シミの元メラニンを作らせない甘草の美白アプローチ
世の中にたくさんの種類がある美白化粧品。じつは美白といっても、成分によって美白に対するアプローチ方法は違うのです。今回の記事ではシミの元メラニンを作らせない、「甘草」の美白に対するアプローチについてご紹介します。
シミが出来るメカニズム
- 肌は紫外線を浴びるとメラノサイトにメラノサイト活性因子(情報伝達物質)という信号を送ります。メラノサイトとは表皮の1番奥にありメラニンを産生するメラニンの工場です。
- メラノサイトに信号が送られてくると、メラノサイト内でチロシナーゼが作られます。
- チロシナーゼはアミノ酸の一種であるチロシンに作用し、ドーパになり、ドーパはもう一度チロシナーゼの作用を受けてドーパキノンへとなり、やがてメラニンになります。
メラノサイトで作られたメラニンは、表皮に放出されてシミの元となります。表皮の一番下で放出されたメラニンは、皮膚のターンオーバーとともにだんだん押し上げられて垢とともにはがれ落ちていくのです。
メラニンがシミとなり肌に肌残ってしまうポイント
メラニンは、紫外線から肌を守る大切な役目があるのですが、そのメラニンが排出されず肌に残ってしまうとシミになります。なぜメラニンが肌に残りシミとなってしまうのか、大きく分けて3つの原因があります。
- メラノサイトを刺激し過ぎて、大量にメラニンが作られている
- メラノサイトにエラーが起きている
- ターンオーバーのサイクルが乱れている
3つの原因をそれぞれ詳しく解説していきます。
1.メラノサイトを刺激し過ぎて、大量にメラニンが作られている
メラノサイトを刺激し過ぎる要因としては、紫外線、活性酸素などがあげられます。日中に日焼け止めを塗らずに外出したり、スポーツ・レジャーなどで紫外線を浴びる時間が多くなったりするとメラノサイト活性因子(情報伝達物質)が活発になりメラノサイトを刺激し過ぎてしまいます。またストレスやたばこ、空気中の排気ガス等が原因で大量に発生していまい活性酸素が大量に発生すると、メラノサイト活性因子(情報伝達物質)を活発にしてしまいます。
2.メラノサイトにエラーが起きている
紫外線は表皮の一番奥にあるメラノサイトにもダメージを与えてしまいます。そうするとメラノサイトにエラーが発生し紫外線を少ししか浴びていないのに過剰にメラニンを作り出してしまいます。レーザー治療を受けてシミが取れたのに、また同じところにシミができてしまうというは、メラノサイトがエラーをおこしている可能性が高いのです。
3.ターンオーバーのサイクルが乱れている
メラノサイトから表皮に放出されたメラニンは、本来ターンオーバーによって表面に押し出され最終的には垢となってはがれおちます。しかし細胞が栄養不足になっていたり、紫外線や活性酸素のダメージを受けていたりする場合はターンオーバーが遅くなり、メラニンを処理することが出来なくなってしまいます。その他にもターンオーバーの乱れには原因があります。表皮の一番奥は基底層といわれ基底細胞がならんでいます。この基底細胞は母細胞と呼ばれ、新しい細胞を作り出すという働きがあります。頬の上部などは紫外線があたりやすく、その部分の基底層に並ぶメラノサイトと基底細胞がダメージを受けると新しい細胞を作る量が減りターンオーバーが乱れてしまいます。そうすると頬の上部にシミが出来るのです。
甘草の美白力
美白力というのは、主にはシミへのアプローチを指す言葉として使われます。そのアプローチ方法は様々で成分によって違います。その方法は大きく分けると3つあります。
- メラニンを作らせない
- ターンオーバーでメラニンを押し出す
- メラニンを白くする
美白というと「メラニンを白くする」というイメージを持たれているかもしれません。
しかし、シミを薄くしたいと思ったらメラニンを白くする成分だけでは不十分なのです。
例えば、水道の蛇口が壊れていて、水が出っ放しで床がビショビショになっていたら、どうしますか?雑巾で床を拭くことから始めても、水が出っ放しだと全く状況は変わりません。
まずは水道の蛇口を修理することが大切です。シミを同じです。
メラノサイトというシミの元メラニンを放出する工場があって、そこから放出されたものがシミとして残るのであれば、まずはメラニンを作らせないということが大事になるのです。そこでご紹介したいのが甘草です。
特にシミの場合には甘草の中に入っている成分「グラブリジン」に大注目です。
甘草とは
甘草(カンゾウ)はマメ科の多年草で、根を乾燥させて生薬として使用されます。高さは30〜80cmほどで、長さ1m~2mにもなる大きな根茎があります。6~7月に花をつけ、7~8月に実をつけます。中国東北部から中央アジアおよび南ヨーロッパの乾燥地に分布しています。 甘草はその名の通り甘みがあり、それはショ糖の150倍〜200倍の甘さです。
甘草は最古の薬草ともいわれており、4000年前から薬草として使用していたとされています。甘草には傷の治療や抗炎症作用、肌荒れ、ニキビ予防、抗アレルギー、咳を抑える効果、鎮痛効果など多くの効果があり漢方薬や化粧品の原料として使用されています。
甘草に含まれるグラブリジンがシミをつくらせない
甘草には多くの様々な成分が含まれているのですが、この記事では甘草の中に含まれる「グラブリジン」という成分にスポットを当てて説明します。甘草の中に含まれている「グラブリジン」ですが、それのみを抽出した場合には「甘草フラボノイド」と言われ化粧品成分表示名は「カンゾウ根エキス」として記載されています。
グラブリジンとは
グラブリジンはチロシナーゼ活性阻害による色素沈着抑制作用が認められています。
どういうことかというと「メラニンが作られる前に止めるので、シミになりにくい」ということです。
グラブリジンの美白へのアプローチはシミの元メラニンを作らせないとい方法なのです。
シミが気になり、こだわりの美白用化粧品を使用してもなかなか効果が出なかった人は、メラニンを作らせないといアプローチが不足していたのかもしれません。グラブリジンはメラニンの元にアプローチをしていくので、肌の奥にメラニンが生まれること自体が抑制されます。そうすることで肌の奥から透明感を生み出すことができるのです。
シミ・美白でお悩みを抱えている方へ
シミ・美白にとって大事なことは、黒く見える原因であるメラニンを白くすることだけではありません。メラニンが作られてしまう原因にアプローチすることも大切なのです。甘草にグラブリジンという成分が含まれています。グラブリジンはシミの元メラニンに影響を与える因子であるチロシナーゼを抑制します。シミの元メラニンの生成を抑制するのです。そうすることで新たに作られるメラニンの量が減り、肌のターンオーバーでメラニンを排出することが出来るようになります。
今回は「甘草」に含まれるグラブリジンの美白力に絞った内容となっていますが、甘草には今回ご紹介していない抗炎症作用、肌荒れ、ニキビ予防、抗アレルギーなど肌への効果がたくさんあります。
「甘草」のシミの元メラニンを作らせない美白アプローチ!アンチエイジングでお悩みの方はスキンアに取り入れてみてはいかがでしょうか。