれていました。現在では、タイ政府厚生省認定素材「プロダクトチャンピオン」の一つに選ばれ、健康に良いものとして、タイではポピュラーな有用植物です。
ブラックジンジャーに記念日ができました!
そんなブラックジンジャーブはじわじわと日本でも普及し始めています。きっかけは、2013年7月10日に、丸善製薬がブラックジンジャーの食薬区分申請を受け、厚生労働省医薬食品局長より正式に非医薬品として通知(非医薬品リストに収載)されたことです。つまり、9年前の7月10日は、日本において初めてブラックジンジャーが食品として利用できることが公式に認められた日なのです。
「ブラックジンジャーの日」の登録を記念して、2022年6月27日に丸善製薬において記念日登録証授与式が開催され、記念日登録証が授与されました。
機能性表示食品としてのブラックジンジャー
ブラックジンジャーは日本でも機能性表示食品として販売されています。ブラックジンジャーに含まれる成分「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン」に「脂肪の減少」「脂肪の消費」「中高年の歩行能力の維持」などの機能があることが報告されています。ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンは機能性表示食品における機能性関与成分として食品に幅広く使用されています。
ブラックジンジャーの機能とは?
「脂肪の減少」「脂肪の消費」「中高年の歩行能力の維持」などの機能があることが確認されています。これらの機能に対してブラックジンジャーがどのように貢献しているのか、少し詳しく紹介します。
脂肪の減少・脂肪の消費
ブラックジンジャーには脂肪を分解する作用があります。
ブラックジンジャーを摂取すると、脂肪細胞内の「cAMP」が増加し、cAMPはホルモン感受性リパーゼを働かせ、中性脂肪やコレステロールエステルを分解し、脂肪酸を遊離させるなどの働きをします。そのために、脂肪分解だけでなく、燃焼にも繋がると考えられています。
脂肪は分解するだけでは、燃焼されずに、再び蓄積されてしまいますが、ブラックジンジャーには燃焼する作用も検証により見出されています。
食事制限によるダイエットでは、体重は落とせても筋肉量が落ちてしまうことも…。ブラックジンジャーに含まれる「ポリメトキシフラボン」は、基礎代謝を減らさず、脂肪だけを燃焼させます。
中高年の歩行能力の維持
加齢による筋力低下によって「立つ」「歩く」などの動作ができなくなる「ロコモティブシンドローム」や、加齢による筋肉量の低下や筋力が低下した状態である「サルコペニア」にかかる人が増えています。
加齢に伴った筋肉量の減少は、筋線維再生の減弱によって引き起こされます。さらに、この筋線維再生は、サテライト細胞の関与がしています。
通常は、サテライト細胞は、眠った状態です。筋トレなどで筋肉がダメージを受けるとサテライト細胞は活性化し、筋芽細胞へと分化し、さらに筋芽細胞から筋管細胞への分化を経て筋線維が再生され、筋肉が太く強くなっていきます。これを筋肥大とも言い、スポーツ選手の中には取り組まれている人も多いでしょう。
しかし、老化が進むと、サテライト細胞の増殖や筋芽細胞への分化が低下してしまうため、新たに作られる筋線維が減少し、筋肉量の低下を招いてしまいます。ブラックジンジャーは、筋芽細胞の増殖を促し、筋芽細胞の分化と融合を促すことに貢献します。筋肉を作るプロセスに貢献することで、ブラックジンジャーは筋肉量を増やし、質の良い筋肉を作る効果をもたらすことが研究より示されています。
ブラックジンジャーの普及により、長寿の日本社会で増える「ロコモティブシンドローム」「サルコペニア」などの解消や歩行能力の維持につながることが期待されます。